紙の本
江戸の犯罪捜査に現代科学をうまく融合
2015/12/10 11:02
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投稿者:MIF - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーマニアのOL優佳が祖母から受け継いだ家には200年前の江戸の街につながっているという秘密があった。
現代(優佳)と江戸(おゆう)との二重生活をしているうちに八丁堀・南町奉行所の廻り方同心鵜飼伝三郎としりあい、捜査解決に協力したことがあって、そのつてで薬問屋の藤屋から殺された放蕩息子の件で調査を依頼される。
血液のついた手ぬぐいや指紋を現代に持ち帰り、同級生で解析マニアの宇田川に解析させ江戸にフィードバックするという、ヘタするとデウス・エクス・マキナ的なチートツールに成り下がる証拠の数々を証拠として使わず(江戸時代の人々には証拠としてつかえないので)に、捜査過程での選択肢を絞るショートカットであったり、自白させるための道具にしたりしてなんとか解決に結びつけるためのアイデアを楽しもう。
読んでいて気になった点が2つ。
1つはおゆうの台詞からは現代語やカタカナ・外来語がほぼ完璧に排除されていること。
読み終えた記憶のなかでは1カ所だけ興奮したおゆうが「アリバイ」と言いかけていただけだったが、二重生活を続ける中、気を抜いた日常会話で現代語やカタカナ語が出てこないことは不可能に思えるので、もうすこしこの辺を盛り込んでうっかりぽろっと出た現代語・カタカナ語を慌てて言い繕うような場面があっても良かったのではないかな。
もう1つは日本酒のあつかい。
江戸時代の日本酒は濃厚甘口の原酒を水で薄めて販売していたので、優佳がデパ地下で購入するような現代の淡麗辛口日本酒は江戸庶民には酒として認識されないのではなかろうか。まぁこれは作品が破綻するレベルじゃないのでどうでもいいんだけど。
最後に伝三郎の秘密が明らかになったことと、宇田川から投げかけられた疑惑と含みを持たせたまま終わったけれど、これはこのミステリーがすごい大賞であえて落選させてシリーズモノの隠し球とした編集部が続編計画からだと受け取ってよろしいですかね。
紙の本
時空を超えた驚愕の視点からの複層的超ド級サスペンス。
2024/01/28 23:13
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
時空を超えた驚愕の視点からの複層的超ド級サスペンス。事件自体もどんどん深みを増す一級サスペンス。しかし、本題は、「時空を超えた」サスペンスの方。現代科学をもってするなら事件の解決は素人でも出来る。しかし、現代科学を知らない江戸人にそれをどうやって知らせていくかである。一粒で二度、いや三度美味しい絶品。更に、江戸時代の同心も主役“おゆう”を信頼しつつも余りに謎めいた存在に疑惑の目を向けてるのだからその行方も含めて興味は尽きることが無い。そして、最後に明かされる更なる衝撃的事実に驚愕。
電子書籍
ミステリーと時代小説どちらも楽しめる
2022/07/18 21:34
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投稿者:まお - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館で何気なく借りてハマりました。
文章もかたくもなく、柔らかすぎもせずで読みやすかったです。
そんなにドロドロした描写がないので、殺人ミステリーは苦手という人も楽しめるのでは?
ヒロインが未来と過去を行き来できるというのも「へぇ」でしたが、まさかヒーローにもそんな秘密が…と最後に驚かされました。
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さすがに、現代パートが都合良すぎるんじゃないかなぁ。(^^;
現代の科学知識で江戸時代の事件を解決するっていう発想は良いんだけれど、都合良すぎる現代パートのせいでしらけてしまう感じがあります。
せめて本人に科学的なスキルがあればなぁ。
あと、まぁ、男性に誘われるのを待つ女性って、江戸時代的にも現代的にも似合わない感じがしますね。
どちらかというと、昭和前半の中途半端な古くさい倫理観って気がしますが。
目の付け所が良かっただけにちょっと残念かも。
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現代日本の女性が江戸時代と往復しつつ科学捜査を持ち込んで江戸の町で騒動を解決していく。科学捜査で犯人は分かっても直接公開するわけにも、裏事情がわかるわけでもない。設定は面白い。ただ科学的に正しいかとかを気にすると駄目なのかも。
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平成の現代と江戸時代を繋ぐ不思議な家を祖母から譲られた優佳。江戸時代では「おゆう」として捕り物を手伝ったりしている。 江戸時代に科学捜査を持ち込んで真実がわかっていても、それをそのまま証拠としては使えないもどかしさ。江戸時代の証拠物件を分析する宇田川のキャラいいな~。化学分析にしか興味が無く、ほかのことに無頓着な感じでいてちゃんと気が付いていたけど、余計なことは言わない。同心の伝三郎も最後に大きな秘密が明かされて、これが次巻以降どう繋がっていくのか楽しみです。
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この手のSFは嫌いじゃないしそれなりに楽しめたけど、確かに「このミス」大賞にはもう一歩な感じ。
でもシリーズ化されるなら買っちゃうだろうな。
ラストにぶっ飛びな告白のあった伝三郎とおゆうの行方が気になる。
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なかなか面白い着想で、面白い話になっている。今後の展開が非常に楽しみ。伝次郎や宇田川の新たな面も最後に出てきて、どう絡ませていくかが興味深い。
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爽やかに、なかなか面白い。
時代小説は期待してはいけないけど、楽しむのならありです。
シリーズものになったら、続きが読みたい。
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設定が大好きなタイプだったので、うきうきしながら読み始めて、、、
あれ?なんだかはまれない。
なにしろ、ヒロインの性格が好きになれない。
何、それって感じ。
正直、不愉快。近くにいたら遠巻きにするタイプ。
事件への関わり方もなんだかなーだし、伝三郎への対応にいたっては、何をか言わんや。
宇田川は、魅力的なキャラなんだけどねー。
事件の真相の後に明かされた秘密にはびっくりしたけど。
ま、次は、気が向いたら、かな。
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現代の女性が江戸時代にタイムスリップし、八丁堀の同心とともに事件の謎を解く。
これまでのタイムスリップものと違うのは、自由に現代と江戸の時代を往き来して、現代の科学捜査が使えてしまうところ。主人公のおゆうが推理はともかく科学捜査に関して素人である分、分析オタクという格好の相棒を持ち合わせていて、設定の上手さを感じる。当然、出てきた証拠事実をそのまま江戸に持ち込む訳にはいかず、工夫して時代に合わさなけれならないのだが、その点も上手くこなしていたように思う。ただ、おゆうの都合の良い展開で、安心して読めるものの、ハラハラドキドキ感を覚えるようなピンチな場面がなかったのはちょっと物足りなかったかな。
最後の仕掛けも意外。なくてもストーリーが成立すると思うけど、私はアリでした。この仕掛けをぶっ込んできた以上、続編を是非とも出して頂きたいと思う。
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時代小説もCSIも好きなので好みかなーと思って読んでみた。現代の女性が自由に江戸へ行き来して、科学捜査で事件を解決するという設定に惹かれたけど、期待はずれかな…。主人公のおゆうがかわいげがなくて受けつけなかった。いかにも男性の作者が書いた女性って感じ。ご都合主義なストーリーもイマイチ。
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面白くないわけではないんだけど、あまりにも都合よくいきすぎてちょっと興ざめ。
え、こんなに簡単に解決していいの?と思わせておいて二転三転と事件が進んでいくのはいいんだけど、やっぱり都合良すぎでしょ。
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さくっと読めて、事件が解決したと思いきやー、実はみたいなところもあり楽しめました。
個人的に言わせてもらえれば、伝三郎はピュアな江戸の人でいて欲しかったけどね。
2016.7.17
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2016年はこの本からスタートです。(*´ω`)
今年もたくさん本が読めたらいいな!
読みたい本リストに入れていた本。先日図書館のサイトを見たら新着で入っていたので、ソッコーでリクエストをかけました。
前述のとおりミステリは苦手。
しかも時代ものミステリなんか、大丈夫かな・・・(笑)? と、思いながらとりかかったのだけど、ちょうど冬休みやったからね!
年末年始の夜更けにじっくり読もう、と、楽しみにしておりました。
面白かったー!
最後のオチがまた効いてたわ! うんうん、こういうオチ、大好き!!
とにかくミステリ耐性がない私は、
「もしかして九兵衛と宇田川が同一人物やったらどうしよう」
とか、ありえんありえんみたいな想像すらしてたのに、いやいやその前は
「もしかして伝三郎と宇田川が以下省略」
どっちにしても、ありえんありえん。
でもオチはそれを上回ってくれたので、とってもとっても面白かった!
ミステリもわかりやすかったしね! 読めない漢字(だって江戸時代の専門用語っぽいねんもん・・・)はちらほらあって苦労もしたけれども。笑
江戸の長屋に住む謎の女おゆうは、じつは平成の元OLさんで、江戸時代と平成を自由に行き来できるというタイムトラベルもの。
それだけではなくて、江戸で起きた殺しの事件を、奉行所の伝三郎と協力しながら解決していく・・・、と、いう筋書きやねんけど、ほら、面白そうやろ!?
面白かったよ!!
著者はすっごいミステリが好きなんやろうなあ、と、思った。
でもその「ミステリ好き」を遺憾なく発揮されると、とても私はついていけないので、エンタテイメント性ももりもり残してくれたのが楽しかった。
おゆうと伝三郎の出会いなんかがサラッと書かれてるんやけど、この話って「このミス」大賞シリーズよね?
いわゆるデビュー作よね?
それやのに、この話の前後もイメージして書かれてるんかしら・・・?
すごいな。
この終わり方、ぜひぜひシリーズ化してほしいな。ちゅうか、続編、きっと出るよね?
(2016.01.04)