紙の本
次々に話題の歴史時代小説を発表されている宮本昌孝氏による本能寺の変を舞台とした歴史巨編の傑作です!
2020/08/27 09:36
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『剣豪将軍義輝』をはじめ、『風魔』、『家康、死す』、『乱丸』、『武者始め』などの話題の歴史時代小説を次々と発表されている宮本昌孝氏の作品です。同書は、中公文庫から上下2巻シリーズで刊行されているうちの下巻です。同書の内容は、上巻に引きつづき、帰蝶の死から8年が経ち、天下統一へ着々と版図を広げる織田信長ですが、妻・煕子が帰蝶に仕えていた明智光秀も、今や織田軍団で出世頭となっていました。しかし、光秀夫妻は帰蝶の仇を討つこと密かに誓っていたのです。一方、進軍中の信長はひとりの美女を目撃し、帰蝶だと直感します。果たして帰蝶は生きているのでしょうか?すべての「糸」は、実は、本能寺へ繋がっていたのです。続きは、ぜひ、同書をお読みください。
紙の本
ミステリー
2019/10/06 05:30
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投稿者:藤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻はガラッと雰囲気が変わります。
かなりミステリーな感じです。
変容に驚きましたが、とても面白かったです。
上巻に出てきた人物達が、とても重要な役割を果たします。
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信長の勘気を被り死した帰蝶。幾重にも重なる復讐の影、さらには死んだはずの帰蝶の残像が信長に襲い掛かり、全ては本能寺へと結集していく……。歴史巨篇、堂々完結!
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「謎が謎を呼ぶ」ような一面も在り、また作中世界の「信長の時代」の空気感のようなモノも好く、少し夢中になってドンドン頁を繰った。
上下巻から成り、下巻には「光秀死闘 篇」と副題が在る。下巻は作中で寧ろ「十兵衛」という通称が出て来る場面が多い明智光秀が主要視点人物である。
明智光秀は“大事件”たる<本能寺の変>の主役でありながらも、その経歴に「不詳」としか言い表しようがないものが在り、“時代モノ”の作者による想像の翼が羽ばたく余地は大きい。
そういう訳で、この明智光秀に関しては「主人公またはそれに準じる劇中人物」として色々に活躍する“時代モノ”の小説は多々在る。それらも愉しく読んだ経過は在るが…本作、『ドナ・ビボラの爪』は「これまでに全く見たことがない…」という筋立てである。と言って「知られている歴史」を逸脱するのでもなく、「その(知られている歴史の)裏面で??」という具合に仕上がっている。そして見事な仕上がりなのだ!
下巻は、上巻の最後から数年を経た時期になっている。織田信長の下で重きを成すようになっている「十兵衛」こと明智光秀の動きが在り、他方に上巻の最後の方から前面に押し出されるようになった「謎」が少しずつ明かされる…
<本能寺の変>が、何故に「現在知られているような形で進行したのか?更に題名に在る<ドナ・ビボラ>とは一体何なのか?その辺は、本作未読の皆さんの興を殺ぐことのないよう、敢えて言及はしない…
「大きな謎」を孕ませながら、或る程度知られている歴史の「隙間」に想像の翼を大胆に羽ばたかせた…そんな愉しい作品だ!
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上巻の悲惨な結末に続き、下巻は一転伝奇小説の様相を呈してくる。
そして、題名の「ドナ・ビボラ」が明らかになる。
本能寺の変は、明智光秀が起こしたというのは史実だが、その黒幕については歴史家や小説家が様々な説を唱え、百家争鳴となっている。
本書では、信長を取り巻く(正妻帰蝶を含め)複数の人物が引き起こした復讐劇としている。
小説家の想像力の賜物と言っていいこの作品、「本能寺の変」に新しい解釈を提示してくれた。
明智光秀が主人公となる来年の大河ドラマは、帰蝶役で騒がれてもいるが、本能寺の変をどうとらえるか、どんな展開になるか楽しみである。
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だいぶゆっくりでしたが本日読了…ちょっと変わった織田信長にまつわるお話ですが、読んだ直後はこれが史実なのでは?と思ってしまうから不思議です。帰蝶に、煕子に、光秀に、惚れてしまいます。三日天下とは失礼な…十兵衛は、彼はそんなつもりで本能寺を襲撃したんじゃない。