経営者、マネージャ、そして全てのビジネスパーソンに薦められる本
2021/05/25 23:22
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投稿者:りょーた - この投稿者のレビュー一覧を見る
『他者と働く』。よくよく考えれば当たり前の話である。個人事業主であっても誰かと仕事をすることで初めて事業ができる。誰かと仕事をするとそこには「関係性」が生まれる。その関係性を築いていくために持っておくべきスタンスが学べる1冊になっている。昨今、1on1ミーティングが注目され、多くの企業で導入されているがうまくいっていいない企業もある。その多くが「1on1の当事者である上司と部下の関係性」に起因するものと思っている。信頼関係と言い換えてもいいかもしれない。いきなり1対1で対話しろと言われても…そう感じる上司・部下はこの本を読んで対話をどこからスタートさせるのが良いのかを知って欲しい。それが1on1の成功、ひいてはキャリアの成功につながるはず。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
組織は会社だけで無く、夫婦、親子関係、地域のコミュニティなどあるけど、どの組織にも当てはまりそうです。言われてみればそうだな、と思うことがズバッと指摘されています。会社に限らず、身近なものとして読む事をおすすめします
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kindleで届いたので即読み。対話とはただの会話にあらず、越境そのもの。境界に佇み、橋を渡そうとする人に希望を与える本。
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newspicksから送られてきて読んだ。
この前読んだ悪意の心理学の、透明性錯覚を思い出した。わかってくれてると思う錯覚。
チームが、業務が、うまくいかないのは、仕組み、システムが悪いからと思ってきたが、だんだん何が壁って、人の気持ちだと思う。
この本は、うまくいかない場合に適切な方法で相手と対話していこうと言っている。
なんだそんなことと思ったけど、自分が所属する組織の歯がゆいこと、うまくいかないこと、イライラすることの原因は、人の気持ちにつきる。
対して自分の考え方、向き合い方を変えればよいんだ。
記載されている事例は、なんか耳触りがよくて、キレイにまとまってて、腑に落ちなかった。もっといくつかの生々しい事例がほしかった。
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「適応課題」と「ナラティヴ」、というテーマに期待して読み始めた。が、どうも目が滑る、大事なことは書かれているし共感もするが、入ってこない。読了してもモヤモヤする、しかし何にモヤモヤするのかわからなかった。ようやく言葉になった違和感、それは弱者に寄り添っている風な態度で書かれている点ではないか。全体に漂う、(おそらく無意識に)権力勾配を無いことにしている匂い。
そもそも溝は本当に溝なのか。簡単に溝と言ってしまう態度は違う気がする、とも感じたな…
先に違和感を書いてしまったが、大切なこともたくさん書かれている。
適応課題やナラティヴの概念を伝える導入の書としては取っつきやすい書籍だと思う。
ロナルド・ハイフェッツによる定義として"既存の方法で解決できる問題のことを「技術的問題」(technical problem)、既存の方法で一方的に解決ができない複雑で困難な問題のことを「適応課題」(adaptive challenge)"と引用されている。
当事者が適応を要する課題とも言えるため、まず状態を認識する必要がある。
組織開発で取り扱う課題はほぼ、この「適応課題」だと言える。組織では、それぞれの人が把握している状況、見えている世界は、いずれも正しくもあり、かつ一面的でもある。お互いの見えているものの共有から始めて、認識の一致/不一致を確認しながら全体像を把握し、対応を調整する必要がある。
一方、「ナラティヴ」(narrative)は「本人が語る本人の物語」と訳され、本書では、その語りを生み出す「解釈の枠組み」のことを指す。人の行動には必ず理由があるのだ。
本書の事例では、新規事業担当部署と既存事業部の対立構造や、上司部下の言い分が異なる状況などが挙げられている。それぞれのナラティヴに沿って行動していても、時に折り合いがつかないことがある、その状態を「溝」と表現。課題解決に向けてどのように「橋」を架けるか、実践のための対話の4プロセス(準備⇒観察⇒解釈⇒介入)を挙げている。
「溝」の存在を認識し、自分のナラティヴに則った正論だけでなく相手のナラティヴに耳を傾けることは、容易ではない。言いたいことを言えない抑圧された状況下では、お互いの物語を伝えることも難しい。
組織開発活動を支援している立場としては、まずは、お互いに「橋」を架けたいと思えるような関係性の土台をつくることが大切だと感じている。これが簡単ではない。
たとえ食い違う部分はあっても、目指す方向や思いは一つだと認識を共有し、実現したい未来に向けて溝に橋を架ける作業を共に行うこと、そのために対話のテーブルに着くこと。この土壌を耕すのが本当に難しいし、やりがいのあるところでもある。種や芽は、人や組織の中にもともとあると信じている。成長を阻害しているものに気づき、土壌を耕すかかわりをする必要がある。
感想の冒頭に挙げた権力勾配。「権力」にもいろいろあるが、パワーを持っている側とそうでない側、それぞれのナラティヴがあり、それぞれの理由で、どちらも対話のテーブルに着けずにいる現状がある。だれもが対��のために「降りていく」必要があるが、そこにあるパワーの影響は無視できない。
権力勾配がある現実の中でどうしたら対話のテーブルに着くことができるのか、その点を掘り下げてほしかった。
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短期的な成果を求める声がより一層強くなる経済の中で、「対話」という補助線をたよりに、何物にも代えられない個人と個人の関係性、こそ大事なんだ、と優しく訴える。
雰囲気本(ポエム)じゃない、でもスキル本(武器)でもない。批評的な現代書。
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久々のスマッシュヒットな作品。個人の働き方だけでなく、企業経営、人の生き方、そもそも何のために企業と人は存在していて、どういう思考を持ち行動することでそれぞれのパフォーマンスを最大化させ、かつ幸せな世界を実現できるか。最近、感覚的に理解していた事を正確に言語化してくれていて学びが多かった。
ビジネスマンは必読ではないか。
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適応課題を対話で解決していくことの本。他者との溝に対話で橋を架ける、という感覚はよくわかる。権力の差がある場合(上下)の対話に関するところは勉強になった。ただ「ナラティヴ」についてもっと掘り下げてほしかった。代わりに「思い」「考え」でも成立する話に思える。
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我らがNewsPicksパブリッシング、第一弾。著者はまず課題を「技術的問題」と「適応課題」に分類し、課題が曖昧で捉えどころのない後者に対処するべく、「対話」の重要性を説く。次に、本書のテーマであるナラティブ(物語、つまりその語りを生み出す「解釈の枠組み」)という概念を用い、「対話」が上手くいかないのは、自分と他者が異なったナラティブを持っているため、という整理を行う。
主な主張としては、他者と新たな関係性を築くべく、「自分のナラティブを一度脇に置き」、相手の視点から望ましい対話を模索するということである。このようにまとめてしまうとどこか平易になってしまうが、所々学術的知見を用いながら説明をしてくれているため、分かりやすかった。他者を尊敬してコミュニケーションを取るために、ナラティブという概念は非常に有用だなと感じた。
印象に残っている表現は、以下の通り。
「中立な人間は原理的に考えてもこの世界には存在しません。誰もがそれぞれのナラティブを生きているという意味で偏った存在であり、それは自分もそうだということです。(p.93)」
「しかし、私は、人が育つというのは、その人が携わる仕事において主人公になることだと考えます。(p.122)」
「だとすれば、私は、自分の痛みばかりに目を向けていることは、公平ではないと思った。彼らも自分もまた、関係性を生きる人間である。人間は、関係性に埋め込まれ、身動きが取れなくなる弱い存在である。その弱さは私の中にも厳然として存在している。(p.184)」
他者を道具として捉えるのではなく、「あなた」として捉えられるように。
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第5章以降、最後に個人的な話があったところも含めて、内容にしっくり来るところがあった。オリンピックに向けた時限組織の中で外国人や様々な組織の寄せ集めの中で働いており、「挨拶しない」、「お土産をチームの気に入った人にだけ配る」20代、「プログラミングしたことはできるが、気遣いができない」30代後半、「自身の仕事も遅く、分担仕事もしないのに、権利だけ主張する」外資出身の40代後半などに、仕事や雑務を押し付けられ、ウンザリ。こんなんで、国家的イベントが成功するのが不安な中、どうやって「橋をかける」のかのヒントをもらうために読みました。
疑問に思ったのは、「観察」にどれくらいの時間をかけるべきかという点。はや、本番まで実質6ヶ月、もう2ヶ月すぎているのに「橋をかける」意味はあるのか?文脈からいけば、諦めずに…のはずだが、時限組織においては”逃げるが勝ち”である気がしてきました。(苦笑)
ちなみに、外国人の方達の方が、文化の違いはあるものの、日本やそのやり方に順応しようとし、仕事もしっかりやってくれて、尊敬できます。
「多様性」は大事だし、「自分の常識は、人の非常識」だとも思いますが、仕事場できちんと仕事もしない上、挨拶もしない人がやり方の違い→「多様性」を主張しているのをみると、どこまで「多様性」が言えるのか、文化人類学専攻してた自分でも、悩み+腹立たしく感じます。
結論は、長いスパンなら「橋をかける」とっかかりとして、役に立つと考えます。
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タイトルが気になって手に取りました。実はビジネスにおけるナラティヴアプローチの本でした。
自らのナラティヴを一先ず横に置いて、立ち止まる。相手のナラティヴに耳を傾ける。
権力を自覚せずに観察を試みることが観察を失敗させる。
ハッとさせられました。
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はじめは思うようにならない他人をどうしたら動かせるかと考えていた。
ナラティブアプローチを使えば、自分の理想を体現していけるかもしれない。
それだけでもかなりの学びになった。
でも、ナラティブアプローチは誇り高く生きるためにこそ活きると実感できたことが何より大きい。
組織の中で、自分がどれだけ仲間と橋をかけられる(適切な関係性を構築できるか)を甘く見ていた自分を今日から戒めていきます。
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人の気持ちになって考えなさい、相手の立場に立って考えなさい、と耳にタコができるほど言われて育った人は多いはず。
同じ教えを大人向けに書くと、こうなる。
「相手は何もわかってくれない」
「なぜあいつはああなんだ」
と感じたときに、思い出したい本。
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ナラティヴアプローチの汎用性を改めて実感しました。
読みやすく、身近かな「分かり合えなさ」の仕組みがよく理解出来ました。
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専門的な研究や文献、宇田川さんの体験などをもとに、
ナラティブアプローチについてわかりやすく書かれている。
仕事をしていると、
なんでなの?どうして?意味わからん、頭硬いな、根拠ないだと?話が通じない、違う言語の人間だ。。と本当によく思う。
対立関係にならずに、だからといって全てを許容するのではなく、自分の考えていた方向へ進めていくためのお話。
わかっているようでわかってない。
立場や人の気持ちをわかっているつもりで、実は自分のナラティブではなしをしていることが多いのかもしれない。
そうではなく、とか、それに代えてと言うのではなく、
それに加えてと言うことで、同じナラティブにたてる。
権力や今までの慣習で押さえつけられ、
思うようにならないことが多く、相手のナラティブを見ることめんどくさがっていたかも、と心を整えることができた。
追記。
アサーティブコミュニケーションとはどう違うのかな。一緒かな。
https://www.assertive.org/intro/