紙の本
蟻の菜園
2023/12/15 16:25
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
結婚詐欺の容疑で逮捕された冬香の過去を調べる、フリーライターの由美。細い手掛かりの糸を手繰っていくと、幼い姉妹の悲しい過去が見えてくる。
姉妹を救おうとした人はいたのに、何故救えなかったのだろう。法律が救ってくれなかったのか。その頃は今よりも児童虐待に対して、周囲の目が無かったからか。最低の父親から姉妹を守れていたなら、新しい人生を歩めただろうに、と思ってしまう。
やり切れなさが強く残った。
電子書籍
児童虐待をテーマにしたミステリー
2022/09/20 10:46
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投稿者:lucky077 - この投稿者のレビュー一覧を見る
練炭殺害事件の犯人に疑問を感じて調べはじめた雑誌記者。犯人とされる女性の過去を追っていくと意外な事実が判明します。父親からの虐待、辛い話で児童虐待をテーマにしたなんとも切ない社会派ミステリーです。
紙の本
児童虐待をテーマにした社会派ミステリー
2020/03/15 07:36
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童虐待をテーマにしたなんとも切ない社会派ミステリー。練炭殺害事件を犯したと目される女性が犯人であることに疑問を感じて調べる雑誌記者。調べるうちにその女性の素性を巡って意外な事実が判明。父親からの虐待。本当に可哀想です。現代パートと過去パートが交互に繰り返される構成で、辛い話ではありましたが、過去パートで登場する福井県の人たちや方言が良かったです。自殺の名所とも知られる東尋坊。命の公衆電話って本当にあるんかなぁなどと思い、行って見たくなりました。
紙の本
さすが柚月裕子
2019/08/31 18:15
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投稿者:イストコ・プッチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
孤狼の血を読んで即ファンになりました。
「ウツボカズラの・・・」はちょっと平凡だと思いましたが、この作品はぐっとくるものがあった。
結婚詐欺からの殺人事件を題材にして、こんなに話を膨らませるとはさすがです。
この作者ほんとにうまい。
社会派路線を書いていたらそのうち宮部みゆきさんと肩を並べるんじゃないかと思わせる作品に仕上がっていると思います。
こういう骨太の作品好きですね。
気が付いたら一気読みしていました。
一気読みなんてひさしぶり。
本当は5点でもいいかなーと思うのですが、もっといい作品を出す作家さんだと思うのでちょっと厳しめに採点しました。
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大好きな柚月さんの作品を見かけたので買ってみた。
内容は、「結婚詐欺で逮捕された冬香にはアリバイがある。真実を追う雑誌記者の由美は、、、」というお話。何が真実なのか、雑誌記者が追うのと同時にこちら側の読者も知りたくてうずうずするお話。よくできている。このお話にも子供を虐待する親が出てくる。子供をどうやって虐待から守るのかは、今の時代の永遠の課題であるし、また、虐待された子供は将来を大きく傷つけられるのが不憫でならなかった。
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結婚詐欺の容疑で弁護士の円藤冬香が逮捕された。婚活サイトで彼女と知り合った複数の男性が相次いで死亡していたのだ。しかし冬香は容疑を否認。アリバイも完璧だった。美貌の冬香の身にいったい何があったのか。関心を抱いたフリーライターの今林由美が冬香の過去を追い北陸に向かうと、30年前に起きたある未成年事件にたどり着く。由美は、父親を刺した少女と冬香との関連を疑うが、証拠がなく暗礁に乗り上げてしまう…。
北陸が出てくると、松本清張作品を思い出してしまう。それはともかく。この著者の作品としては普通。
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介護士が婚活サイトで知り合った男性が次々と死亡する事件をフリーライターが追ううち、数十年前の事件とつながっていく。
お金のために男性をだましては殺していく事件が中心だと思いながら読み進めていったところ、少しずつ明らかにされていく先には子どもへの虐待という重いテーマが待っている。
過去と結びついた真相が明らかになるにつれ、謎が明かされることのおもしろさよりも、痛々しさに胸が苦しくなる読書だった。連続殺人との結びつけかたはやや強引。
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いまいち。題材自体は今も昔も変わらない重大な問題ではあるけど、ミステリーとして面白いかは全然別だからな…
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主人公の魅力があまりなかったかな。やっぱり柚月さんは男性がいいのかも。それでも、途中は涙が溢れてきた。盤上の向日葵を読んだ時と同じような、何とも言えない気持ちになった。
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発生した事件の渦中の人物を巡り、時間や場所を超えながら、真相が解き明かされて行く物語で、一寸夢中になってしまった。
幾らでも良縁に恵まれそうな美貌の女性が、何故「゛婚活サイト”で知り合った男性達から金を巻き上げ、或いは殺害したかもしれない」というような事件の渦中に入ったのかを、女性フリーライターが探ってみようとした。その取材の顛末という筋である。
「パズルのピース」が少しずつ出て来て、ピースが時間や場所を超えて組み合わさり、少しずつ画を描き始める。奥行きが深い作中世界の出来事、密かに深く押し隠したモノを胸に生きて来た人達の想い、それらが少しずつ明かされる重厚な物語で、頁を繰る手が停まらなくなった。
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柚月裕子の小説なのに何とも切ない悲しい姉妹の物語。
31年前の姉妹の悲しい境遇とその後の生い立ちが、今起きている結婚詐欺殺人事件を追う一人の雑誌出版社のフリーライターにより解き明かされていく。
東京と千葉の県境で起きた結婚詐欺殺人事件は明らかな結婚詐欺の証拠により、43歳の美人の介護職員が逮捕された。連続結婚詐欺殺人事件の可能性があった。しかし容疑者には完全なアリバイがあり、生活は慎ましやかであった。疑問に思ったフリーライターはある方言のきっかけで北陸福井へ取材に飛ぶ。
福井で起きた31年前の父親による幼い姉妹への虐待事件と姉妹の姉による父親への傷害事件、その後行方不明の姉、地元の養護施設で育った妹。当時行方不明の姉に深く関わった児童福祉課の職員で今は特養に入所している老人から情報を得る。
過去と現在が徐々に繋がっていく描写に興奮する。そしてフリーライターが独自に築いた千葉の地方新聞の報道記者の協力者とその記者が懇意にしている刑事との連携で真相に一気に迫る。
興味深く進行していくストーリーに熱中するが、冷酷な殺人事件の真相がわかると切ない悲しい気持ちだけが残る。
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切ない話 「どーすれば彼女達はすくわれたのだろう」という由美の言葉はまさに読者の思い。
昨今の児童虐待を耳にしても、可愛そうという思いしかなかったが、こんなにも人格に影を落とすという当たり前の事を私達は知らない。
問題提起ではあるが、チョット重たい
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読みごたえがあります。
姉妹が出てきて、名前がたくさん出てきますが、記憶力のない私でも、ちゃんとスーッと頭に入ってきて読みにくさを感じなかったので、それがすごい!と思いました(笑)
新聞記者が取材でしる内容をその前に事実として書くなど、読みやすさ、話の組み立てなどがすごくよくできてるなぁーと思います。
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慈雨を読んで柚月さんの本をもっと読みたくなり購入。
過去と現在が交互に描写されるのは同じ感じだが、内容はさらに深く作り込まれていた。
事件に関わる女性二人の年齢から、なんとなく読んでいる側にはもしかしてと想像がついてしまうところがあったにも関わらず、ではどのようなしてこうなったのか?を知りたくて読む手が止まらなかった。
途中から出てくる「私」と「あなた」で「私」は誰なのかと考えながら読んでいたが、終盤に差し掛かってもしやと思っていたら案の定だった。
それほど苦しく辛い耐えられない状態に追い込まれてたのだなと改めて思わされた。
しかし、パチンコに依存してしまうところと、人を殺すことに躊躇わなくなってしまったところはどうにかならなかったものかと残念。
おじさん記者と若すぎもしないフリーの女性記者の組み合わせで、内容の重さに比して少し軽快に感じられたのが良かった。
この人たちならひどい記事にはしないだろうと思わせる感じもした。
かなり重い内容にも関わらず、読後感は結構良く何か救われたかなと思わされた。
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美人で、結婚詐欺をして、人を殺す。
結婚詐欺と殺人事件は質が違う。
共存関係にある 姉と妹。
二人は、どうしようもない父親に、暴力を振るわれ、
学校にも行かせてもらえなかった。無戸籍児でもあった。
父親は、人を恨み、そして アルコール依存症。
車で、3人は生活していた。
姉は、父親を刺し、逃亡。
妹も父親にレイプされ逃げようとしていた。
二人は、協力して、父親を殺す。
殺人行為の一線を超えて、二人は奇妙な共生関係をつくる。
二人は、昔の名前を変えて、新しい名前になっていた。
姉は、常に 妹を守ろうとした。