奇をてらわない強さ
2021/08/14 12:09
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類の過去を書いた「サピエンス全史」未来を書いた「ホモデウス」に続いて、いよいよ現在を書いた本書「21 Lessons 」である。現在社会における21のテーマを掲げその各々に丁寧に対応している。注目を引くために往々にして奇をてらった論説がまかりとおっている場合が多いが、本書は至極まっとうに誠意を持って論説しているところに好感が持てる。もちろんその深い洞察にも感服した。
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ハラリ氏の前著「サピエンス全史」「ホモデウス」と比較するとボリュームも内容も少し不満が残る。そして内容は印象に残っていない。もう一回読み直さないといけない。
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前半は総花的で既視感が否めない歴史寄りのトピックが多いが、第13章辺りからユダヤ系の著者ならではの記述が面白くなる。(この章ではユダヤ系の優れた学者が滔々と羅列されて圧巻だが、そこじゃなくて、)イスラエルの初等教育では「ユダヤ教は人類史で最重要」と教わるらしい。「フランス革命」について習うとき、フランス共和国におけるユダヤ人の政治的扱いに焦点があるとかね。うーん、国外に出ないとグローバルな世界史観が育たない訳ね。
第16章も面白かった。正義は進化するし、何よりも「規模」に左右されるという。
あと、ユダヤ教の安息日(シャバット)の厳格さには驚いた。「トイレットペーパーをちぎる」のも仕事扱いとか。
意外にも、仔犬の動画がお好きだそうですw。
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サピエンス全史では、宗教、お金、国家など、あらゆるイデオロギーを「フィクション」と結論付けてあぶくに踊る社会のバブルをパチンッと割ってみせた。本書はそのお得意シリーズの第二弾と言って良いだろう。
※前著「ホモデウス」は人類の未来予想の色合いが強かった。そういう意味ではハラリさんが描くフィクションにどっぷり浸かる内容と言って良い。
今回のお題は、仕事、自由、平等、ナショナリズム、移民、テロ、戦争など現代社会が抱える問題。今回も宗教と神の存在に切り込んでいる。人々を信じ込ませる言説をバブルの用の膨らませてパチンと割ってみせるお得意パターンは、「マジックの種明かし」動画でも観るような爽快感がある。
政治家や指導者が「犠牲」「永遠」「純粋」そして「救済」のどれかを連呼するようなら身構えよう。厄介な状況の始まりかもしれない。
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【はじめに】
『サピエンス全史』、『ホモ・デウス』という二冊の世界的ベストセラーを世に出し、人類史の分野で新しい領域を切り拓いたユヴァル・ノア・ハラリの新作が『21世紀の人類のための21の思考』である。章の数が21あるが、その数を21にしたのは、当然21世紀に掛けたものである。各章のつなぎ方もそうだが、こういったところで軽い趣向を凝らすのも著者の特色でもある。
『サピエンス全史』が過去、『ホモ・デウス』が未来についての本であるならば、この本は今ここについての本だ、と著者はいう。単純にこの本の出来栄えや意義を比較評価すると『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』の方に軍配が上がるだろう。前著との関係で言うとすると、本書の位置づけは、特に『ホモ・デウス』に対する長い補足と言ってもよいかもしれない。また、後で見るが、これまでの著作では表に出ていなかった著者自身の個人史についても敢えて表明する本だと位置付けてもよいかもしれない。ハラリ自身にとっても今ここに関する著作であるのかもしれない。
【概略】
著者は、前二作が歴史に関する本であるのに対して、この本は「一連の考察」であるという。まずは、その「一連の考察」を順に追いかけていこう。
まず論を進めるにあたり、現在について考察するための基本的前提としてのテクノロジーの急速な進化について言及する。具体的には、情報(IT)テクノロジーとバイオテクノロジーの双子の革命のことだ。
これらの革命は、もしかしたら政治にこれまでにない大きな影響を与えるものであるかもしれない。
「ITとバイオテクノロジーの革命はまだ始まったばかりであり、現在の自由主義の危機の責任を、本当はどこまでその革命に帰せられるかは、議論の余地がある」
いずれにせよ多くの分野・領域で、この革命なしに語ることができない。当然人類の生命倫理や道徳といった根本的な価値観にも影響を与えるものでもある。そしてそれは、それほど先の未来のことではないのだ。
「生命を設計し直し、作り変える力を、AIとバイオテクノロジーが人間に与えつつある。程なく誰かが、この力をどう使うかを決めざるをえなくなる - 生命の意味についての、何らかの暗黙の、あるいは明白な物語に基づいて」
まずはこの二つの革命の短期的な影響として、コミュニティ、グローバル化、国家、移民などの政治的危機が語られる。その根底には先の引用にも言及があった通り、自由主義の危機がある。現代は、いよいよ新しい社会モデルや政治モデルを考案する時代になるのかもしれない。自由主義の道義的基盤となっていた自由意志が科学的な知見から覆されるとともに、合理性の理由となっていた人の内面が、ビッグデータ技術によって、その人自身より上手く処理される可能性が見えてくるにしたがって、それらを基盤とすることでワークしていた自由主義が危機にさらされるという主張は『ホモ・デウス』の主張の繰り返しでもある。「今やアルゴリズムはあなた個人を差別しかねないし、あなたにはその理由が想像もつかない」というとき、現在の中国のことを闇に言っていると考えてもよいのではないか。しかし��がら、中国共産党が歴史の流れに逆行していると自信を持って言い切れる人はほとんどいないのではないか。そして、それは中国に限らないという世界が来るのかもしれない。ハラリは次のように語る。
「二十世紀の独裁政権にとっての最大のハンディキャップだった、あらゆる情報を一か所に集中する試みは、二十一世紀には決定的な強みになるかもしれない」
認識しておかなければならないのは、その変化について著者が決して価値評価をしていないことだ。変化は起こる。それをどう受け止めるのかは、あなた次第である。大事なことなので繰り返します、とばかりに自由主義の危機が強く主張されるのは、彼の著作を読む人に対してさえ、それが届いていないことの裏返しであろう。著者は自由主義の危機を知らせる預言者であり、それを擁護する旗手であるというイメージを持っている人もおそらくは多かろう。もちろんそういう人は彼の本をある意味では読んでいないのだが、それが世間一般がいわゆる現代の知識人に要求するステレオタイプであるからでもある。彼はトランプを批判するが、一方で決して自由主義やヒューマニズムを擁護しないのであり、それこそが彼の思想の価値であるのだ。
「バイオテクノロジーとITが融合したら、民主主義国家は現在のような形のままでは生き延びられない。民主主義がまったく新しい形に自らを仕立て直すか、さもなければ、人間が「デジタル独裁国家」で生きるようになるかの、どちらかだ」
さらに自由に続いて、現代において絶対の価値を付与されているように思われる平等も危機にある。「AIが普及すれば、ほとんどの人の経済価値と政治権力が消滅しかねない。同時に、バイオテクノロジーが進歩すれば、経済的な不平等が生物学的な不平等に反映されることになるかもしれない」というのがテクノロジーと平等に対する著者の見方だ。
ひとまず現代の目の前にある問題として、ナショナリズム、グローバリズム、国家、宗教について語る。
「まず指摘しておかなければならないが、今日の国民国家は、人間の生態の不変の要素ではないし、人間の心理の避けようのない産物でもない」
「長期的には、そのような筋書きどおりになれば、上位のカーストが「文明」を自称するものの中に集まり、壁や堀を建設して、外の「野蛮人」の群れからその文明を隔絶し、世界は非グローバル化することさえあるかもしれない」という言葉は、ミシェル・ウエルベックの『ある島の可能性』に描かれた世界と符合する。移民の話やテロの話を語るハラリがウエルベックの小説を読んでいると想像するのは決して的外れの話ではない。『セロトニン』は、ウエルベックのアンサーノベルなのかもしれないと想像してしまう。
日本は世界で見ても宗教的に無宗教の人が多いと言われているが、過去において決して日本は例外ではない。少なくとも支配の仕組みとして「宗教」が核をなしていたのは、時期的にはまだ100年ほど前の近代日本のことである。
「その目的を達成するために、日本は固有の宗教である神道を日本のアイデンティティの土台にした。実際には、日本という国は神道を徹底的に作り直した」
今の宗教原理主義者の自爆テロを全く想像で��ないという観点で排除する人は次の皮肉が込められた文を読んでほしい。
「神道国家の成功の象徴としてもっとも有名なのは、日本が他の大国に先駆けて、精密誘導ミサイルを開発した事実だ。アメリカがスマート爆弾を実戦配備するよりも何十年も前、そして、ナチスドイツがようやく初歩的な慣性誘導式のV2ロケットを配備し始めていた頃、日本は精密誘導ミサイルで連合国の艦船を何十隻も沈めた。このミサイルは、「カミカゼ」として知られている。...このような任務に就く意欲は、国家神道に培われた、命知らずの自己犠牲精神の産物だった」
そして、日本ではあまり問題視されていないのが、「移民」の問題である。トランプがメキシコ国境に壁を作るなどと言っているが、欧州における移民の問題は、彼らの過去の歴史と倫理のためにより複雑な問題となっている。「普遍的な自由主義の価値観を実現するという約束の上に築かれたEUは、統合と移民という難問のせいで、崩壊の瀬戸際にある」ー 移民問題を取り上げた『西洋の自死』でも語られている通り、西洋の人権主義と移民流入の実態が大きな矛盾を起こしている。そこにはグローバル化や国境を越えたデジタルによるネットワーキング、それとは対極にあるテロを含めた宗教対立によって「国家」という概念が危うくされているのである。
ここでも、宗教が新たな課題として立ち昇ってくる。著者自身はユダヤ教の出自であり、ユダヤ教の家族、コミュニティの中で育ってきた。それにも関わらず、現代においては宗教的価値観から自由であるべきだと考えている。「私が宗教をフェイクニュースと同一視したために腹を立てる人も多いかもしれないことは承知しているが、それがまさに肝心の点だ」ー「とはいえ、私が宗教の有効性や潜在的な善意を否定していないことに注目してほしい。むしろ、その逆だ。良くも悪くも、虚構は人間の持つ道具一式のなかでもとりわけ効果的だ。宗教の教義は、人々をまとめることによって、人間の大規模な協力を可能にする」
もちろん自身のユダヤ教も含めて宗教がこの後の世界において支えになるとは考えられない。著者は次のように書く。
「どこの神殿も訪れず、どんな神も信じないというのも有力な選択肢だ。過去数世紀を振り返ればわかるように、道徳的な生活を送るためには、神の名を持ち出す必要はない。必要な価値観はすべて、世俗主義に提供してもらうことができるのだから」
しかしながら世俗主義も現代の根本的な問題に対して開かれている。それは、『ホモ・デウス』でも何度も繰り返された「自由」に関する疑義だ。
「サピエンスは一人残らず「意見の自由に対する権利」を生まれながらにして与えられており、したがって、検閲は何らかの自然の法則に違反すると信じるなら、私たちは人類についての真実が理解できていない。あなたが自分を「不可侵の自然権を持っている個人」と定義しているかぎり、自分が本当は何者かはわからないし、あなたの社会やあなた自信の心(「自然権」が存在するというあなたの信念も含む)を形作った歴史的な力を理解できない」
その通り、「自然権」は歴史的に何ものかに対抗するために必要に駆られて人工的に作られたものなのだ。そして、それらが独占していた領域に��犯する新しいテクノロジーに対して対抗する術を失いつつあるのかもしれない。
最初に述べたテクノロジーの進化により、さらに違った意味でも「自由」は制限されることとなる。
「バイオテクノロジーと機械学習が進歩するにつれ、人々の最も深い情動や欲望を操作しやすくなるので、ただ自分の心に従うのは、いっそう危険になる」
そういったことすべてを考慮した上で、著者が他者に対して、そして自分自身にも求めるのは、「謙虚さ」だ。合理性や個人性について、それが神話であり、人工的な構築物であることをまず認めることだ。真実や正義をかざすときにわれわれは躊躇いをもたなくてはならない。
「この世で屈指の虚構は、世界が複雑であることを否定し、無垢の純粋さ vs. 悪魔のような邪悪さという絶対的な構図で物事を考える、というものだ」
世界を複雑なままで捉えようと努力をする。それが究極的にはほとんど不可能であるとしても、である。
21章からなる本書の最後から二番目に置かれた章は、「意味」である。
「私は何者か?人生で何をするべきか?人生の意味とは何か?人間は太古からこうした問いかけを投げかけ続けてきた。どの世代も新しい答えを必要とする。なぜなら、何を知っていて何を知らないかは、変わり続けるからだ」
しかしながら、「哲学も宗教も科学も、揃って時間切れになりつつある。人は何千年にもわたって人生の意味を論じてきたが、この議論を果てしなく続けるわけにはいかない」のだ。
真の疑問は、私たちは何を望みたいのかかもしれないと『サピエンス全史』で看破した著者は、ここでも次のようにその主張を繰り返す。「もし「自由意志」という言葉を、自分が欲することをする自由という意味で使うなら、たしかに人間には自由意志がある。だが、「自由意志」という言葉を、自分が欲することを選ぶ自由という意味で使うなら、人間に自由意志はない」
もっと当惑せよ、とハラリは言っているだ。それが謙虚さだ。一方、絶望したり、パニックに陥るのは傲慢だと言う。なぜなら、自分がこの世界がどの方向に行っているのかわかっているとうぬぼれているからだ。
「過去ときっぱり訣別し、古い神々や国家ばかりか、自由と平等という現代の核心的な価値観さえも超越する、完全に新しい物語を生み出す時がきたのだろうか?」
最後の章は「瞑想」だ。著者は、ヴィパッサーナー瞑想に信を置き、読者にもある意味では勧めようとしている。それを否定はしないのだが、この章を最後に置くことが、全二著とは異なる点として、個人の歴史に踏み込んでいる点だ。個人的な話としては、自らがユダヤ教のコミュニティで育ったことや、その宗教や信徒に対する価値評価も行っている。
また、さらに本書の中で同性愛者であることをカミングアウトする。そういったことがもう決して意外ではない世界に変わったことも驚く。それが、ヒューマニズムであり、平等主義によって実現したことは間違いない。そして彼が21歳になるまでそのことに自覚的でなかったことをもって、たいていの人は自分のことをよく知らないのだ、という。2050年の世界においては、そんなことはきっとないと。同性愛者という性向が、社会的環境から生まれ���のか、生得的なものなのかという議論はここではおくとして、自分の性向を自分よりもよく知ることが技術的に可能であるということの例としてはおそらくはもっともわかりやすい例のひとつとして挙げている。本書の流れの中でも「21」という数字とともに象徴的なエピソードであるが、これが著者にとって『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』とは異なる性質のものであることを象徴的にも示しているように思われた。
【所感】
最後に全21章がどのようなものであるのか列挙しておきたい。
1. 幻滅
2. 雇用
3. 自由
4. 平等
5. コミュニティ
6. 文明
7. ナショナリズム
8. 宗教
9. 移民
10. テロ
11. 戦争
12. 謙虚さ
13. 神
14. 世俗主義
15. 無知
16. 正義
17. ポスト・トゥルース
18. SF
19. 教育
20. 意味
21. 瞑想
ここで扱われたテーマのほとんどは『ホモ・デウス』の中でも主要なテーマとして出てきたものである。『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』の長い補足、という位置づけはおそらくは間違いではないと思う。グローバルな視野をもった一級の知識人としての彼の思考をなぞるにも適した本。
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『サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/430922671X
『サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4309226728
『ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4309227368
『ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4309227376
『西洋の自死: 移民・アイデンティティ・イスラム』(ダグラス・マレー)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492444505
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読中メモ。
人類は物語の形でものを考える
3つの物語:ファシズム、共産主義、自由主義
自由主義の崩壊、民族主義の台頭
ITとバイオテクノロジーの革命
雇用の変化
最低所得補償は成功するか
アルゴリズム
感情は計算に基づいている
BCD=Ability to Hack Human
バイオテクノロジー
コンピューティングパワー
データ
センサーのおかげで四六時中病気
自分で考えずにGoogleに頼る
倫理観
デジタル独裁制
誰がデータを制するか
怖いのはAIによる支配ではなく、AIを利用する支配者
コミュニティ
親密な関係が作れるのは150人
生態系の危機
経済的資産は物ではなく、知識や人になったので、従来の戦争はメリットがない。力づくでは奪えない。だから大きな戦争は起こらないはず。しかし人間の愚かさは軽視してはならない。
他者の知識の活用
コミュニティの集団思考
ニュースにはお金を払う
タダのニュースには気をつける
科学文献で確かめる
SFを読む
教育
知識を教えるのは不要
4つのC
Critical thinking
Communication
Collaboration
Creativity
儀式の意味
犠牲の力
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そうそう、この人は歴史学者なんだよな、と改めて気が付かされたりした。内容的にはホモデウスで十分かなと。
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年末年始でじっくりと腰を据えて読んだ。
「今」我々の世界で起こっていることを
21の項目に分けて解説し、疑問と思考の種を投げかける本。
テクノロジーの進歩とそれに伴う
「希望ある未来」への幻滅・警鐘を提示する1部と、
「我々の生きる意味」という深いがゆえに宗教色が濃くなりがちになるテーマにあえて入り込んだ5部が
特に興味深かった。
最終章があのテーマなのは「今、ここ」を確認する、
最も適したツールだからなのだろうか。
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世界で今起きている問題の解説書のような本なのかなという理解。普通に新聞とか読んでるだけだと得られない視点で語ってくれるので、一読の価値ありかも知れない。
ただ、世界の問題って自分に関係あるの?ないの?っていうのが一般人の正直なところ。
以下、気になったところの感想。
Let’s start with the formula for human hacking: b * c * d= ahh or bilogoigcal knowlage * computing power * data = ability to hack humans.
https://www.linkedin.com/pulse/hacking-humans-very-easy-omr19-christiane-schulz
人工ミートの話。段々コストが下がってるらしい。
家畜に取って代わられると、動物愛護の観点と、環境問題に良さそう。個人的には美味しかったらどっちでもいいかも。
核の問題はどの国にも等しく利害関係があるが、環境問題はそうではないということ。いくら、How dare you! って言ってもダメな理由はこれ。
千人が信じるフェイクニュースはウソだが、10億人が信じるフェイクニュースは宗教となる。
ドル紙幣は単なる紙切れだが、みんなが信じているので価値がある。ある意味フェイクニュースと同じ。
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むろん良書。現代のミカタをありとあらゆる角度から。
しかし、可笑しみはもう一つ。出世作の『サピエンス全史』があまりにも特異だったからか、はたまた、作者がもはや権威となりその尖った中庸性は違和感なく世界に受容されてしまうようになったからか。
もちろん、ちんけな一発屋であろうはずはないのだけれど。。。つくづく書とは、受け取り側の教養や時流に左右されるものだなと思わされます。
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私が彼の著作を読むことはもう2度とないだろう。深く失望している。
さあ、シンギュラリティがやって来る!みんな逃げだせ!でも何処へ?
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著者の三作目である。前前作の人類は虚構を信じる能力によって繁栄したという内容と、前作のITとバイオテクノロジーによって人類の種としての構造自体が変革する可能性があるという視点から現代の諸問題について考察している。現代の物質的には歴史上類を見ないほど充足して言うが、どこか世界の歴史が暗い方向へと向かっているのではないかという多くの人が感じていることを論理的に観察し、現実を見せつつも、これからの時代への希望も感じさせてくれた。テクノロジーによって大きく世界が転換しているこの先の世界を生き抜くための必読の一冊。
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人類の過去そして未来を描いてきた著書がいよいよ人類の現在と向き合います。政治的イデオロギー、宗教、文化、ナショナリズムそしてアルゴリズムなど私たちがその枠組みを通して見る世界観の危うさを塾考し真実は何かと探求します。激動の時代にはレジリエンスが重要であり、それは自分自身を知り、世界の真実を知ることとして、最終章を瞑想で締め括ってます。やっぱり時代はマインドフルネスですね。
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21Lessons:21世紀の人類のための21の思考
著作者:ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
本書「21Lessons」ではついに人類の「現在]に焦点をあててテクノロジーや政治を巡る難著からこの世界に於ける真実そして、人生の意味まで我々が直面している21の重要なテーマを取り上げて、正解の見えない今の時代にどのように思考し行動力を全て問う。
タイムライン
https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
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『サピエンス全史』で人類の過去を、『ホモ・デウス』で人類の未来を、そして本作では人類の現在を描きます。
いま、世界や身の回りで何が起きていて、人間はどう行動しているのか、どう考えているのか。
そして私たちはどう生きるか?
示唆に富む部分がいっぱいです。
テクノロジー自体は悪いものではない。もしあなたが、自分の人生に何を望むかを知っていれば、テクノロジーはそれを達成するのを助けてくれる。だが、人生で何をしたいのかわかっていなければ、代わりにテクノロジーがいとも簡単にあなたの目的を決め、あなたの人生を支配することだろう。とくに、テクノロジーが人間をますます正確に理解するようになっているので、あなたはテクノロジーに仕えてもらう代わりに、しだいにテクノロジーに仕えるようになるかもしれない。スマートフォンに目が釘付けになったまま通りを歩き回るゾンビたちを見たことがあるだろう。あなたは彼らがテクノロジーを支配していると思うだろうか? それともテクノロジーが彼らを支配しているのか? ー 345ページ