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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもしろそうだな!と思ったら、介護とお金の話とは!だけど、お金は、やっぱり大事なので、共感できる部分も多いなぁ。
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1人の困ったお年寄りから始まる「よりあい」というちょっと変わった特老の設立までのお話。終始お金を集める話なのだが、面白くてどんどん読めるし、色々な感想を持つことになる。
絶対読んだ方がいい。
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【お金の物語】
人に役立つお金を集める物語。
お金を集める話なのに、私利私欲が全く無い物語。
悪い人が出てこない物語。
関わるとみんなが良い人になれる物語。
人間だけだはなく猫まで良い猫になる物語。
本気になるとお金はどうにかなる…ということを教えてくれる物語。
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介護の領域の話だけど、大半がお金(資金集め)の話。
理想を実現するには先立つ物がなにより大切。
システマチックではない、人間的な介護を実現するために、職員、関係者たちが必死で汗を流す。
そのさまがフリー編集者からいつの間にか世話人になった筆者の視点から面白おかしく語られて、まるでトウのたった学生が部活か文化祭に打ち込んでいるどたばたコメディのよう。
その必死さと信念が人を動かし、お寺の一室を間借りというスタートから、とうとう特養ホーム(すばらしいロケーション)の建設にまでこぎつけるというクライマックスを迎える。
もし将来自分が老化や認知症で1人でやって行けなくなったら、つくづくこんなホームに入所したいと思わせられる(福岡だけど…)。
ひょっとしたら今がピークかも知れない、情熱をもった中心人物たちの信念が結実するさまはシンプルに感動的だし、そこまでできない側の身からすれば妬ましくもある。
ここまでの間に、その理想に惹かれて多くの人が関わったものの、最終的には疲弊、落胆して去っていくことも少なくなかったらしい。
筆者は彼らの後ろ姿を糾弾するのだが、それはその人の勝手だからそっとしておけばいいのに、と思う。人の善意に頼っている以上、それが潰えた時のダメージも小さくないから、なら初めから来るなと考えるのも無理からぬことだけど…
またそういう手のひら返しにもめげず、理想を貫いた姿勢はすばらしい一方、労働基準法無視、持ち出し、無償労働上等の資金集めや勤務体制はワタミ的なやりがいの搾取と紙一重でもある。
当然、耐えられずに脱落したスタッフが少なくないことも示唆されている。
むろん、経営上の利益を追求してのことではなく、ただ目の前の利用者と家族のよりよい暮らしのため、ともに生を楽しみたいという一念のことなので、チープなネオリベの方便なんかと一緒にしては失礼だけど、でも私はつい、ギリギリのバランスで保たれているのでは、と考えてしまう。
そしてこのような介護を受けられる人はあくまで僥倖な一部の人々で、多くの人はシステマチックな介護体制に頼らざるを得ないわけで、せめてもうすこし制度がオルタナティブな事業所のありようを許容する方向に向かえばいいのに、と思う。ワタミを参入させるだけじゃなく…
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あーよみおわった。読みやすい。いっきよみ。おもしろいし、テーマも強いし、でも印象強かったのは、この著者の「気持ちのいい家」とか、(なんかもうひとつくらいあったけど忘れた)形容詞がものすごいしびれるのがあって、とにかく始終しびれていた。
谷川俊太郎の詩にも、お金集めの信念の話にも、号泣する。お金がないとき、その集め方でお金の価値も変わってくる。勇気をもらえた。
社会にとけこめないお年寄りを世話することからはじまった、ワケアリの人ばかりがあつまる老人ホームの話。介護や高齢化が問題化した、一昔前の事情や空気感が伝わりやすい。
しかし今の事態は、世の中の人たちがお金がないと何とも出来ないんだと思ってしまう、あるいは面倒なことはお金にさせると思ってしまう傾向が強くなってしまっているようにも思う。
施設がまわりにとけこむ、老人ホームに入らなくてもいいような老人ホーム。社会が隔離しようとする存在は、それ自体の問題というより社会の受け口が問われる問題なのだなと思う。しかし、普通に暮らしているとそのことをつい忘れてしまう。こんな施設が当たり前になったらいい。お金だけしか頼れるものがない世の中はさみしい、信頼できる人たちがいるかどうかが、安心して暮らすことにつながるのだなあと思う。
一点だけ、行政や政治にも、頭がかたいとか己の利益ばかり考えているとかいうのは、何かこれからどうにか出来ないものか、と感じた。私たちの国の組織なのに。
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介護施設を建設する方々のノンフィクション奮闘記。建設への課題を次々にクリアしていく様は逞しい。どんな問題でも目の前のことに、明るく向き合っていく姿勢が良かったです。
介護と聞くと大変な物語かと思ったが、この物語は清々しい気持ちで読み進めていけます。
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2020.4.20 31
めちゃんこめちゃんこよかった。登場する人がみんな魅力的。すんごく大変なことだろうけど、とってもハートフル。ドッグイヤーしまくった。
とてつもなく大変なことを目の前にすると心がときめいてしまう下村恵美子。複数だと笑いにかえられる。
私利私欲のためではないことに汗を流している人の姿を見ると、人肌脱ぎたくなる人が出てくる。
1人のお年寄りからすべてを始める。目の前を頑張る。自分になにができるか。人柄。ただやれると思う気持ちがある。遊びの延長線上にあるということ。谷川俊太郎の詩よりあいよりあい。
そんなものを利用して集めたお金は、自分たちで集めたお金とは言わない。そこを間違ったら私たちは間違う。
いろいろ言う人は少なからずいる。でも力を貸してくれる人も確実にいる。
谷川俊太郎オークション。
とってもとっても素晴らしい、1万円選書最後の作品。
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いわた書店10,000円選書
どんどん読み進められます
面白いですね
自分の親も介護施設を利用していますが
こんなところがあるなら、ここにしたいと思います
ちなみに介護の苦労を書いている本ではなく
そこに集う人の奮闘を描く楽しい本です
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福岡にて、特別養護老人ホームを建てようとした人たちの奮闘を描いたノンフィクション。昨日読み始めて、面白すぎて睡眠時間を削って読んで、それでも読み終わらなかったので、通勤の行きの電車の中で読み終えた。
「志」というには、そんなに肩に力が入っていない人たちが、ゼロから特養を建ててしまう。最も大変なのは、当然だが、資金の手あて。何せ3億円以上の費用がかかる。行政の補助金も手にするが、それでも残りの2億円以上を自分達だけの力で何とかしなければならない。寄付を募り、バザーを開き、手作りの品を売り、行事の際にはテキ屋の売店をやらせてもらい、ありとあらゆる事をやって、とうとう特養を建ててしまう。
億単位のお金を普通の人間が、集められるとは、なかなか思えないが、でも、このひとたちは、やり始める。やり始めて頑張れば出来るというような簡単な話ではないのは分かっているが、でも、一歩を踏み出さないと始まらない。そして、最後にはやり遂げてしまう。元気と勇気をもらえた。
メインストーリー以外にも、面白い話が満載。お勧めです。
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良い内容だと思うけど、文章が読み難くて時間がかかった。
介護の話を明るく面白く書いてるけど、ネタを活字で読ませるってしんどい。
村瀬先生のスピーチが1番心に響いた。
自然に老いて、ゆっくりあの世へいく事は贅沢になってしまった。介護はサービス産業になり、金で買わなければならない。
施設なんて建てても、高齢者の数は間に合わない。
働く人もいない。
時間をかけて作った縁は易々と切れないもの。
よりあいで友達ができたり、世話になったりしながら、あの人の為ならと、人の情で助け合いで介護が始まる。
ぼけても普通に暮らしたい。
老人を疎ましく思ったり、怒ったり、嘆いたり、隔離したり、そんな世界では私も暮らしたくない。
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一人のお年寄りに寄り添うところから始まった「宅老所」のお話。活動を継続し、新しい施設を設立するために奮闘する職員や世話人。いつの間にか筆者も「よりあい」の世話人のひとりとして巻き込まれていく。
『よりあい』の施設の開所式のシーンでは、思わず目頭が熱くなった。
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1人のとんでも婆さんとの出会いがきっかけで、お寺を借りてのデイサービスを出発点に、理想の老人ホームを作るまでの約四半世紀のドキュメンタリーエッセイ。
「ぼけても普通に暮らしたい」私もそう思いますが、かなりハードルの高いこと。この「よりあい」という施設は素敵だなと思う。自分が老いたら暮らしたい。
老いは他人事ではない。というような志を抱いた人たちだからこそ実現したのだと思う。高い志だけでは介護はできないけれど、こんな施設が増えたらいいなと思う。
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【一万円選書】ひとりのお年寄りをきっかけにお寺を借りて始めたデイサービスがアットホームな特養を始めるまで。ビジネスとしての介護よりも、こういう場でありたいという思いから始まった「よりあい」は資金集めも設計も一味違う。積極的交流でなく地域とゆるく繋がる場、理想的。まだピンとこないけどいつか入るならこんなところがいい。しかし、作中の、人の見た目や症状をいじるような表現や下ネタが気になり…。著者の、被写体への愛着が感じられたので、貶める意図ではないことはわかりますが少し驚き…そんな私はPolitical Correctnessにとらわれてしまっているのかしら。。。
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超高齢社会と言われる昨今において、介護保険の制度だけに頼るのはどうしても制度の隙間に埋もれてしまう人をカバーすることが難しいと感じることは、私自身働いていて肌で感じるところです。
「最期まで自分らしく生きる」という、人間の基本的欲求であるものの叶えられるのは簡単ではない部分に果敢に立ち向かった方々の伝記のような作品でした。
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のっけからトップギアで笑わされ、始終、「ふふふふ……」「クククク……」と笑わされた。出てくる人は皆、個性的。内容といえば、個性的な人たちが、ボケても普通に暮らせる人生を叶えるための特別養護老人ホームづくりに奔走するノンフィクションで、そこだけ聞くと、高い志に満ち満ちた崇高な感じに思える。
思えるが、とても良い意味で、登場人物たちは肩の力が抜けている。志を大上段に構えてそれで満足するような人たちではなく、静かに燃えつづけ、地に足ついた活動を続け、楽しみながら、理想の施設を回し続ける金策に日々挑む。
笑わせてくることが多いが、むしろ7割くらい笑って読んでいたが、随所随所で施設が描く理想に心打たれ、介護や老いについて(鬱々とせずに)考えてみようと思えた。