電子書籍
小さくて大きい
2021/01/23 01:12
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投稿者:さゆり - この投稿者のレビュー一覧を見る
色んな普通の人が起こした犯罪の裁判を傍聴されてるんですが、その背景にある人間の、小さくて大きくて、だけど切ない感情が上手く描写されています。また、これだけ多くの裁判を傍聴した筆者が再犯についてや加害者の今後について鋭く書いている箇所も好きです。本当に普通の人なので、例えば隣にいる同僚や、自分自身もこうなってしまうのかと怖くなる部分もありました。
紙の本
裁判が身近に感じられます。
2019/12/24 19:12
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
裁判の傍聴記録。
さすがに着眼点が素晴らしいですね。
題名にインパクトがあり、思わず購入しました。
でも、もっともっと面白い(失礼)裁判の話も載ってますよ。
被告にならないように、気を付けましょうね。
紙の本
題名の事件は中々気の毒
2023/01/14 10:03
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビジネスマンだった人が被告人となった裁判の傍聴記。面白半分の記事ばかりかと思いきや、題名になっている元公務員は志高く公務員となって福祉分野に注力していたけれど公務員としてできることの限界を感じてフリーに転じ、そこでも外的事情により上手くいかず、万引きをして裁判になってしまったということで、随分お気の毒な事情がありました。最後の方の裁判傍聴とビジネスの世界を無理やりこじつけて論じているような部分は、著者に説得力をもって論じるだけのキャリアがないように感じ、その分も傍聴記を載せればよいのに…と思いました。
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「ストレスがたまりすぎる→犯罪に走る」っていうパターンがかなり多いことに驚き。
ストレスをすべて発散させるなんてことはできないにしても、水際で犯罪を思いとどまれるほどには軽減できるものではないかと思ってしまうのはあまちゃんなんだろうか?
ストレス犯罪とはちがうけど、売春で捕まった主婦の話はオーヘンリーの『賢者の贈り物』をなぜか思い出した。あの話の結末とはまるで違うのに。
それぞれが相手を想うことは素敵なことだけど、本当に大事なことを見失っちゃダメだ。
第2章の処世術は、序盤は第1章の傍聴記とくらべて面白味がないな…と思いながら読んでいたけど、「お仕事あるある」がたくさんでてきて、役にたつこともちょいちょい書かれてるのでオススメ!!
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2019.12.11
真面目な人、まさかそんな…と言う人が罪を犯す。
裁判で明らかになる人となりと、ストレスや悲しみの行く末。
タイトルで釣られたが、いつ自分もそうなるかわからない。
裁判でのやりとり、それは人付き合いなど、社会での生き方にもつながる教訓もある。
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「事実は小説よりも奇なり」とは良く言ったもの。ビジネスマンが起こしたまさかまさかの事件に対する裁判傍聴記。
一見普通の人が起こした種々の事件。たいていは「そんなことをする人には見えなかった」という周囲の評。どのような動機から事件を起こし、また裁かれていったか。現実とは思えないような事件が多く出てくる。
前半はビジネスマン裁判傍聴記。
お金編、女・酒・クスリ編、小事件編、情欲編、被告人を助ける人々編。
後半は法廷の人に学ぶビジネスマン処世術。
好みの別れるところであろうが前半が絶品だっただけに後半はやや退屈。
情欲編4の「忖度夫婦だから専業主婦は援交に走った」が印象的。
リストラされた中小企業の夫。妻にはそのことを言えない。出社を装い装い職探しの毎日。収入が無くなり給与が振り込まれないことに気づいた妻。夫の気持ちを慮り気付かぬふり。収入を得ようと妻が考えたのが援交、売春そして逮捕。夫婦がお互いの気持ちから遠慮が重なった悲劇。
それぞれのエピソードいずれかドラマ化したら面白いかも、と思ったが、よくよく考えると現実なのに現実離れした事件。あまりドラマ化にはそぐわないかも。
筆者は街中華のほか裁判傍聴関連の多くの著作に定評がある。なかなか日頃接することのない裁判な世界を堪能できる一冊でした。
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法廷を通して、社会の関わりや人間の本質が描かれていて、それをビジネスコミュニケーションに活かす本。
一気に読んだ。
『冤罪でも、法廷に「職場仲間」は一人も来ない』という事実に考えさせられる。
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県立図書館新春福袋の一冊。
私は著者を旅行エッセイストと勘違いしていたが、代表作は「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」だった。著者はもう十数年も毎日裁判所通いをして、「人知られていない裁判」を紹介する「プロ」でした。
今回は裁判傍聴記を「ビジネスマン」に絞って紹介している。「お金」「女・酒・クスリ」「小事件」「情欲」「被告人を助ける人々」に分けて、人生いろいろをスケッチする第一部と、「法廷の人に学ぶビジネスマン処世術」の2部構成。第2部の方は既に私には意味ないのでなおざりに読んだ。
逆転無罪とかの劇的な裁判はない。プロなので、こういう罪ならこういう量刑だな、と類推して全部当てている。畢竟「生活の中から生まれる被告人の生き方」に焦点が当てられている。琴線に触れた事例を紹介したい。
●「通帳横流し詐欺」
56歳営業マンが会社のお金を自分の通帳に横流ししようとして不正にカードを作成した。利益を得る前に発覚。面白いのは、いまだに会社にも家族にもバレていない。本人は隠し通すつもりである。結果は執行猶予つき判決。裁判長は「家族に言わなくて良いんですか?」と倫理的に詰め寄っている。トロさんは「甘いな。理屈はそうかもしれないが、世の中は理屈だけで動いているのではないのだ」と被告人の考えを「否定はしたくない」とする。
←膨大な裁判と人生を見続けてきたトロさんの意見は傾聴に値する。
●「専業主婦の援交」
30代専業主婦の売春容疑。2017年の流行語「忖度」を使って、この犯罪の背景に夫婦お互いの没コミニュケーションがあると分析している。リストラされたけど打ち明けない夫、わかっていて聞けない妻、家計助けるために援交するけど見てみぬふりする夫。忖度合戦は5度以上あるとする。ちなみに夫はいまだにこうなったホントの原因をわかっていないようだった。判決後いまどうしているかと聞かれ「まだ無職です。なかなか条件に合う仕事がなくて‥‥」
●「元公務員の窃盗」(本の題名になった裁判)
ホームレス43歳男性が4日間何も食べなくて、コンビニ35個のおにぎりをありったけカゴに入れてそのまま店を出て行こうとした小さな事件である。被告人は3つの大学を卒業した、福祉関係の元公務員だった。その職場で彼は考える。「公務員でできることはほとんどない」。辞めてフリーランスで手話通訳の仕事を始めた。そこでは暴力団絡みの仕事しかなくて失望、鳶職に転職。まるきり使えない、と首になり路上生活者へ。検察もルールだから求刑したという感じ。弁護士は当然執行猶予を求め、実際そうなる。裁判長も真摯な説諭をする、という珍しい裁判になったという。
←基本、この連載はヤフーニュースに載せたらしいので、かなりヤフコメがついたと思われる(だから本の題名にもなったのだろう)。トロさんは自己責任追求コメントがつかないよう、かなり気を配って書いている気がした。いろいろ「どうしてそうなっちゃうの?」という疑問を持つとは思いますが、全文読めば私も被告人の「やさしさ」が招いた小事件だと思う。
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タイトルに惹かれて買ったので、なぜ人は罪を犯して(しかもおにぎり35個万引きとかいう不可解な罪を犯して)しまったのか、そういう例をたくさん読みたかっただけです。だけど後半は、裁判官や弁護士、検事からビジネスに活用できる話し方、作戦を学ぶ、みたいな展開になってました。私はビジネスパーソンではないし(仕事はしているけど教職なので)、本書でアドバイスされてるような「部下へのアドバイスの仕方」とか「上司を立てつつ・・・」とかいうのはあまり興味をもてませんでした。
でもまぁ、裁判を傍聴してみるのは面白そうだな、と思いました。今度行ってみます。