紙の本
絶頂から転落へ
2019/10/31 22:29
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説ナポレオンの最終巻。
まさに絶頂から転落。ナポレオンの生涯を詳細に辿るのは初めてでしたが、やはり波乱万丈の人生、稀代の英雄というにふさわしいと思います。
読みごたえのある小説でした。
オススメです。
紙の本
人は独り。
2020/01/14 17:42
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジョゼフィーヌと別れて、ハプスブルク家皇女と再婚。ほかにも女性はいたけれど、正嫡を得る為の手段。
しかし、一代の英雄はその地位を守るのにこれで安泰、ゴールとはならない。なんとも辛い。昇りつめたら、後は転落。親族も家臣も己の立場があり、ナポレオンの思うように寄り添ってはくれない。
ジョゼフィーヌのその後がもうちょっと欲しかった。
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勢いが鈍ったのはナポレオンの栄光が去ったからだね~1607年第4次対仏大同盟が結ばれるとアウエルシュテットで勝利したナポレオンはベルリンに入城し、勅令を発してイギリスをヨーロッパから閉めだした。ロシアに勝利して、アレクサンドル1世と和平を結び、ワルシャワ大公国を建ててポーランド人に感謝される。しかし、スペイン平定は進まなかった。第5次対仏大同盟が1809年に形成され、エクミュールでオーストリア軍に勝利したナポレオンはウィーンに入城し、ジョセフィーヌと離婚して、1810年にオーストリア皇女マリー・ルイーズと結婚して翌年には嫡出子を得た。1812年ボロディノでロシアに勝利したタイ陸軍はモスクワに入城したものの焦土作戦でモスクワが火の海になり、パリのクー・デタが起こる一方で、退却戦で受けた被害は甚大であった。1813年もプロイセン・ロシア・オーストリア軍に勝利するが勝利するがシレジア・ボヘミア軍に勝利するが、ボルドーにイギリス軍が上陸し、パリが陥落し、1814年ナポレオンはフォンテンブローで退位を宣言した。ナポレオンは服毒自殺を図るが失敗し、エルバ島へ追放さえる。1815年2月エルバ島を脱出し、熱狂をもってパリに入るが、6月18日ワーテルローの戦いに敗れ、6月22日に再度の退位を宣言した。イギリスに亡命を求めたが、上陸は許されず、セント・ヘレナ島に流され、5年半後胃がんで死去した。七月革命でブルボン朝は崩壊し、1840年12月遺骸は廃兵院に安置された~はい、これでフランスの物語はおわりかな?あとはド・ゴールだろうか? ワーテルローでの大陸軍の練度は低く、稜線に塹壕を作ったイギリスの前線の後方には多くの兵が秘匿されていたって訳。数時間の転た寝が敗因?
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三部作の中で個人的には一番面白かった。
勝ち戦はワンパターンだけど
負け戦は一つ一つのイメージが鮮明。
(能の曲目が、負け修羅が多いのもそういうのこと?)
人間味のあるナポレオン、タレーランやフーシェなど
味のある脇役。
読後感豊かな好著。
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ナポレオン1世の歴史小説最終巻。
皇帝になった後の絶頂期からセント・ヘレナ島流まで、エピソードは遺体のパリ移設埋葬です。
世にまれな英雄の波乱万丈なことこの上ないです。
とにかく陸戦には強いナポレオンが冬将軍に負けて、さらには一回限りの敗戦で表舞台から去るのは、政治力が長けていなかったということでしょうね。
隆興と転落の速さは運がいいのか悪いのか、夢のまた夢という感じですが、暗殺や処刑されなかったのは運が良かったと思いたいです。
初めてナポレオンの生涯を通した小説を読みましたが、確かに彼の一生は余人にはない面白さですし、それを余すことなく描いてくれた著者にも感謝したいです。
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ナポレオンのコルシカ時代から、セントヘレナ島で死去するまでの一代記。
上巻のコルシカ時代は少しだれてしまったが、軍人として立身してゆく中巻以降は一気に読み進めていった。
文中のナポレオンのモノローグが多いのが少し気になるか。
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ナポレオンは生涯の成功をマリールイーズとの子をもうけたことと述べたことが意外だった。ジョセフィーヌと別れ運から見放された気がする。また戦史的にはモスクワ遠征とワーテルローの負け戦の敗因が良くわかった。
あれだけの功績ある人物なのに、心安らかな日が無かったのかもしれないと思った。
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やはり、秀吉に似てる気がしました。出自に恵まれず、何も持っていなかった者が、元々持っている者にはない苦労と努力、そして親族に頼り過ぎてしまうところ。違うところは、ナポレオンはやはり軍人だったのかと。タレイラン、フーシェともっとタッグを組んで、政治的にも強力になれたら。そして、国内に注力出来たら。これも生まれに拠るところが大きかったからでしょうか。ワークホリックな忙しい、そして人間的で魅力溢れる人でした。いつかまた、アンバリッドのお墓を訪れたいと思いました。
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ロシア遠征後の撤退、エルバ島への追放と脱出、ワーテルローの敗北、そしてセントヘレナ島への幽閉と活躍の最晩年を描く。
ここまでも浮沈のある人生はとうてい想像できない。本当にドラマチックだ。
まさに英雄の生涯。
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生身のナポレオンを感じられる文体は、これだけ長い物語で且つナポレオンに興味のない日本人にはとっつきやすいものだった。まさに、見てきたように書くというか、その場にいました?という書き方で、それはそれでその執拗さに辟易気味にもなるのだけど、さすがにクライマックスの3巻目となると、きちんと盛り上げてくれる。恐らく今後はもうナポレオン関連のは読まなくてもいいかなってくらいお腹満腹です。
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2022.1 勉強になりました。ヨーロッパは領土争いばかりだったんだな。日本が島国でコップの中の争いだったのに比べ、大陸の領土争いは大変だ。
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ナポレオンの絶頂と没落を描く。ナポレオンはイギリスに亡命しようとするが、イギリス政府の卑劣な策略により、否定されてセントヘレナ島に流刑になる。
しかし、イギリスのリベラル派は、人身保護法を根拠としてナポレオンの市民的権利を認めようとした。あと一歩のところで成功しなかったが、そのように動いた人々が存在するイギリス社会は評価できる。
後にイギリスでは阿片戦争という卑劣な侵略戦争を起こすが、その際の下院の議決は賛成271票、反対262票の僅差であった。多くの議員が阿片禁輸に対する戦争を起こすことに反対していた。これがイギリス社会の奥深さである。
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あまりにも有名だがその人となりを知らなかったナポレオンの生涯を生き生きと活写しつくした本作。まさにある意味夢のような人生だったんだなぁ。
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…ナポレオンは答えてしまった。
「長くはもたないとうのは、帝国が、か」
「いえ、陛下が、でございます」
と、フーシェは答えた。陛下、そんな落ち込んだ顔をなさらないでくださいませ。
「失礼ながら、最近の陛下には、いくらか躁鬱の気がおありのようですな」(本文抜粋)
ナポレオンが廃位から返り咲いた、いわゆる百日天下の際に交わされた会話。ナポレオンは腹心の部下や元同僚からの裏切り、また敗戦を通じて、自身の野望よりもフランス帝国を息子に残すことを優先させます。
築き上げてきたものを全て取り上げられる中、唯一の希望となっていたナポレオン二世の即位。しかしその希望にすがる姿も外部から見れば、かの皇帝も堕ちたと言わんばかりの様子だったようです。
第1章 君臨
ドイツ軍、プロイセン軍、そしてロシア軍を打ち破り、フランス軍はまさに破竹の勢いで版図を広げていた。率いるナポレオンにはしかし、跡継ぎが居ない。それを憂慮するタレイランは、すでに布石を打っていた。
第2章 絶頂
オーストリア皇女との結婚、そして息子の出産。ナポレオンは夢にまで見た安寧を噛み締めていた。一方で国外では情勢不安が相次ぎ、中でも大陸封鎖令による締め付けは今にもはち切れんとしていた。
第3章 失脚
ここにきて、欧州全土で不満が爆発した。調停役として遣わされたオーストリア帝国外務大臣メッテルニヒの和平交渉を、それでも突き返すナポレオン。さらなる戦争は野望のためか、フランスのためか。
第4章 復活
敗者といっても、皇帝は皇帝だった。壮厳に見送られながらナポレオンは逗留先、地中海のエルバ島へと向かう。欧州では革命を返上せんとブルボン朝を復活させるが、名ばかりの君主ではうまくいくはずもなかった。
第5章 ワーテルロー
皇帝陛下の様子がおかしい。見事返り咲いた上官の言うことは、敵軍への侮蔑、慢心に自軍への過大評価ばかり。欧州全土を駆け巡ったかつての「大陸軍」も、それに追随していた名将たちももういないのだ。
エピローグ
フランスでは再興果たしたブルボン朝が七月革命によって打倒。七月王政樹立から十年になんなんとしていた。
わずか三十年前に、我がフランスが欧州全土を席巻していたらしい。次政府が目をつけたのは、過去の栄光、いわゆるナポレオン崇拝だった。
その立役者ラス・カーズは栄光に浸るかつての主君をみて、謝罪を繰り返した。皇帝ナポレオンがあるべきは、果たしてフランスなのか。かつて野心を費やした、故郷コルシカでなくていいのか、と。
見どころ
・英雄ナポレオンは、なぜ没落したのか
ナポレオンの最期は冒頭にあるように躁鬱の気が激しく、また癌を患っていました。当然ながら若かりし頃の面影は見られず、著者様がその様子を寂寞と描いています。ナポレオンの生涯を描いた当作品ですが、一人の英雄が栄達し没落していく姿には胸を打つものがあります。
・ナショナリズムの源泉に触れる
ナショナリズム(国民主義)が育まれたのがこの時代と言われています。簡単に言えば、「この国は自分た��の国だから、外から来た君主は認めないぞ」という思想です。物語の途中、ナポレオンは自軍に引き入れていたはずのドイツ兵に裏切られるという描写があります。
それまで強大な君主が統治していた土地を、次々と征服していったナポレオン。中には解放者との呼び声があった一方で、首がすげ変わっただけと判断した国もあったのでしょう。
ちなみにナポレオンは、イタリアが統治していた「コルシカ」島生まれの「コルシカ」人でした。フランス皇帝ナポレオンのアイデンティティはもっぱら「コルシカ」にあったようです(ややこしい笑)。
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2022/1/19 読了。
一介の軍人から皇帝に上り詰め、ヨーロッパに君臨したナポレオン。反面、絶え間ない戦争で、数百万の兵士を異国で死なせてきた訳で、英雄待望論というものはあれども、それは良いことばかりではないのだ、と思った。