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なんだか、ちょっと寂しい感じのタイトルです。
作者の本は、いくつか読んだことがあるのですが、人物に対する細かい描写が気に入ってます。
そしてわざとらしい感じでない、もの悲しさ、人生の悲哀、ちょっとした感情の動きなど… 絶妙です。
年をとるということって、いろいろ辛いな…と思います。
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閉塞した日常に訪れる転機を冷静で繊細な筆致で描いた短編集。
バラエティーに富んだ5編が収録されており,
どの作品も設定やプロットがよく練られている印象を受ける。
女性が理論的に男を見るとこういう印象なのかと思わされる。
わざと蔑んだような面もあるが,示唆に富んだ視点は興味深い。
初めて著者の本を読んだが,導入作には適した本だったと感じる。
個人的には,「ソリスト」,「戦争の鴨たち」が良かった。
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篠田節子の小説には、いろいろな世界があるけれど、それを凝縮させた一冊という印象の短編集。
どの話の中にも「人生の秋」が根底に流れている。
諦めや寂しさ。やがてくる冬への漠然とした不安と嫌悪。
そんな感情が静かに語られている。
モテないまま中年を迎えた男とオンナ。天性の才能を持つものとそうでないものの心情。
篠田節子独特のホラーやミステリーをちりばめたストーリーはもちろん素晴らしいのだが、ラストに収められている表題作「秋の花火」が不思議な余韻を心に残した。
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0912 初篠田節子作品の短編集。各主役の心理描写が時に寂しく時に明るくリアルに描かれている。
暗い話より明るい話の方が好き。
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しっとりとした、だけどどこかしら怖い部分もある作品集。ここでの「怖さ」っていうのは……誰でもふと感じることがあるであろう「孤独」なのかなあ。「観覧車」や「灯油の尽きるとき」なんてまさにそうだと思う。
一方でなんともブラックなのは「戦争の鴨たち」。これにはもう笑うしかないのだけれど、ここに描かれているのって……絵空事? いやいや、相当に皮肉だわ。
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五編から成る。ソリストはピアニストのお話。秋の花火は弦楽アンサンブル。執筆に関して楽曲の構成、演奏方法等について専門家から実技を含んだアドバイスをもらっている。
篠田節子は、しっかりとした音楽小説を書ける作家の一人。
どの作品も、超常現象は出てこない。日常のちょっとした延長にスポットを当てている。いずれも印象深い、素敵な作品。
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最近、心おだやかになるような本ばかり、読んでいたのですが、桐野夏生の「I'm sorry, Mama」とこの本を読んで、冷たい隙間風が心にぴゅーぴゅー。いや、そういう本も嫌いじゃないんですけど、ちびっこのいる母として、なんとなく心穏やかでいたい気持ちもあったりして。って本の内容とは関係ない・・で、内容。一番印象的だったのは、「灯油のつきる時」なんとなくラストが想像できてしまうのですが、うまいなあと感心。寂しいときのやさしい言葉ってすがりたくなるものなのですよね。何げないひとことでも。「観覧車」は個人的にどっちにも感情移入できず。「秋の花火」は、老人の性について考えさせられました。いや、こういう人いっぱいいると思うんだけどなあ。(指揮者の先生ね。)自分の親なら許せないけど、知人なら、かわいいと思えるかもしれないです。誘われたら思いっきり拒絶ですけど。
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とても良かった!
ひとつひとつの短編が、息をつめるほど
リアルで深く、取材して綿密に組み立てられた
世界観という感じで、さすが篠田節子さんです。
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短編5話
観覧車
ソリスト
灯油の尽きるとき
戦争の鴨たち
秋の花火
いかんとも、篠田節子らしい、斜に構えた話が多い。
幸せな終わりではなく、悲惨な終わりでもない。
思わぬ落とし穴に嵌まるが、恐怖のどん底ではない。
人間らしさと皮肉屋さんらしさといえばいいかもしれない。
「戦争の鴨たち」はある意味笑える。
戦場の近くで、戦場を模擬する商売があろうとは。
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彼の抱えた悲しみが、今、私の皮膚に伝わり、体の奥深くに染み込んできた―。人生の秋を迎えた中年の男と女が、生と死を見すえつつ、深く静かに心を通わせる。閉塞した日常に訪れる転機を、繊細な筆致で描く短篇集。表題作のほか、「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争の鴨たち」を収録。
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久しぶりに篠田さんの作品読みましたが、やっぱりいいですね!閉塞した日常にあらわれた転機が表現されています。
5つの短編集ですが、後味のいい「観覧車」の話が一番好きです。篠田さんの作品が好きな方は是非!
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5つの短編。趣きはどれも違ったもので著者の幅広い作風が味わえる。短編ながらも落ちがちゃんとあるから一つの作品を読みおえた感があり短編というのを忘れてしまう。
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五つの短編集、特に『観覧車』と『灯油が尽きるとき』に惹かれる。観覧車は明るい未来に一歩踏み出し、灯油~は現状から離脱するために一歩踏み出したわけである。人の人生には慣性の法則が働く、一時的な成功を手にしてもしばらくすると自己のイメージに逆戻りするのである。観覧車の二人に幸あらんことを願う。
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閉鎖した日常に訪れる転機を、繊細な筆致で描く短編集…
まさしくその通りの5つの話。
「秋の花火」はオトナの静かだけど胸が苦しくなるような切なさを感じた。
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「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争の鴨たち」「秋の花火」の5編からなる短編集。
どの物語も短編ながら奥の深い、密度の濃いものになっている。設定も、主人公たちの抱える問題もそれぞれ別物でありながら、行き詰まり、鬱屈しているという点で共通している。
「観覧車」は最後に感じる小さな希望にホッとし、「灯油の・・・」はつらい結末に気分が塞ぐ。
「戦争の・・・」はどこかコミカルでありながら、痛烈に現実をえぐるところが篠田さん的で、タイトルの「鴨」にニヤリ。
そして、秀逸なのが標題作「秋の花火」。秋の花火は夜空に大きく開いて消える夏の花火とちがい、手元で闇を一層際立たせながらそっと横顔を照らす。そんな花火に、ひそかに心を通わせる男女の姿を映す物語は静かで、だからこそドキドキするようなエロスがある。
篠田作品、堪能しました。