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昔レオナルドのノートという文庫本を買ったがまだ読まないで置いてある。独創的な天才というイメージだったが、彼の発想も同時代の人や古代の人の思想と無縁ではありえない。むしろ、ルネサンスという名に相応しく昔の人の思想を深めている。孤高でもない。社交家で色々な分野の人と繋がっている。アイデアはいつの時代も文化や様々な考えの交差点で起きるということだ。ゲイ、作品を完成させていない、代表作はそんなに多くなくても良い。何が同時代人の天才と後世に名を残すレオナルドとの差異になっているんだろうか。美術って深い。
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みんな知ってる天才レオナルド・ダ・ヴィンチの知ってるようでてんで知らなかった生涯、手がけた作品、仕事、こだわり、大量のメモのわけ、未完の作品ばかりなわけなどなど、読めばその人となりがひと通りわかるようになっている。驚いたのはダ・ヴィンチがその画家としての観察眼で、ニュートンなどその後の科学者たちに先んじて、様々な科学的法則を、執拗にその目で見て得た経験から、感覚的に導き出してしたことだ。なぜ天才と言われるか、やっとその理由の一端がわかった気になれる著作です。
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レオナルド・ダ・ビンチの生涯と科学者としての即席、芸術作品解説など。
余りにおおきな天才なので、却ってあやふやに知っていることが誤解を自己の中にもたらしている。そういう「誤解」を説いてくれる好著。
この本は、さすがアイザクソン。読んでいて楽しい、引き込まれる。
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「モナリザ」や「最後の晩餐」といった歴史的絵画を生み出したルネサンス期の巨匠・レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯を振り返り、天才画家としての側面のみならず、兵器や城壁の設計から人体解剖に至るまで、多種多様な分野での隠れた実績に光を当て、その人物像を鮮やかに描き出した一冊(正確には上下2冊)。
著者はダ・ヴィンチが遺した膨大なメモを詳細に分析し、輪郭をぼかす技法や布地のひだの描き方から、遠近法や光学、幾何学の考察、さらには身体の動きや顔の表情を作り出す筋肉のメカニズムの解明など、傑作と呼ばれる絵画作品の背後にある膨大な科学的研究の蓄積を紐解くとともに、舞台演出等の絵画以外の芸術分野での活躍、さらには飛行装置や新型兵器の設計、治水管理や都市計画など、構想のみに終わったものも含めた数多くの観察に基づく研究や発明の成果を明らかにしている。それらを通して浮かび上がるのは、完全主義者かつADHDが疑われるほどのきまぐれさゆえに制作が遅々として進まず作品が完成しないという孤高の芸術家としての姿と同時に、より幅広い分野で権力者に重用されたいという職業人としてのジレンマを抱えた一人の人間の姿でもあり、その根本には並外れた好奇心に優れた観察力・洞察力を併せ持ち、前例や慣習にとらわれない斬新かつ柔軟な発想によって芸術と科学の境界を超えて真実を探求する情熱があったことが理解できる。
著者は、多くの専門家からの引用に、自身の解釈や見解も重ねる形で、今なお謎に満ちたダ・ヴィンチの実像に迫っているが、そこにはダ・ヴィンチをアインシュタインやスティーブ・ジョブズにも通じるイノベーターと捉えるとともに、その天賦の才よりもむしろ不断の努力や情熱に焦点を当てる著者独自の視点があり、だからこそ、現代に生きる我々にとってよりリアリティのある、人間味溢れた先達としてのダ・ヴィンチ像が描き出されている。まるで映画を観ているように(実際、映画化も決定)、大作ながら流れるように読み進めてしまう面白さと、読み終えた後に数々の教訓が心に残る良書。
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教科書に出てくるような歴史上重要な作品を数多く所蔵するルーブル美術館でも、モナリザの扱いは完全に別格だった印象がある。 舞台は華あるルネサンス期で、グーテンベルクの活版印刷が急速に広まって欧州社会を変革させ、大航海時代にも迫る15世紀末となっており、錚々たる豪華登場人物が彩る魅力的な内容は、ダ・ヴィンチ個人の魅力もさることながら、当時の時代背景や情景をうまく伝えていて面白い。 著者はダ・ヴィンチについて、雲の上の存在としての天才ではなく、執念的な観察を重ねることで知識を広めた努力家で身近な人物と感じているそうだが、エピソードを聞けば聞くほど自分には前者に思われてしまう。
明らかに時代の100年200年先を行く偉人であったし、複雑系にも類似パターンを見出していることから人類トップレベルの頭脳・発想力を持っていたのは驚嘆させられる。
絵画の解説があればより作品が楽しめるが、自分にはその手の感性があまりないと感じさせられてしまう一面もあった・・
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これほどレオナルド・ダ・ヴィンチを身近に感じたことはない。いつも絵画を通じてダ・ヴィンチの存在を認識していたに過ぎなかったが、上下巻を読んでダ・ヴィンチの人生に触れることができた。
芸術(絵画)と科学(自然の仕組み)を結びつける好奇心や分析力はやはり大したものだ。自然の仕組みを観察しその分析した結果を絵画に積極的に取り入れた。
一方、ダ・ヴィンチはすばらしい作品を残しているが、同時代のミケランジェロやラファエロのように芸術家と比べ、作品を残す貪欲さがない。作品の製作途中でそのままにしてしまうことも多かったようで、なぜかあの頃の工房の親方として、また職人としての貪欲さが伝わってこない。ダ・ヴィンチの作品を後世まで残そうという野心を感じない。それでもってあれだけの名画を残しているところに彼の立ち位置の面白さがあると言ってもいい。
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ダビンチが残した7200枚のノートをもとに書き起こされた作品の上巻。
読んでみて、とんでもない天才ぶりに頭がついていかない…
十三章に出てきた、複式簿記を広めたと言われる数学者ルカ・パチョーリとも親交があったり。『帳簿の世界史』に載ってたかな??
十四章の解剖学に熱中とか、現代だとかなりやばい人だし。
なんか、惹かれたのは十五章にあった『少女の頭部の習作』、これ家に飾りたいなと思って、ポスターとか売ってるだろうと探してみたら、思った以上に無くて、売ってるものが左右逆なものばかりなのは何故なんだろう??って思った。知ってる人がいたら教えてもらいたい。
あと、レオナルドが描いたのかそうではないのか?の議論を巻き起こした「美しき姫君」も謎めいていて面白い。
序章「絵も描けます」
第一章 非嫡出子に生まれた幸運
第二章 師に就き、師を超える
第三章 才能あふれる画家として
第四章 レオナルド、ミラノへ”贈与”される
第五章 障害を通じて、記録魔だった
第六章 宮廷付の演劇プロデューサーに
第七章 同性愛者であり、その人生を楽しむ
第八章 ウィトルウィウス的人体図
第九章 未完の騎馬像
第十章 科学者レオナルド
第十一章 人間が鳥のように空を飛ぶ方法
第十二章 機械工学の研究者
第十三章 全ては数学であらわせる
第十四章 解剖学に熱中する
第十五章 岩窟の聖母
第十六章 白貂を抱く貴婦人
第十七章 芸術と科学を結びつける
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ビル・ゲイツ推薦。
出口治明氏推薦。
「スティーヴ・ジョブス」を著したウォルター・アイザックソンの「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
先々月、イタリアのフィレンツェのウフィツィ美術館に行った際、
その中にある数々の絵画の中で、
ボッティチェリやラファエロよりも群を抜いて、
この目に心に突き刺さってきたのは、
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「東方三博士の礼拝」だった。
この本を読んで分かったことは、
実はあの作品は未完成であったこと。
そして、レオナルドの作品には未完成品が非常に多いということ。
理由は、
完璧を目指しすぎて、
完成できなかったというものが、
最も理由として的を得ている気がする。
創造するものの理想度が高く
時代の先をいってしまう作品。
レオナルドには、
芸術的才能と技術的才能があり
メモ魔のレオナルドからも推測できるように
相当に強い好奇心と探究心があったように伺える。
その才能の掛け算が
レオナルドをレオナルドたらしめているように思う。
明らかに
同時代の画家達と比べて
作品の中に、科学的、数学的、計算され尽くしたロジックのようなものが、感じられる。
異質であり、天才。
だが、初めから日の目を見ていたわけではない。
レオナルドにも評価されない時代はあった。
個人と環境がマッチングすることで、
天才も生まれるのだろう。
天才が生まれるのは、アットランダムとはそうゆうことなのかもしれない。
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レオナルドダヴィンチがずっと気になっていた
断片的な類稀なる才能に触れることはあるが、全体像を一度きちんと知りたい…
そんな時出会えた本である
あの『スティーブ・ジョブズ』の伝記でベストセラーとなったウォルター・アイザックソン氏の著である
これは楽しみだ!
自作メモは7200ページに及ぶ
完全なるメモ魔である
このメモのおかげでこのような本が出版できているのだ!
【出生】
父はヴィンチ村の公証人、母はヴィンチ村の貧しい娘、非嫡出子
ラテン学校に通わされないことや公証人にならずにすんだことにより、伝統的思想に縛られず、自由な発想力を持つことができた
与えられた知識を完全に疑い、経験的な自然研究の手法を生み出せた
~いつの現代も子供は伸び伸び育てるのが一番だ
【フィレンチェへ】
ヴェロッキオの工房へ弟子入り
レオナルドの才能に気づいた父が手はずを整え、仕事を取ってきてやったりするが、完璧主義で身を結ばず
工房ではあっという間に師をこえる
~ヴェロッキオは気の毒に…二度と絵筆をとらなかったと言われている
【30歳を迎える頃】
才能は揺らがない、しかし証明する材料がない、実績がない
この頃鬱状態にあったらしい
【30歳でミラノへ】
「軍事技術のプロ」という偽り内容の求職の手紙
その中にダヴィンチの才能を一言で表す内容が…
「絵もかけます」!!
エンターテイナー的な仕事や余興のプロデューサーをしていたらしい
~「絵もかけます」!?
現代の我々からすると一瞬「?」となるが、うん「そうだそうだ!」と奥深い才能に納得する
【レオナルドの人柄(本書より抜粋)】
○圧倒的に美しく優雅、ハンサムで人を癒す温かみがある
○親しみやすく頭脳明瞭
○体格も良く、人目を引くほどの美男子
○話上手で自然を愛し、人にも動物にも優しく穏やかに接した
○動物を愛しており菜食主義者
○お金に頓着せず、物欲もない
○物質的な富にしか興味がなく、英知が心の栄養
○親しい友人、弟子大勢いた
○非嫡出子、同性愛者、左利き、菜食主義、の異端児
○ふさぎ込んだり思い悩むことも多かった
○のめり込みやすく歯止めのきかなくなる性質
○好奇心が強すぎて注意力散漫
○熱心だが気が散りやすく、集中していたかと思うとスケジュールに遅れる…
〇同性愛
盗みを繰り返すサライという小悪魔な美少年
常にうんざりしながらも許している
私的なことの少ないノートにサライの悪行を記録する滑稽さ
口論も絶えないながらも終生甘やかし面倒をみた模様
~想像以上に人当たりが良く、感じが良かったようである
偏屈な頑固マニアな印象だったがそうでもなさそうだ
人とも協力し合っているではないか(と勝手に安心する)
サライとの関係の俗っぽさがむしろ微笑ましい
しかしこだわり、徹底ぶり、狂人的な熱中の仕方ががやはり尋常ではない
【以下備忘録】
◎芸術と科学を融合させた「ウィトルウィウス的人体図」
この人体比例に大いに影響を受ける
人体のプロポーションは優れた教会のデザイン、さらには地球という大宇宙のそれに通じるというウィトルウィウスの考えそのものがレオナルドの世界観の中核をなすように
◎数学が意外にも苦手
生涯を通じて数式ではなく絵を描くことで幾何学的変化を理解しようとした
また図形の虜になり、「π」なき時代に円の面積を割り出そうと四苦八苦
◎解剖学に熱中
「画家は優れた解剖学者でなければならない」と考え、絵を描くことによって思考を深められるとし、美しさまで加えた
◎10人以上の工房の若者の、頭から爪先まであらゆる部位を測定 40点以上のスケッチと6000語以上のメモを取っている
人間の普遍的な寸法を理解したい
◎絵画を工学と言う科学的探求や遠近法と言う数学的概念と結びつけ、画家と言う仕事やその社会的地位の評価を高めようとしていた
◎五感の中で視覚が最も優れていると言う考えをもっていた
「目は心の鏡と言われる通り、脳の感覚受容器が、自然の様々な作品をしっかり捉え、吟味するための主要な手段である」
◎絵画は芸術であるだけでなく科学である
3次元の物体を平面で表現するためには、画家は遠近法や工学を理解する必要がある
これは数学に基づく科学であり、それゆえに絵は手を動かす作業であると同時に知的営みである
◎観察力と想像力を組み合わせ、「自然の創造物のみならず、自然が生み出すことのできなかった全てを書き出す」能力
これがレオナルドを特徴づける才能だ
◎光と影の相互作用に関する観察力が際立っていた
影がなければぼんやりとした物体も確固たる物体もきちんと表現できない
影によって物体は形をとる 影がなければ、物体の形の細部をとらえることができない」「単に輪郭線を描くことより影を完璧に描く方が、はるかに多くの観察と研究を要する」
◎ほとんどの物体の形を輪郭線ではなく影で表現すると言うスフマート技法
「線には数量や実態はなく、実在する物体と言うよりは空間的概念である
これが線の本質であり、現実世界には存在しない」
物体の境界がぼやけて見えるのは、人間の知覚力のためではない
我々の目にどう映るかとは関係なく、そもそも自然にははっきりとした線は存在しない
レオナルドは芸術と科学の境界だけでなく、現実と空想、経験と神秘、物体とその周辺の境界を全てぼかしていった
◎光学ついての研究において眼球の解剖
眼球は切断しようとすると変形してしまうと言う問題に直面
そこで眼球を卵白に入れ固まるまで茹でる
それから眼球の中心部をこぼさないように注意しながら卵と眼球を切断すると言う独創的な解決方法を編み出した
◎遠近法
「遠近法には3つのタイプがある
1つ目は物体が視点から遠ざかるほど小さくなるようにする方法
2つ目は遠ざかるほど色に変化をつける方法
見つめは遠ざかるほど物体の細部が見えにくくなるようにする方法」
この3つめが画期的
「物体が遠くにある時、我々と物体の間には大量の空気がある
それによって形がぼんやりとして、細部がはっ���り見えなくなる」
【絵画作品】
『ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像』
父が息子のために取ってきた
宗教画以外の最初の作品
○背景霧がかかった川
○光の反射する繊細な巻き毛
○両眼の瞳孔に太陽光の輝き
○物思いにふけった表情
○わずかに浮かぶ微笑
モナリザにつながる作品
女性が受動的な人形ではなく、自らの思考や感情を持つ人間として描かれるようになる転換点
『岩窟の聖母』
一作目(ルーブル)
洞窟の組成は地質学的に驚くほど正確に描かれている
想像の産物でのリアリティさが見事
二作目(ロンドンナショナルギャラリー)
天使がヨハネを指差していない
天使の指によりマリアのイエスにかざした手が遮られていないため、マリアの感情と仕草が際立つ
洞窟が一作目より閉鎖的になり光が拡散せず
光線として一方向から差し込んでおり、表現に一段と磨きがかかっている
新しい時代の光
~比較してみると面白い
『白貂を抱く貴婦人』
チェチリア・ガッレラーニ
ミラノ公に見初められる
レオナルドがミラノに来て7年
初めて雇い主から絵の依頼を受ける
「しぐさで思考を表現した」
と言われる作品
この場で起きているある瞬間に映し出された作品
貂もその瞬間の緊張感を表しており生き生きと描かれている
〜頬にかすかに色がともるような、ハッとした瞬間が捉えられている!
貂も彼女に同化してしまったかのように、警戒心ではない緊張感が…
『美しき姫君』
レオナルドの作品か!?
〜こういうテーマの内容は本当にミステリー小説のように面白い
現代の科学技術の進歩で多くのことがわかるようになってきてまるでレオナルドの知性に挑戦しているかのよう!
多くのメモ・ノートが掲載されたており、絵画は贅沢にカラーなので視覚的にもとても楽しめる!
備忘録的な内容が多くなってしまうが…
なんせ本の分量が凄い!(まだ半分⁉︎)かつ好奇心をくすぐられるものが多い(多すぎる!)
ウォルター・アイザックソン氏の緻密な調査に頭が下がる
自然(宇宙)と人間(人体)との関係の密接さは非常に神秘的で奥深く興味深い
またレオナルドの意外な人間味あふれる人物像も好感がもてる
後半の展開も楽しみである
(楽しみであるが、完読には時間がかかるだろうなぁ…)
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レオナルドに興味を抱いたのはフランスのトゥールを訪れた際に、近くのアンボワーズ城に彼の墓があると偶然知って、好奇心に導かれて見に行ったことが始まり。それに加えて2019年は没後500年であり、ルーブル美術館で大規模な展示会や故郷のヴィンチ村も盛り上がっていた。
それ以来、レオナルドに関する情報を様々な媒体から収集したが現段階でこれほどまでに詳しく解説されている本には出会っていない。
レオナルドの生涯を事細かく紐解いていきながら、彼の美学や哲学に焦点を当て、我々はそこから学ぶべきことを見出せるような構成になっている。
本書でも指摘されているが、彼から学ぶべきポイントは5つあると思う。
①鋭い観察眼
これはレオナルドを天才と称してしまう要素の一つ。だが事実は彼の絶え間ない努力に裏付けられた能力であり、我々も見習うことができるのだという勇気を与えてくれる。
円の面積を求めようとした際に、算術が苦手な彼は数学者のような明快な解法がなく、円の中から計算可能な図形を取り出して合算する原始的な方法で解こうとしたレオナルドは、まさに天才ではなく、好奇心に突き動かされた絶え間ない努力が形作った秀才と言えるだろう。
②実験による検証
仮説を立てて実験を通して検証する。この仮説には知識を必要とすると僕は思っているので、やはり勉強あるのみ。
ただ現代を生きる僕は、便利なツールGoogle先生に頼ってしまうのが常なので、これを機に自ら仮説検証する癖をつけようと思う。
③常に常識を疑う姿勢
これこそ僕が見習うべき姿勢だと思う。他の書籍でこれを知ってからは常々僕もこれを意識しながら生きているつもり。
④分野を超えて共通のパターンを見出す能力
アナロジーを探すことはイデアを探すことと同義のような気がする。
⑤旺盛な好奇心
これら4つの土台となるのがまさにこれだろう。レオナルドの好奇心の前では自分の好奇心なんて塵のようで、もっと積極的な好奇心を持たなければ奮い立たされる。
面白いと思った箇所
・画家を目指す若者には「家族や友人から離れ、田舎へ、山や谷へ出かけよう。1人になれば真の自分でいられる」。ある意味でショーペンハウアーの『幸福について』と通ずる部分がある。長期間一人旅をした僕はめちゃくちゃ共感。
下巻も楽しみだ。
【メモ】
アルベルティの『絵画論』を読む
アナモルフォーシス
キアロスクーロ
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レオナルド・ダ・ヴィンチの伝記。
スティーブ・ジョブズの伝記を書いたウォルター・アイザックソンが著者ということもあり、
これはマストで読まねばということで読んでみました(でも、まだ上巻のみ)。
ハードカバー350ページもある結構なボリュームですが、
レオナルド・ダ・ヴィンチがどういった生き方をしていたのかを垣間見ることができる本です。
著者はレオナルド・ダ・ヴィンチのノートを読み解き、
ノートの内容に基づいてこの伝記を書き上げています。
また、出来るだけ客観的な作品を作りたかったのか、
空想や想像は出来るだけ排除し(書いたとしても、事実と意見を明確に分け)ています。
そのため、レオナルド・ダ・ヴィンチが実際に喋った言葉などはほとんどなく、
物語風にはなっていない構成になっています。
上巻を通じて、やっぱりレオナルド・ダ・ヴィンチは天才やな…的な
ありきたりな感想を皆抱くことになると思うのですが、
芸術(アート)と科学(サイエンス)を掛け合わせた作品を志向していったり、飽くなき探求心などは、
現在の我々も学ぶところが多いです。
(いや、このご時世にこそ必要なマインドセットと言えそうです。)
個人的に興味深かったのは、以下の点です。
・レオナルド・ダ・ヴィンチは飽きっぽく、完成した作品が少ないが、
実は完璧主義でいつまでも作品に手を加え続けたから、完成した作品が少ない(のではないか、という著者の意見)。
・画家だけでなく、建築家・軍事専門家・解剖学者・彫刻家・劇作家(プロデューサー)・数学者…などなど、あらゆる分野において、才能をマルチに発揮し、
自信のメイン業務(と思われる)アートに役立てている。
・とは言うものの、全てにおいて素晴らしく完璧であった訳ではなさそうで、
例えば軍事に関する彼のアイデアは使えないものも多い。
しかし、(完璧主義者のマインドとは正反対に)彼のノートには
未完成のアイデアでも何でも気にせずアウトプットして、思考を深めているように思える。
・レオナルド・ダ・ヴィンチの周りに同じようなマルチに活躍している天才が多く、
彼らからも刺激を受けている(そのような「場」に自身の身を置いている)。
彼自身が天才であり、飽くなき探求心を持っていたことは間違いないですが、
同時に(偶然かどうかは別にせよ)恵まれた環境にもいた(と思われる)という点や、
完璧主義と低質なアウトプットの相反する主義の同居が見られた点が
個人的にはとても興味深かったです。
そして、(読み進める内に)「ちょっと長いなぁ」とダレてきたところで、
後半部分の「新たなレオナルド・ダ・ヴィンチの作品の出現か!?」という
真贋を検証するくだりはどんどん引き込まれて行ってしまいました。
さすが、ウォルター・アイザックソン!
読むのはちょっと大変だけど、やっぱり下巻も読んでしまうのだと思います。
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ダヴィンチについては漠然と知っているようで、生まれ育ちやキャリアについてはあまり知らなかった。
当時はばりばりのキリスト教社会。その中にあって非嫡出子はさぞ不便を強いられたことだろうと思っていたのだが、逆にそれこそが彼の自由な創作につながったという出だしは強く納得するところでもあった。
厚い割にはサクサク読める。
当時の社会や歴史を知るのにもちょうどよい入門書だ。
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まず、本書ではレオナルド・ダ・ヴィンチをレオナルドと呼んでいるため、今回は私もこれに倣って感想を述べます。
本書は芸術家としてのレオナルドではなく、数学、音楽、生物学、軍事、あらゆる面で才を見せていた「万物学者」としてのレオナルドを知ることができます。
レオナルドはなぜ天才と呼ばれたのか、なぜモナリザは人類史に残る傑作になったのか。これらは単に芸術の才があっただけでなく、科学的、数学的に芸術を理解したからこそ実現できたのだと知れました。
本書の中で私が最も気に入っている部分はレオナルドが様々な分野で活躍ができた理由が「異なる領域の共通点を見つける病的な好奇心と薄気味悪い観察眼である」と述べられていた点です。これを真似たところでレオナルドになれる訳ではありませんが、本書を読み、レオナルドのファンになった私は好奇心と観察眼に重きを置き、少しでも「万物学者」としてのレオナルドに近付きたいと思いました。
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上巻を読み終わった時点での感想です。
レオナルド・ダ・ヴィンチの伝記と思って読み始めたが、上巻の大半は彼の作品の解説と分析であった。もちろんダ・ヴィンチの人生を理解するのには作品を理解することは大きな助けとなる。有名な「東方三博士の礼拝」や「岩窟の聖母」、「ウィトルウィス的人体図」の解説は、新たな視点を提供しており興味深い。
前半はダ・ヴィンチの生まれや幼少期について書かれており楽しめる。
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果てない好奇心、本当に見習いたい。日々の気づきを拾いながら、いつもそのままにしていると改めて気づく。興味を持つだけでなく、それを自分の納得いくまで深める探究心。今の様々な事物も意外とレオナルドが関わってたりすると知った。伝記面白い!