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出口治明先生の『哲学と宗教全史』読了。見た目が分厚くて、理系出身で世界史の前提知識もない自分が読めるが不安だったが、語り口調で易しく噛み砕かれており、思ったよりずっと読みやすかった。何度も読み返すことになりそう。
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この本は読む価値はどこにあるのか?
私たちホモ・サピエンスは約20万年前に誕生し、
今から約1万年前に定住生活を始めたとされている。
農耕社会を営み、家畜や土地を所有物として支配し始めたドメスティケーションと呼ばれるその時期から、人間の脳みそは進化していないということが、現代の科学で分かっている。
技術や知識自体は蓄積されていくので、文明は進化するが、
人間の考えること自体は脳の構造自体が同じであるので、ほとんど変わらない。
1万年が経っても私たちは、変わらず喧嘩をし、変わらず失恋をし、同じような失態を繰り返している。
人間の考えることがほとんど変わらないのであれば、今まで人間が考えてきたことの中でも、最も面白く、最も賢く、最も深く、考えたり行われてきたことを知れる哲学や宗教を学ぶことは、
今後自分が人生を生きていく上で何よりも役立つのではないか。
時代を超えて、今に至るまでの歴史に残ってきている思想や知恵というのは、未来に役立てるのではないか。
同じことを繰り返す人間ではあるが、
先人達の思想を学び、考える一助にすることは、
今後の未来や行動を少しでも、より良い結果に繋げやすくできる。
というのは教養を身につけてきた人達の行動には、ある種のバランス感覚があることを見てとれるのではないか。
進歩史観と永劫回帰的史観という物事への見方があるが、いずれにせよ、やはりそれでも学ばなければならないし、学びたいと思うし、多くの巨人達は学んできているのだから。
「学ぶ」「考える」そして、未来をつくっていく
ということに対して深い示唆を与えてくれる
非常に密度の高い良書。
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出口さんの切口のもと、宗教と哲学がオーバービューできる。著者の中にこの豊かな理解の構造が築かれていることに、ただただ驚嘆する。
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紀元前から近現代までの哲学、宗教について網羅された一冊。一人一人、一つ一つの理論を深掘りしているのではなく、同じ地域の人を時代の変遷で俯瞰したり、同時代の別地域に人を比較したり、師匠と弟子の考え方の違いを比べたりしていて、関係性などがよくわかる。基本的な知識を身につけるには最適の一冊。
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平易な文章で読みやすかった。
哲学と宗教に関するガイドブックと言える。
参考文献やお薦めの本の紹介が充実しているので、これからそれを読んで行こうと思う。
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初めて哲学に関する本を手にした。人間は?世界は?という大きな命題に対して、異なる手法でアプローチした哲学と宗教。困難な ことに直面してきた人類、その中で生きる支えとして、神を信仰し語り継がれてきた宗教。そして、自然科学と合わせて、世の中、人類の成り立ちを解明してきた、哲学。でも、これだけ科学が、進歩しても止むことのない、信仰は、きっと人類が永遠に存続して欲しいという願望なのかも。
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とても読みやすいです。
中西古今の哲学を貫通して、この一冊で入門した気がしました。
気になるのが、神学と科学の接点が少なかった、あとで調べてみます。
ありがとうございます。
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本書を読むまでは、現代を生きる私の価値観のまま、過去に起こった出来事だけをただ追っていた。だが出口氏の言葉に開眼させられた。本書は出口氏に手を引かれて哲学と宗教を学びながら、彼の見解まで楽しめる至極の一冊である。内容はもちろんのこと、本のカバーを外した表紙まで渋い。よくある一冊ではなく、我は「全史」なのだという重みを感じる。
以下、本書より抜粋。
「モーゼの教えもイエスの教えもブッダの教えも、彼らが生きた時代背景の中で、人々によかれと思って説かれました。その教えを現代のモラルを尺度として、批判するだけでは無責任だと思います。彼らが考えた真意に、恒久的な人類愛につながるものがあったがゆえに世界宗教になったと認識すべきでしょう。」
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人類の歴史は考える事の歴史なんだなと再認識。
分厚い本だが、これを入門書として興味ある哲学者に関しては深堀りするべき。
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分かったような気がした。
でも、飲み屋での話題にするには、まだまだ理解が足りないか自己満足にとどめておこう。
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#哲学と宗教全史
タイトルと著者、推薦者のすべてが噛み合っていないような…(初見での印象)
あまりにも新結合だったので、購入・ざっと斜め読み。
哲学史については、さわり部分&哲学者の小ネタくらい。山川の教科書よりも初学者にはとっかかりやすいのですが、表面的なところに止まっているので、深く学びたい人にはもの足りないかな。
出口さんの実務経験と、哲学、宗教の結びつきについて、もうちょっと分量があると読み応えがあるのになというのが感想です。
ざっと見ただけなので、もう一度、哲学史のおさらい的に目を通す予定。
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400ページ超というボリュームながらも非常に読みやすく入門書に最適。「世界はどうしてできたのか?」「人間はどこからきてどこへ行くのか?」という根源的な問いかけに対して答えてきた哲学と宗教。なかなか敷居が高い、苦手意識の強い分野だが歴史の流れに沿って柔らかく噛み砕いた文章で書かれているのですらすら読み進めたられる。知的好奇心を刺激してくれる良書。
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哲学が好きなので、たまたま目についたこちらを読んでみることに。
どうしても哲学や宗教というと、なんらかの理論を確立した大人物がフィーチャーされる本が多くて、歴史の流れと合わせて読むことを自分がしてこなかったので、とても興味深かった。
というのも、哲学や宗教が生まれるには、かならずその時代背景が影響しているし、その時代背景を知らないと本当のところを知るのは難しい、と思っていたから。
今の時代、宇宙の成り立ちや脳の仕組みなども解明されてしまい、人が「なぜ生きるのか」「どう生きるのか」さえも、自分では決めていない、と結論付ける時代になってしまった。
それでも、私はデカルトの「我思う故に我あり」が好きだし、それこそが人間が人間である意味の気がしているので、自分を動かす脳細胞に動かされつつ、人間が生きる意味を考えていきたいなぁと思いました。
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題名の通り、宗教と哲学の歴史が人類の歴史と重ねて、記載されている。様々な思想をよく一人の人が理解しているものだな、と深く感心してしまう。まして、学者でもないのに。
全く哲学を知らないので、全て勉強になったが、特にイスラム世界の印象が変わった。近代以降の感覚を通して、自分が世界を見ていることを実感した。
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以前から気になりながらも、横目で見ながら通り過ぎていた。2020/4月、誰もが予想だにしなかったパンデミックが世界を覆う事態になった。そんな歴史的な事態のまっただかに立たされている時、やはり今読むべき書籍として購入を決断。ちょっと大袈裟だが、読み始めても◎。出口治明氏の博学さには
脱帽。人類の偉大な先駆者を分かりやすく辿ってくれた。何回か読み直す価値のある良書だと思った。
2020/5/9読了