骨抜きされた郵政民営化をぶった斬る快著
2020/09/12 23:22
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投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は郵政民営化のスキームを構築した郵政民営化の第一人者である。郵政民営化は民主党政権下で当初と異なる形に変えられ、なんと株式上場を実現した。当初案では4つの事業会社でユニバーサルサービスは郵便事業だけに持たせ、銀行事業と保険事業は完全な民営化。この両事業は規模が大きいものの、収益性が高い商品サービスがなく、民営化による合理化を期待する形である。そして、郵便局事業は不動産事業として、kitteのような一等地の立地を活用しつつ、かんぽの宿を一括して売却と4つの事業会社はかなりいい線をいっていたはず。これを実現できなかった既得権層である官僚の抵抗と異様な多さを誇る特殊法人、政府系金融機関の現実を改めて知るとともに、まだまだ日本はスリム化できるということも分かる一冊。
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郵政民営化の骨子を作った著者による、日本郵政やゆうちょ銀行、かんぽ生命の実態を暴いた一冊です。郵政民営化の本来の形や目的、民主党政権時に骨抜きにされてしまった内容など、事細かに著されていて充実した内容です。
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【こんな方におすすめ】
・日本郵政グループ社員
・日本郵政グループへの入社を検討している学生
・かんぽ生命のステークホルダー
【知っていたこと】
・かんぽ生命の不適切募集問題
・日本郵政グループの概要
・かんぽ生命と日本郵便の内部関係
【知りたかったこと】
・そもそもなぜ民営化が必要だったのか
・民営化シナリオの全体像とバックロジック
・なぜかんぽ生命の不適切募集問題が起きたのか
【知ったこと】
・民営化のオリジンは郵政3事業の持続可能性の危機
・民営化が進んだのは小泉・竹中・筆者の出会い
・総務省官僚・郵政官僚のロジック
・政治と経済の裏にある官僚の動き方
【率直な評価】
・民営化後に入社した私にとっては知らないことだらけだったが、深く頷く内容に溢れている
・一番驚いたのは、2015年初版当時から日本郵政グループや総務省の内部環境や文化は何も変わらず成長してないこと
・今般の不適切募集の問題の根源には、役所・役人文化が根強く残る企業文化と政治との関係性だと理解できた
・財務省と総務省、小泉純一郎と麻生太郎(現財務相)等の今考えると変に腹落ちする関係性を学んだ
・郵政民営化のグランドデザイナーが考えてたデザインと具体化されるストーリーを知ることができた
・未だにかんぽ生命社内には郵政民営化反対派が多いのが現状だからこの本の話は表立ってできないのが残念
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内閣府参謀官として、財投改革、小泉内閣の郵政民営化、ふるさと納税、ねんきん定期便に携わった著者。
日本でもっとも大きな既得権益を持っていた郵政を民営化出来た事は奇跡だと述べている。小泉総理、竹中大臣がいないと成し遂げられなかった。
・造反議員の選挙区には、刺客迄立てた。シングルイシューの政治家。
・省庁の役人が人選した有識者は、使い物にならない。意のままに扱える人間をチョイスする。
・URも豪華な作りですでに役目を終えたが、ゾンビの様に生き残っている。
多大な税金の使い道として適切なのか?低所得者向けには、都営住宅、県営住宅が有る。
・官僚組織は、超過勤務が常態化しているが労働基準局が査察に入ることは無い。指導して貰わなくてもいいという建前。