アドラー心理学をマンガで理解できる画期的な入門書です!
2020/03/15 13:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、オーストリア出身の精神科医であり、心理学者であり、社会理論化でもあったアルフレッド・アドラーが確立したと言われるアドラー心理学、もしくは個人心理学を解説した1929年に著された『個人心理学講義』のエッセンスをマンガで読者に分かり易く説明してくれる画期的な一冊です。同書では、お互いを信じられず、絆がなくなってしまいそうなある家族の状況において、心の扱いにくさ、しかし、心があるということが自分自身が確かに存在していることを表しているということに気づき、家族を再生していくというストーリー展開になっています。アドラー心理学を理解する上での入門書と言えるでしょう。
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アドラーの本は「嫌われる勇気」等を読んだことがあります。エッセンスは十分に得ることはできますが、活字が苦手な方にとっては読み返すことが難しいかもしれません。しかし、こちらの本は漫画であり、ある家庭をモデルに描かれており、具体例からアドラー心理学のエッセンスが伝えられています。よって、わかりやすいです。これなら、何度も読み直すことができます。
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スーパー家政婦のフウさんが、崩壊寸前の家庭を立て直していく話。アドラー心理学がベースだが、スリリングな展開ですぐ読めた。
長女は相当ヤバそうな感じがしたが、方向性を見つけると、意外とすんなり行動を変える。
問題行動の裏には大概何か理由があるものだ。
それに光を当てて、気分のいい方向に持っていくことが出来ればいいだろうね。
厄介なのは何世代にも渡っていて、そこから解消していかなければいけない場合。当事者に全く問題点がわかっていない場合。
カウンセリングは大事だと思う。ただ、かなり物事の良くわかっている勘のいいお医者さんでないと難しいかも。長年通院していても、薬出してお終いみたいな話をよく聞く。
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アドラーの考え方を元に、マンガで物語化して翻案したもの。
この手の漫画化っていまいち失敗しているものが多いと思うけれど、こちらの作品は漫画として普通に面白く、読んでいて、ぐいぐい惹きこまれる。
崩壊している家族に、住み込みのスーパー家政婦がやってきて、家族の問題を解決していくストーリー。
家族の各人が自分に対してコンプレックスを持ち、不安でたまらず、人を攻撃している。この疑心暗鬼な崩壊家族というのがなんだかリアルでアルアル要素もあり、闇に惹きこまれる。
以下、印象に残ったフレーズ
■誤ったライフスタイル・原型
・自分は無力であり、苦しんでいると主張することによって他人の注目をひき支配しようとする戦略
・自分に関心を持ちすぎ、共同体感覚を失っています。
→ 学校や社会の中で他人に関心を持つことは無能感や劣等感を克服するおおきな助けとなるでしょう。人間は、本来価値ある人間になりたい、人生を有意義に生きたいと思っているからです。
■勇気をくじかれた人たち
・人は夢や願望を持っていても、臆病ゆえにそれから目をそらすことがあります。
そういった人たちほど、運命論を信じます。運命論とは目標を持ちそれに向かって一歩ずつ努力することからの逃避なのです。
・勇気がある人はたとえ失敗しても必ず立ち直ることができます。なぜなら、人は自分が今目標をもって前を向いていると感じた時、劣等感から解放されるからです。
■本当に努力したのであれば、形は違っても必ず報いはある。人は一つの方向で失敗しても、別の方向で成功をおさめることで、自分の劣等感を克服することができる。
■劣等感コンプレックス
・劣等感が個人を支配し落ち込ませ、成長できないようにする時はじめて問題となるのです。アドラーはこれを劣等感と分けて劣等コンプレックスと定義しました。
この劣等コンプレックスに陥った人は人生の有用な面で人と競い合う自信がないので不毛な面にとどまろうとするのです。そしてこの列劣等コンプレックスを埋めるために自分が優れているふりをし他人を見下すのが優越コンプレックスです。
・過剰な劣等感(劣等コンプレックス)を補償するために持つ歪んだ優越感が問題なのです。彼らに欠けているのは共同体感覚です。自分の利益しか考えていないので当然孤立し人生の有用でない方にとどまるのです。私たちは彼らに誰もが人生における困難を解決できる力があるということを知ってもらいたいのです。そしてそのためには他人との協力が不可欠であることに気づいてほしいのです。