中国の儒教の四書の一つに数えられる『孟子』が読み易い現代語訳で登場です!
2020/03/16 09:46
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、中国における儒教の貴重な「四書」の一つとされる『孟子』について、その内容を分かり易く邦訳し、解説を付けた貴重な一冊です!『孟子』は、紀元前4世紀頃に教えを説いてまわった孟子の弟子たちが、師の死後に全7編として纏めたもので、『大学』、『論語』、『中庸』といった書を含めて儒教四書と言われているものです。『孟子』には、仁・義・礼・智の徳に基づく王道政治が唱えられ、「性善説」に基づいた道徳論が説かれています。ぜひ、この機会に中国古代の貴重な儒教の教えを説いた同書を読んでみられては如何でしょうか?
宇野精一の「孟子 全訳注」
2021/12/31 23:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:*iroha* - この投稿者のレビュー一覧を見る
孟子本は数あれど、最もシンプルで詳しいのではないでしょうか。
筆者独自の解釈や思い入れなどの余計な情報がないのがいいです。
原文も掲載されています。
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孟子曰く「人間の本質はと言えば、善をなすはずである。即ち性善の証拠なり。」善をなすの”なす”が大事なところ!!
孟子が言うに、誰でも「他人の不幸を憐れむ心」「不正義を恥じて憎む心」「慎み敬う心」「是非を判断する心」を初めから備えている。そしてこれを達成しようとする。それが「善をなす」という願望である。
そう、性善説は「人の本質は善である」ではなく、「人は本能的に自分の思う”善”を実行したがる」というのが一番しっくりくる解釈である。
しかしここで短絡的にとらえてはいけない。仲間を思う心・正義を貫こうとする心・忠誠心・判断力、これらの前提というか、基準は定まっていないのである。
例えば、ヤクザにだってこれらの心がある。組の仲間を思う気持ち、ヤクザ世界で筋を通そうとする任侠心・組への忠義心、組の利益を第一に考える判断力。これらの気持ちを通そうとするのだって性善説でいう心があるから生まれるものである。
組長のオヤジのためなら鉄砲玉になって人殺しもする。それがヤクザの世界の正義だから。組に対する愛情だから。一般的には悪だと言われることも、人によっては正義となり、それを遂行することで自分は善になれると願うのである。
だから性善説は甘いものじゃないのである。「人はみな本当は良い人である」というお花畑な考え方は間違いである。その人が誰のために、何のために善を求めるのか。そのために他者の犠牲は厭わない、ということもあり得るのである。基準次第で変わる。
性善説を語るからこそ、善悪の基準をきちんと作る。「社会のために」という功利主義的な規範意識を醸成することが何より大事なのである。その基準をもとに、人々が本能的に性善説をなすことで、世の中が良くなっていけばいいと思います。だから教育が大事。大事。大事。
以上は自分の意見であり、この本にはそのようなことは書いていなかった。ただ、「善を為す」の意味をしっかり考えてほしい。
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意外とプライド高いし、偏見が多い気が。。性善説を説いた歴史的な意義はあると思うけど、論語的なキャッチーな格言もなく、ややもの足らず。堯舜、殷周あたりのエピが多く、そこら辺は勉強になった。