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投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2005年に書かれたものの新装版
多少改訂したようですが、
全体的な構成には手を加えていないとか。
後書きに「私の王道」と書かれていましたがなるほどと思いました。
旧作を読んでいないので、差は不明ですけど。
主役の二人とも子供の頃の傷が痛い。
特に「雪弥」の名前の由来はとても切なくて痛い。
その傷を癒やしてくれたと思っていた櫂とその家族だったけれど
手痛い目にあって雪弥自身は感情を失う。
人間としてはどこか欠けたまま生きている。
櫂自身も傷つき壊れている。
再会して再生していくのだが、
まあ、その行程がかなり痛いというかえぐいと申しますか。
酸味のある豆のブラックコーヒーというところでしょうか。
初めの方で櫂の状態はわかるのですけど、
事件の回収含めて、まっさらな状態で読むことをおすすめしたいので
これ以上は・・・控えておきます。
切なくはあるのですが、甘さはないのでそういうものをお好みの方は
避けた方が良いかもしれません。
タイトルの『僕のねむりを醒ます人』の「僕」。
僕はだれなのでしょうね。
☆3.5評価の4です
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投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る
切ないお話でした。
ハッピーエンドなんですが、素直によかったね~とはなれず。
雪弥を無理矢理抱いたことで皓という人格がうまれ雪弥は2人の人格に揺り動かされて、皓は雪弥を好きで悲しませたくなくて自分から消えて行った。
耀がすごい雪弥を大好きでその愛を2人で抱えてていて・・・。
耀が作ったことの無いオムライスを雪弥に出して皓を思い出して・・・。
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2005年にオヴィスノベルズから刊行された「僕のねむりを醒ます人」の新装版です。旧版未読。
幼なじみとの再会もので、大変痛くてシリアスでした。
今の作風とはちょっと違っていて、センセの作品に魅了されてしまった頃の感じで懐かしさがありました。要するに、監禁とか緊縛とかが流行ってた頃のBL。
ただの痛い話じゃなくて、二重人格を扱っていて引き込まれました。
刑事という仕事柄残酷な場面に向き合う機会も多いのに、感情が希薄でいつもクールな雪弥。
そんな彼が11年ぶりに幼馴染みの耀と再会したことで、感情を激しく揺さぶられることに。
耀は、雪弥のことを11年前のいなくなる直前に手ひどく凌辱して身も心もズタズタにした張本人なのです。
でも再会した耀は紳士でやさしくて、昔とは全然雰囲気が違っていて、でもHになると昔のキチクな面影が…
サスペンス要素がいっぱいのストーリーでした。
「晧」は「耀」の存在を知っているけど、「耀」は「晧」が出現した時には記憶を失ってるんですよね。
晧はとても思慮深くて優しい人格で、個人的にはこっちがいいじゃん!と思ってしまったのでした…
だけど、耀の想いの激しさ深さ、そして執着の大きさは晧の気持ちを凌いでいて、強烈にマーキングされてしまっていた雪弥としては、耀に身も心も奪われて11年間それ以外のことには無感情に生きてきたわけで。
耀としても、知らない男…たとえ自分自身であったとしても雪弥が抱かれるなんて嫉妬する以外ないですよね。
タイトルは、いろんな感情に目覚めた雪弥のことなのか、それとも苦しみと悲しみの闇の中に延々と閉じ込められていた耀のことなのか…どちらなんでしょうか?
とにかく、晧の気持ちが切なくて切なくて。
エロ的には、耀の抱き方が強引で鬼畜でドSなんですよ。でも、最初にそういう抱かれ方をしてしまった雪弥にとっては、耀のHでなければ満足できない身体になっているようです。えろい…
奈良千春センセのイラストがとってもステキでした!
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わたし的表紙デザインランキングBest3に入るくらい好きな表紙です♪
物語は“壊れた男たちの再生”といった感じかな?
両思いだったのにボタンの掛け違いで、2人とも再会するまで壊れたまま生きていました。
ただ…あらすじで予想がつく方もいると思いますが、複雑な事情が絡んできて……なんと言うか…ハッピーエンドなんですけど、切ないし物悲しくもあり、今後2人は幸せな気持ちの中に重い気持ちも背負いながら(特に受)暮らしていくんだろうな、と思ってしまいます…。
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かつて雪弥の心をズタズタに切り裂いた傲慢な幼馴染の耀と雪弥は11年ぶりに耀と再会。
「君が好きなんだ、いまも」
そう穏やかに囁いてくる目の前の耀に、雪弥は強烈な違和感を覚え…。
雪弥の辛い思いに何故耀がこの様な事に及んだのかが謎だったけれど、実は態度や行動に深い闇があったと知ると切なかった。
「耀」であるけれどもやはり別人である「皓」の存在があったからこそ耀は生きてこれた事を知るのは雪弥のみ。
耀を守り愛すると決めた雪弥がラストでオムライスを食べて皓へ思いを馳せたシーンは涙がじわりと。
お互いが「ねむりを醒ます人」であったんだなと思いました。