紙の本
気をつけよう、もとは『乳房に蚊』という作品
2021/08/19 16:43
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第94回キネマ旬報ベストテン(2021年)で主演女優賞を受賞した水川あさみさんは、足立紳監督の映画「喜劇愛妻物語」での演技が評価されてもので、この作品で水川さんはこの年の数々の映画賞を受賞している。
その映画の原作がこの作品である。
ただし、気をつけないといけないのだが、この作品はもともと『乳房に蚊』というタイトルで2016年に刊行された脚本家足立紳さんの小説家デビュー作なのだ。
その作品を映画化するに際し、タイトルが変更され、原作も文庫化にあたって映画と同タイトルに改題されている。
映画を観ても、それが『乳房に蚊』を原作にしたものと気づかない方もどうかしているし、映画が面白かったので、それじゃあ原作を読んでみるかと、文庫本の「解説」を読むまでそのことに気づかないのだから、どうしようもない。
それでは、この作品がそんなどうにもならないくだらない作品かといえば、決してそんなことはない。
映画も面白かったが、原作も抜群に面白い。一気に読ませる。
結婚して10年、年収わずか50万という売れない脚本家豪太の目下の願いは妻とのセックスのみというダメさぶり。その妻チカは学生時代に豪太に憧れてはいたものの、結婚してもほとんど芽の出ない夫に絶望している。
そんな夫のもとにシナリオの仕事を舞い込んで、娘と三人で四国へ取材旅行に出かけることになったのはいいが、行く先々で問題勃発。
原作を読んだら映画を観たくなる。
映画を観たら原作を読みたくなる。
そんな作品だ。
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無職同然のダメ夫と働き者でしっかり者の妻。どんなに激しく罵り合おうとも、夫婦の関係を諦めない男女をコミカルに描く人間賛歌小説。
激しいバトルの一方で、夫の情けなく儚い性欲が毎日発生するのが可笑しい。"結婚とは、永遠に続く倦怠期"は名言。旅行やショッピング、子供の存在は、その倦怠期を解消する役割でもある。
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年収50万のだんな、超恐妻家の嫁。
子ども1人。
だんなは 脚本家。
近年だんなの作品はボツばかり。
嫁とのセックスレスは進み、
だんなは悶々と性欲が溜まるばかり。
物語の半分以上は口喧嘩。
嫁からの罵詈雑言が多い。
周囲の助けを借りながらも
結婚は出来たものの、
果たして幸せなのか。
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語る足立紳さん 夫婦は強靱と思いたい
2020/9/7付日本経済新聞 夕刊
売れない脚本家の夫と家計を支える妻。夫は妻とセックスしたいが、拒まれてばかり。娘を連れての取材旅行でも、妻は毒舌を吐き、経費を切り詰める。夫の失態が続き、妻の怒りが爆発する……。
自身の体験を赤裸々につづった小説「乳房に蚊」を自ら監督し映画化した。題して「喜劇 愛妻物語」(11日公開)。
「よく書いたねと言われるが、恥ずかしいとは思っていない。書くことは、どんなものでもさらけ出す。それが普通と思っていた。ただ、この話を他人が面白がってくれるかな、という怖さはあった」
露悪的な私小説と趣が異なるのは、当の妻も創作に加担している点だ。「小説の時から共作と言っていい。下書きを書いては見せ、ああだこうだと言っては書き直した」。普段から手書きの原稿を妻がパソコンで打つが「妻が変えることがある。10回に1回はすごくよくなる」。
映画にする時には、妻と一緒に動いてみて芝居を作り、脚本を直した。「一緒に映画にしたいという思いがあった」
「夫婦ってそもそも赤の他人でありながら、互いのみっともないところまで見せ合ってしまう関係。その上でどういう生き方をしていくのかを描きたかった」
一緒に居続けるか、別れるか。選ぶ道は作品によって違う。ただ「一対一の関係をぐりぐり書きたい」との思いは強い。
小説は夫の独白体だが、映画では「こいつ本当のことは何も言ってねえや」と気づいた。「映画はより妻を描いたものになった」。ダメな夫を罵倒し続けながら、なおそこにいる妻。現実の足立夫妻の共犯関係も反映しているのか?
「なし崩し的に築き上げた関係ではあるけれど、強靱(きょうじん)な形と思いたい」と笑った。(あだち・しん=映画監督、脚本家)
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映画のヒロインが水川あさみ
それでかりてよむことにしたが
うーーー
こんな旦那だったら私ならわかれてるよ
才能なんて信じない
生活出来なきゃだめじゃん
貢ぐのは私には無理です