傑作!人類学、民俗学好き集まれ!
2020/07/22 23:09
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投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
民俗学ミステリを冠する小説は少なからずあるけれど、ここまでマニアックかつリーダビリティに優れた小説は類を見ないのでは!?と思わせる快作にして怪作。小説としての楽しさもさることながら、フィールドワークの難しさや考古学的な見地の厳しさなんかもきちんと描かれていて、大変勉強になった。「まほり」のタイトル回収も秀逸で最後まで面白く読める。激推し
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初、厚みにひるみます。
次に、言葉にひるみます。
二つあれば難しい単語の方を使うルールになってるのか!
というくらい、地の文は慣れるまで読みづらいです。
研究者とその卵の会話も同じく。
文章は非常に整理されているので、
わかりやすく頭に入ってはくるのですが。
でも!そのつれない中に
禍々しい謎を解き明かす痛快感と、
少年のひと夏の冒険と、
小さな恋の物語まで詰まっているのです。
オススメです。
話の締めが秀逸の作品
2020/07/18 09:52
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投稿者:匿名希望 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の探っている謎の答は話の中盤から気がつくひともいるかと思う。
筆者の本職柄、古文書の描写、など中だるみしちゃう感もありました
が、後半から最後の文章までの展開が疾走感があり、よかった
私の一番のお気に入りの文章は最後の謎か解けるところです
すごく、切なくて何度も読みなおしました
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投稿者:ペンは剣より強し? - この投稿者のレビュー一覧を見る
資料の大半が要らなかったと思う
最後の50ページでやっと話がわかったし、それだけ読んでも十分だった
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『図書館の魔女』の高田大介の最新作。
文庫を待とうかどうしようか最初は迷っていたのだが、帯文を読むと面白そうだったので購入。
終盤の、クライマックスのシーンが何故か盛り上がりに欠ける……という欠点はあるものの、序盤〜中盤にかけては面白かった。基本的には『ただひたすら、文献を調査する話』なのだが、何故、こんなにスリリングで面白いのだろうw
カタルシスのあんまり無いクライマックスではあるが、ラスト一文に関しては、ある程度は予想していたものの、衝撃だった。
また、本書の内容とはまるで無関係なことだが、大作のファンタジーの次作が、大学生を主人公にした現代ものなのも驚いた。次回作はどういうものになるんだろうか。
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大学生四年の夏、勝山裕は故郷に近い上州の村に見られる“二重丸”の話を聞く。
都市伝説、体験談、事実、記録、秘匿ー…史料をひもとき、過去と現在が繋がる瞬間に鳥肌が立った。
伝奇のように魅入る闇、歴史小説のような出来事の欠片、不気味さ募るミステリ。
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民俗学×ミステリーの組合せが好きなら読んで間違いはない。物語の中で語られる民俗学/史学の方法論はかなりのページが割かれていることもあって、作者の件の学問に懸ける並々ならぬ知識量と熱量が感じられる。
最後の謎については真相を示唆する情報だけが与えられ、そこから先は読者の想像に委ねられるが、つまりはそういうことなんだろう。事件は解決したはずだが、何ともいえぬ後味の悪さ。
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何度か挫折しそうになったのに、面白かった。挫折しそうになるところも、つまらないんじゃなくて、私の頭には難しくて。実写化はないかな?するとしても、イケメンでホラーづくりはやめてほしい。と思いました。
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新しい事実が明らかになるたびに、ぞっとする。ホラーのような恐怖から、人間への恐怖に変わってくる。説明すべきところは説明し、多くを語るべきではないところは語らない。
『図書館の魔女』シリーズとはまた違う面白さがある。新刊をまた待つのか。。。楽しみが約束されていると思えばいいか。
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「図書館の魔女」を初めて読んだとき、先ずその「文章」の虜となった。
自分は物書きではないし、「文章」というものを専門的に学んだこともない。
ただ、「本を読む」ことが好きな、どこにでもいる本好きでしかない。
なので、高田大介氏の「文章」が、技巧的にどうなのかは正直な所わからない。
ただ、その「文章」が、心を捉えて離さなかった。
難解な言葉遣いが羅列され、くどくどと婉曲な言い回しが頻発する。
しかし、「読みづらさ」というものは微塵も感じなかった。
その入り組んだ文体に抱かれ、物語の奥底へと誘ってくれているように感じた。
「文章を読む」という行為が、ただ心地よかった。
読みながら、自分はこの著者の紡ぐ文章の虜になったんだな、としみじみ思った。
そして、それは本作においても同様だった。
「文章を読む」ことが、こんなにも心地良い作品はそうそうない。
本作では、上州弁が駆使されていることもポイント。
自分は上州弁話者ではないけれど、自然なんだろうなと思う。
ネイティブな人に実際のところを聞いてみたいところ。
本作は、「図書館の魔女」の続編ではない。
マツリカ様もキリヒトも登場しない。
高い塔もなければ、ニザマもない。
物語も、ハイ・ファンタジィではない。
日本のどこか(たぶん群馬県)を舞台にした、伝奇サスペンスという感じ。
「図書館の魔女」とは、そのテイストはまったく異なる。
しかし、共通する部分も多い。
その一つが、圧倒的な薀蓄であることは間違いない。
本作で詳らかに語られるのは、民俗学というか、歴史の表と裏というか。
これが滅法おもしろい。
「謎」の解答にも繋がっていくので、二重、三重に面白い。
メインストーリィは、先にも書いたように伝奇サスペンス。
あらすじ書こうかと思ったけど、
何を書いてもネタバレになりそうなのでやめときます。
特徴的なのは、まるで学術書と錯覚するかのような描写。
実際の資料の写真まで載っています。
フィクションではあるものの、9割がたノンフィクションじゃないかと。
キャラ的には、メインのキャラがみんな立っているのが流石。
個人的には、ほんのちょい役の「桐生先生」がとても良かった。
実際には、
「本旨の3倍ほどの量の無内容な躊躇いの文言と吃音を前後に纏ったもの」
とのことだけど、書かれているテンポの良さが最高。
図書館の魔女もそうだけど、会話シーンが本当に素敵。
鸚鵡返しで繋がっていく感じが微笑ましいというか。
「はあ、そうなんですか」「はあ、そうなんです」みたいな。
話している内容は決して微笑ましいなんてものじゃないのだけど。
主人公とヒロインの関係性も素敵。
桐生先生以外の学者先生たちも素敵。
ラストは想像通りではあった。
けれど、その想像のさらにひとつ上だった。
そういうことだったのかあ……。
あと、杉本くんと桐生先生で作品いけると思うので期待したい。
……無理かな。3倍だしな。
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飲み会の席で聞いた、上州のある村での『二重丸』紋のお札をめぐる奇妙な話に興味を持ち、夏休みを利用してフィールドワークに出かけた大学生・裕。
妹の療養のため、都会を離れて移住してきたその村で、明らかに異常な状況にある美少女と出会った中学生・淳。
ふたりがそれぞれに謎を追ううちに、古い因習を守る排他的な村に隠された忌まわしい神事が、まさに行われようとしているのではないかということに気付き…
『図書館の魔女』に酔いしれて手に取った方なら間違いない。
民俗学ミステリで、北森鴻さんの作品を面白く読んだ方も大丈夫。
近世の飢饉に苦しむ民衆の現実を描いた古文書をひもといたり、歴史学の手法を教えられたりしていくあたりは、ちょっと読みづらくてめまいがしてくるかもしれないけれど…
そこを乗り越えて、『まほり』の意味が明らかになったあたりからはもう止まらない。
読み終えて、深い水の中から浮かび上がったかのような、ぷはーっっというため息が出た。
ちょっと人付き合いの苦手な裕が、幼なじみの香織に振り回されたりときめいたり、相手との距離を縮める方法を教えられたりするのも微笑ましい。
美少女のあられもない姿にドギマギしたり、少年らしい怒りと無鉄砲さで奮闘する淳もいい。
ふふふふふ、そして、今作では声だけの登場でスパッと謎を解いてみせた変人言語学者・桐生先生が主役級になる物語をぜひ読みたい!!!
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37:現代日本が舞台で『図書館の魔女』と雰囲気が全然違うのかと思いきや、ディテールの書き込みや没入度などはそのままで、これだー!と懐かしく嬉しくなりました。
後半になって対照言語学とか「発達母音(シュプロスヴォカル)(母音が補われること)」とかが登場して、やっぱり現代日本における「図書館の魔女」やん、高田さんにしか書けないお話やん、とテンション最高潮!! か~ら~の、ラストの背筋がざわめく感じ!がめちゃくちゃ良かった。
ホラー要素抜きに語れないミステリ。面白かった。めちゃんこ面白かった。そして同じくらい怖かった……。
「宮司」はきっと裕にあの人の面影を見たんだろうなとか、雷光を見上げるばかりの恐怖と孤独とか、いろいろな想像が一気に押し寄せて、因習がここで断ち切られたことを祈るばかり。
オビを見て、素っ気ないなと思っていたけど、最近話題のあらすじ問題というか、このお話を要約したらこうなるわ……としか言いようがない。大満足の一冊です。
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1度目に“まほり”という言葉が出てきた時に何となくゾワリとして、2度目の“まほり”で恐怖を覚える。意味を知ったら、このタイトルは恐怖に変わる。
なんとなくずっと怖いですが、読み応えが凄い。
民俗学ミステリ、良いですね。
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前半は古文書か論文を読まされてるみたいだが、裕と香織が少しずつ進展していくのが癒し。
16章からいつもの流麗な文章に戻るのでファンの方安心して読んでください。
うっかり先に最後のページを読んでしまったのをとても後悔している。
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民俗学の色が濃いけれど、少年の冒険譚としてもまた、古文書関連歴史関連など、専門分野にしている人にとっては楽しいことこの上なしの本でした。が、難しくて読み飛ばしでしまったところもあったけれど。
『図書館の魔女』の読書体験は残念がながら味わうことができなかったけれど、一気に読み終わった。