紙の本
ぞわぞわ、、、
2022/12/02 12:29
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投稿者:くるくる - この投稿者のレビュー一覧を見る
知人のおすすめで購入しました。
目まぐるしい展開と読後のなんとも言えない結末。
心の奥底から、ぞわぞわ。
今まで読んだことない類の本で、新鮮でした。
個人的には、栞の色やソフトカバーを外した表紙など、装丁にも細部までこだわりがみられて心が躍りました。
紙の本
距離の縮め方とホテル備品にはご注意
2021/07/10 17:34
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投稿者:クーニー - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルとカバーイラストのコンビネーションで、何となく不穏な雰囲気を醸し出している。これが「むらさき」ではなく、他の色だったら、また違った印象に違いない。むらさきは、キリスト教では罪の色、等と何処かで見聞きしたような気もする。いにしえの日本では、高貴な人々しか身に付けられなかったとか。
この本を手に取った時、庶民である私は、お気に入りの「むらさきのスカート」を穿いていた。私もまた、密かに誰かから監視され、進路を誘導されつつ、何故か、のっぴきならない状況に追い詰められるのではないか?と日常に潜む他者の視線に怯えてしまいそうだ。親しくもない他者との一方的な人間関係というものが成立することに戦慄。
細かい時間の描写が、緊張感と執着の雰囲気を巧く表している。
そして今後、訪れる機会があっても、ホテルの備品には触りたくないなあ、と思ってしまった。
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今村夏子さんの作品ってどこかこう気色悪さがあるのがいい。楽しみにしていた新刊、最高だった。むらさきのスカートの女と黄色いカーディガンの女の話。一歩間違えたら(や、間違えなくても、か)ものすごい危険な話をなんでこういとも簡単に淡々と描けるんだろう。いやらしさがないんですよね、今村さんの作品って。初っ端からニヤニヤしちゃったけど、終わりまでニヤニヤ止まらなかった…最高です!
芥川賞受賞おめでとうございます。
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むらさきのスカートの女より、断然黄色いカーディガンの女が気になって仕方ない。
危険なオーラがそこここに溢れてる割に、意外とあっさり、何事もないような風情。
「私」視点の「狂気」は、駅で毎朝すれ違うどこか宗教家のような「オダギリジョー」を見かけない日は気になって仕方ないと通じるので合点がいってしまったけど、突き詰めて煮詰める勇気はないな。
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近所で頻繁に見かける、名前も知らない人。
何故か見かけると気になって自然に目が追ってしまう…
ただそれだけの話かと思ったら…うふふ
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今村夏子の最新作。
この何処かずれている感、読んでいてざわざわする持ち味は、著者独特のものだと思う。タイトルの『むらさきのスカートの女』からして、妙に『白いメリーさん』っぽさがある(そういえば一昔前は、メディアに登場させてはいけない方の『有名人』が、何処の繁華街にもいたよなぁ……)。
主人公が『むらさきのスカートの女』に抱く執着心とか、気持ち悪いんだけど面白い。
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得体の知れないけど不気味なことはなんとなくわかる、なにかを遠巻きにみている。だんだんと可視してくると、足元キワキワにぽかりのみ込まれそうな空洞あったよ!みたいなヤバさ。
自分も、むらさきのスカートの女を好機の目でみていたから、結末に仰天する。
それにしても、彼女はどうやって空洞を埋めるつもりなん…や…
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〈わたし〉と〈むらさきのスカートの女〉は本当はよく似ていたのかもしれないし、〈わたし〉と〈むらさきのスカートの女〉は本当はまったく似ていなかったのかもしれない。
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いつも紫のスカートをはいた女の人がどういう人物なのか。をおいかける女視点で描かれている。(←この地点で地味に怖い)人間の豹変していく様がじわりと怖く感じる作品。登場人物みんなキャラが濃く、紫のスカートの女の変?さが、そこまで際立っていなかったかも。それより、紫の~を観察してた権藤さんの方が怖い(笑)
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むらさきのスカートの女と黄色いカーディガンの女の話。
むらさきの女と友達になりたいと思いながら、就職先まで誘導して結局友達になれずに終わる。
しかし奇妙なお話でした。そしてむらさきのスカートの女はとても面白かった。
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権藤さんコワいよ!
いつも一人称の主人公がどこか平衡を欠いていて読み進めていくとその周りの人物よりもなんだか毀れている感じが不安感と不安定さを醸し出していて落ち着かなくなりますね。ヤケに存在感のある歪なキャラがユニークで好き。
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読み手の平衡感覚を失わせるというか、産毛をそっと逆なでする、というか、とにかく「心ざわつき小説」を書かせたら今村夏子が天下一品だろう。
小学生たちからからかいの対照にされるほど街で有名な「変わった女」を、執拗に追いかける「わたし」。
なぜそんなに固執するのか。なにが目的なのか。おかしいのはむらさきのスカートの女なのか、わたしなのか。
軽やかな文章でおかしな女のこだわりをコミカルにつづっているけれど、実は「変わった人」に対する世間の「常識」の不確定さというか危うさを内包している。あなたは自分のことをまともだと思ってますか。まともってなんですか、という問い。
これを読んで「だからどうだ」というヒトがいるかもしれない。そういうヒトには「だけどそうだ」と答えよう。だけど、そうなんですよ。
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この地味やのに癖が強いちょい怖い人
語り口調で状況説明するような文章
ソワソワしながら読み終える感じも
好きです。
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芥川賞候補になっているのを知り、慌てて購入。
今村作品を読むたび、その不穏さに引き込まれてきたが、「今回はこれまでほどではないな」と読後に思い、ちょっと肩透かしをくらった気がした。が、時間が経つにつれ気になり出す…。「一番おかしいのは誰なんだ?」
むらさきのスカートの女なのか、いや、黄色いカーディガンの女も相当じゃないか?そもそも平気で嘘をついたり不正やいじめまがいのことをしている職場の面々はどうなんだ?
「父と私の桜尾通り商店街」に本作に結びつくような短編があった。この「父と私の…」から作風に明るさやユーモアの色が加わったと感じていたが、その流れは続いているようだ。しかし根底には、多くの人が持つ悪意やエゴが変わらず描かれている。これからどんな物語を読めるのか楽しみだ。
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えー。すごい。「自分はその人」「社会のただのパーツ」という話は遥か昔から使われているけれど、こんなふうに現代にアップデートされたなんて…