紙の本
本物の芸術を日本へ
2019/07/27 19:29
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大戦前、西洋芸術にまだ昏かった日本国民に本物の西洋芸術を見せたいと一大コレクションを築いた松方幸次郎と、
戦中、コレクションを守った男と、
戦後すぐ、そのコレクションを取り戻すために奔走した男たちの話。
テンポのいいストリー展開と、使命感あふれる男たちのお話。
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【アートに魅せられ、不可能を可能にした男たち】日本の若者に本物を見せたい。その一心で絵画を買い漁った男がいた。国立西洋美術館の礎“松方コレクション”の奇跡を描く感動作。
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昭和初期の男はアツく、志が高い!
世知辛い時代ではあるが、せめて志だけは、高く持ちたいと改めて思う。
目覚めのビンタをいただいた感じ。
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やっぱり原田マハの美術作品は面白い!
その一言に尽きる。
国立西洋美術館にある「松方コレクション」を巡る史実に基づいたフィクション。
今ではル・コルビュジェの作品として、世界遺産にも登録されている国立西洋美術館だが、完成するまでの男たちのロマンが詰まっている1冊。
2度の戦争に翻弄されながらも、「日本に美術を」と力を注いだ松方や田代、そして吉田茂元首相。
いつでも見られると思い、未だに行ってない国立西洋美術館だが、この本を読んで行ったら、さぞかし心を打たれることだろう…
と思ったが、残念ながら来年まで休館中…
残念…
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原田マハさんの小説は読み終わった後の虚脱感が半端ない。。。(大体面白くて一気読みしちゃうので、息止めてて終わったら急に深呼吸した感じ!?笑)
次に読む本を選ぶのに困ってしまうくらい。
うーん。でも、欲を言えばエンディングはもうちょっと山が欲しかったかな。
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人と絵が出会う瞬間、その瞬間の描写、それこそが原田マハの真骨頂だと思う。
この一冊は今までのとはまた視点が違う。
かの松方コレクションを作り出し、日本に美術館をつくった男たちの物語。美しき愚か者たちによる、タブローを巡る物語。
松方コレクション展に行く前に、読むべき一冊だと思う。
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松方コレクションをめぐる物語。
小説というよりも、ドキュメンタリーのように進んでいった。
とても緻密な取材に基づいてることがわかる。絵の運命を、生きた人間の一生と比べても遜色ないほど生々しく描ていて面白かった。
松方本人は回想の中でしか出てこないが、美術館の実現にむけて動いていく熱意と、周りを動かす人柄が感じられる。
欲を言えば、田代が絵の奪還に向けて動く現在の時間軸にも大きなドラマが欲しかった。難航する交渉とか。日置との駆け引きとか。
過去に全ての物語のピークが詰まってしまっているのが少しだけ物足りなかったかな?
でもそれも含めても、とてもステキな小説でした。
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国立西洋美術館が、どのような経緯で建てられたのか。
松方コレクションが、どのようにして成立したのか。
芸術の持つ力の素晴らしさ、それに突き動かされた人々の思いが鮮やか。
それにしても、松方幸次郎、本当にこんな桁外れの人物がいたのか!
実業家としての成功が莫大な資金を作り、街角のポスターに感じた衝撃から西洋美術館を作ろうという夢につながり、コレクターとして海外で知られる存在となり…果てはスパイまで⁉︎
そして、彼に出会った事で人生が大きく変わったふたりの青年、美術史研究者・田代と、飛行機の操縦士・日置が、松方のコレクションを巡る物語を、華やかで純粋な表側と、戦時中の陰惨な裏側から語る。
原田マハさんの作品に期待するすべての要素がたっぷり。
モネとの出会いやパリの華やかさなど、松方と田代の活躍する時代は、それこそ田代の瞳の輝きのごとくキラキラと夢のように読み進められるが、むしろ後半の日置の厳しい経験、戦争の影が物語を重く、ずしりとした手応えにしていると感じた。
超高精度な映像や、精巧な複製や印刷技術の恩恵を受けている現代の私たちは、あの時代の人々のように本物を求めることも感動することも少なくなってしまったのかもしれないけれど…
やはり、美術館に、足を運ばなくてはね。
愛知県の芸術祭で起きた問題を、ナチスが『退廃芸術』として弾圧した事と、重ね合わせずにいられない。
アートを、表現の自由を、今の私たちは守れるか?
アートを理解する、成熟した国になっているだろうか…
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素晴らしかった。
美術のことはあまりよくわからないけど、絵は見るのがすきで、松方コレクションのことは知っていたけど、こんなに壮大なドラマがあったとは(フィクションだけど)。
飛行機ではなく、タブローを。戦争ではなく、平和を。今の時代に、松方幸次郎さんのように、世のため人のために、資本も気概も行動力も使える人ってどれくらいいるんだろう。
音楽もそうだけど、芸術って、生きるのに欠かせないわけじゃないけど、日々に彩りを添えてくれるようなものだよな、と。
読み終わった後にカバー内の装丁に気づいて泣きそうになった。
松方さんはじめ、コレクションを守り、また日本で見られるようにしてくれた方々に感謝。
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史実の松方コレクションと西洋美術館が出来るまでの奮闘記。
史実を追って行くところがある分テンポにかけて少しだけ中だるみする箇所が幾つかあるけど、
一体どう言う経路を経て西洋美術館建設まで至ったのか…それが何よりも気になって最後は一気読み。
戦争ではなく平和を、タブローを!
とても熱い熱いメッセージだと思った。
今何気なく見れている傑作と言われる絵も、誰かが命をかけて次の世代へと繋いでいった結果なのだな…そう思うととても胸が熱くなる。
読み終えたら絶対西洋美術館の常設展示を見に行きたくなること間違いなし!
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松方コレクションを見に行く前に、この小説を読んだ。日本に美術館を造るという松方幸次郎の夢が繰り返し繰り返し語られる。激動の時代とともにあったタブローとそれを守ろうとした男たちのお話。
そのおかげで今日コレクションのタブローに目見えてると思うと自然と胸が熱くなる。ゴッホの『アルルの寝室』と実際に相対した時には、素直に感動した。
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ベタな題名だと思ったが、本書の主題を辿っていくとこの表現しかないのかなとも思う。
当時の仏絵画界の本流からはずれ、異端とされた印象派の画家たちを最初に評価したのは米国など非欧州の実業家たちであり、その中に松方幸次郎がいて、晩年のモネとも交流があったことは日本の誇りとしていいだろう。
戦後フランスで発見されたコレクションのすべてが返還されなかったことは残念だが、そこに関わった人たちの数奇な巡り合わせや人生に思いをはせる。
ロンドンで焼失された絵画が現存していたら、と思ってしまう。
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「楽園のカンヴァス」が私の中では最高傑作だったが、どうやら本作に軍配があがったようだ。徹頭徹尾マハワールドに浸れます。今更直木賞なんてどうでもいいが、やはり作家にとっては売上が違ってくるだろうから本作で受賞されることを願っております。
現在、国立西洋美術館開館60周年記念で開催中の「松方コレクション展」の完全なるオマージュ作だが、読む前に観に行ってしまい、今は損した気分です。これからの方は是非本作を読んでから観に行かれることを強くお薦めします。展示れている作品が違う魅力を放って見えてくるはずです。当然私もあと何回か観に行くつもりです。
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どんな作品でも、小説でなくてもそうだけど、やっぱり作り手の内にあるものって出るよな〜と改めて思う。
原田マハさんの作品は、特にアートをテーマに書かれているのもは、アートに対する愛がストレートに出てると毎回思う。
美術館を作るために奔走する登場人物たちも、熱いんだけど、タブローに対する想いが何より熱い。
そして、ゴッホやモネの名画が、目の前に本当に存在するかのような描写に相変わらず引き込まれてしまう。
松方コレクション展、行かなくちゃ!と思った。
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いゃ〜、ワクワク、ハラハラ、ドキドキ面白かった。
愚かものたちの、、、の題名に惹かれて読み始めたら、松方コレクションの物語。
奇しくも国立西洋美術館で松方コレクション展をやっているのを知ってびっくり。
さらに2016年に発見されたモネの《睡蓮、柳の反映》が展示されていることに驚いた。
この物語は史実に基づくフィクションということだが、フィクションとは思えない凄さがある。感動した。
印象に残った文章
⒈ 松方コレクションがフランスではなくて日本にあることこそが、
フランスのためになるのだ。
⒉ 松方さんは、絵ではなく人を見て、絵を買うところがある。
⒊ そして、知らされた。自分が心ではなく頭でタブローを見ていたことを。