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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの作品も、クオリティは高いのだろうけれど、自分の好みには合わなかった。
楽しめる人は間違いなくいるんだろう。
他の著作はどんな感じなんだろうか。
芦沢央、イヤミス短編集
2020/10/30 10:50
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投稿者:MILKy - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に小説購入し、久々に読んだ本。皆さん仰るように、イヤミス、なのか。確かにあと味は良くはないのか。基本的に明るく朗らか、では無く。姉のように、確かに。印象的。自分が子ども持って、どこかで踏み外してこんな入口を踏み入ってしまったら…とコワくなる。そして、最後にやっぱ最初の冒頭記事に戻るよね(笑)全話5話とも程よいボリューム感は読みやすかった。今度ブラック企業の話トカないかな。自らの境遇と重ねて読んでみたい。
20191123
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読み終えて半端ない疲労感。最悪の展開の末に予想外の着地点。人の悪意をこれでもかと見せつけたかと思えば、陰惨な描写の後に、暖かな感動が漂う。一筋縄ではいかない短編集です。
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「許されようとは思いません」
カバーの裏にも謎がある。
ミスを隠す為に重ねた嘘から戻れなくなる営業マン、履き違えた愛情が孫との歪みを生んでしまった祖母、悲劇に隠された恐怖に支配された絵画の秘密、姉の犯罪に混乱してしまい、虐待に走る妹、殺人を犯した祖母の納骨にきた青年。誰しもが持ち得る不安や恐怖、焦りに闇が巣食い、負の連鎖にハマっていく。ホラーで落ち着くのではなく、ミステリーに仕上がっていて、どこか他人事には思えない。
表題はどこかで読んだ気がしていたが、やはり読んでいた。読んでいたけど良かった。他編はイヤミステイストであるが、表題は少し違う。何故祖母は殺人を犯したのか?そのミステリーは、祖母の納骨と青年の結婚(家族になること)に繋がっていく。ミステリー感がありながら、最後はどこか良い(ほんわか?)になる。
ミステリーとしては「目撃者はいなかった」が一番王道。一つの嘘をきっかけに泥沼にはまる営業マンの心情がリアル。逃げ道がないと突きつけられるのではなく、一つの嘘を認めれば逃げ道はあると突きつけられる。究極の選択を強いる何者かの存在が恐ろしい。
「ありがとう、ばあば」は、先が少し見えるが、愛情を注ぐ祖母と孫のすれ違いが生むラストは、恐怖の一言。「絵の中の男」は、イヤミスの中でも毛色は違う。壮絶な事件を回想する中で、絵描きの苦悩が濃厚に描かれる。最終的には、殺しよりも絵が描けないと言われる方が恐ろしいのか?と言う普通の価値観では判断できないところまで落ち込んでいく。
残った「姉のように」であるが、個人的には表題に並ぶ印象深い短編である。憧れだった姉が事件を起こしてしまい、彼女のようにならないために、娘への虐待の衝動を抑えようとする。しかし、自分では抑えることは出来ない。夫も当てにならなくなり、周りの目が気になって仕方がない。私を追い詰めたのは被害妄想だけか?と言う妹のメッセージは強烈で、これのついでかのようにラストを読むと、あれ?となる(この点はミステリのひっくり返し)。
賞舞台で短編ながら長編と戦った理由が分かった。恩田陸の書評は、流石だなー。
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どの短編も中々読み応えのあるものであった。
個人的には『姉のように』と表題にもなっている『許されようとは思いません』が好み。
『姉のように』はどんで返しもあり、途中での伏線も違和感なく、どのような結末になるのかドキドキしながら読み進め、結末を知ると納得ができるものであった。
『許されようとは思いません』は小さな村での理不尽さが上手く表現され、何故高齢者である主人公の祖母が殺人に手を染めたのか、表題の意味もしっかり、わかりやすく書かれていた。結末はもう少しどろっとしたものになるかと思ったが、最後の解説にもある通り、ちょっと感動的でもあった。
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初芦沢さんです。「火のないところに煙は」が怖そうなので、こちらを読んでみました。
どれもじんわり、怖いです。騙されたのは「姉のように」。(一番、怖い話でもあります)
全体の感想は連城三紀彦の感じでした。
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短編集。
・目撃者はいなかった
・ありがとう、ばあば
・絵の中の男
・姉のように
・許されようとは思いません
芦沢ワールド。面白かった。
特に『姉のように』が好き。思わず最初のページに戻ってしまった。
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傑作なのは『姉のように』
周りからの目を意識するばかり追いつめられていく。
そこまで気にしなくても、と傍から見れば思うけれども、
自意識過剰に自分自身を孤立させていく。
世間が追いつめたのか本人の気にしすぎなのか定かではないが、負というのは連鎖するものなのだという恐ろしさを感じた。
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5篇の短編だが、全て読み応えがある作品。
人間の心の闇を良い意味で後味の悪さが
のこる様に描いたイヤミス作品。
姉のようには、よく読まないと真実が見えて来なかった。
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短編集。
どれも秀逸だけれど、「姉のように」の息苦しさ、生き苦しさとフィニッシュストロークはもはや滋味さえ感じる。
どの話にも、人生があった。
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読むのがキツい……でも、読まずにはいられない。芦沢央さんの作品には、そんな中毒性がある気がします。
収録作品は全五編。それらの作品に共通するのは息苦しさや閉塞感、そして人の心の闇です。
発注ミスをごまかそうとする営業マンが主人公の「目撃者はいなかった」
ミスを認めたくない、失望されたくない、だから誤魔化す。間違ったことではあるんですけど、気持ちは分かるんですよね……。
そのため、主人公がミスを誤魔化せるか、という点でついつい感情移入してしまいます。
様々なアクシデントがありハラハラしますし、さらにそこから思わぬ展開が待ち受け、読者である自分は主人公と同じように、自分の良心をこれでもか、と揺さぶられます。
この展開を思いついた芦沢さんは、相当意地悪なところのある方かもしれないですね(褒め言葉です)
オチも華麗に決まります!
「姉のように」は姉が犯罪を犯し、さらに育児に悩む主婦が主人公。
作中の閉塞感となると、この作品が圧倒的かも。姉の犯罪で夫とギクシャクし、ママ友との関係も元のようにはいかず、娘は言うことを聞いてくれない。でも、姉の犯罪で生まれた距離のせいで、相談もできない。
まさに四面楚歌な状況に置かれ、主人公は追い込まれていくわけですが、その描写たるや……。本当に読んでいて息苦しくなってきます。
ここまで状況をリアルに描けることもすごいですし、その後の展開もそうならざるを得なかったように思えてきます。
仕掛けについては違和感があるにはあったのですが、そういうことかあ。これも巧いなあ。
表題作「許されようとは思いません」は古い村が舞台の短編。
村特有の掟やルール、それの描き方も見事ですし、人間心理を巧みに描き物事の意味を反転させる技術は、これまたお見事の一言につきます!(さっきから同じようなことばっかり書いてる?)
全体的な作風は米澤穂信さんの『儚い羊たちの祝宴』に似ている気がします。
ただあちらは、語り口もあって邪悪さの中にもどこか優美さがあったような気がしますが、こちらはさらに刺激の強い劇薬といった感じでしょうか。
好き嫌いはあるとは思いますが、はまる人は絶対にはまります!
2017年版このミステリーがすごい! 5位
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初めてのこの作家の本を読んだが、文章がシンプルでとても読みやすかった。
短編集で、全体的に暗い雰囲気が漂う。
大抵の短編集は、この話はイマイチというものがあるが、これは全部面白かった。
特に、「姉のように」が秀逸。
自分も、2、3歳の子どもの壮絶な子育ては経験しているから主人公の追い詰められていく過程が痛いほどよく分かった。完全に感情移入して読み進めていたが…
あーそういう事だったのねのひと言。お見事でした。カンタンに誘導されてしまった。
最後の話。表題作「許されようとは思いません」も、とてもよくできた話だと思った。
自分も田舎育ちであるから、田舎の閉鎖的な雰囲気がよくわかるし、イメージしやすかった。
祖母の切実な願いも、無理なものとは全く思わない。
周りにも勧めたい一冊。
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粒ぞろいの短編集。イヤミスだなぁと思って読んでたら、ラストに収録された表題作→カバー裏掌編に救われる。
掌編は良い作品だから初版限定はもったいないよなー
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短編週。どれも面白かったが、一番最初のお話が印象に残った。営業で1つしか売り上げてないのに11個発注してしまい、それを隠すために隠ぺい工作をしようとする。日常のちょっとしたことでもはらはらどきどきする場面があるよなあ、といろいろ同感でした。
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ミステリーの短編集。
どれも読みやすくて面白かった。怖いな〜って話ばかり。でも実際にありそうっぽい話だからまた怖さが増す。