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投稿者:S - この投稿者のレビュー一覧を見る
「これは自分か?」と思うほど強烈に共感しました。
連載エッセイの筈ですがものすごく物語的に構成されていて、ノンフィクション長篇のような読みごたえがあります。
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投稿者:はらみ79 - この投稿者のレビュー一覧を見る
能町さんが結婚に至るまでの心情が、過去の振り返りながら丁寧に綴られています。
入籍はされてないようですが、敢えて結婚と公言することで能町さんに起こった気持ちの変わり様等、読み応えありました。
LGBTでなくても婚活していたり、結婚を迷っている人にもお勧めです
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投稿者:えりどん - この投稿者のレビュー一覧を見る
章ごとのタイトルが凝ってて美しいです。
能町さんの生き方を、近くで知る事が出来ます。
あまり深く考えていなかった結婚も、そう言われてみればこういう事なんだなと、考えさせられた一冊です。
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読みやすくて、するすると、そうめんを啜るかのように読み終わってしまった。
読む前は特殊な話なのだろうと思っていたが、読んでみると、深く共感し、揺さぶられ、誰もが考えることのある、普遍的な話をしているように思えた。
話の随所に挟まれる、LINEや掲示板のやりとりが余計にリアルに感じさせた。
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能町さんは文章が上手。
結婚についての本はたくさんあるけど、
こちらは万人にお勧めしたい。
好きな人と結婚したい、という婚活中の人も
なんで結婚するのかわからない、という迷える独身者も
ぜひ一読してほしい。
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恋愛や恋、結婚についてここまで分析されたものを初めて読んだし、たしかにそうそう!そういうことか!と思うところも多々あった。
でも特筆すべきは雨宮さんの章。
とにかくスピード感というかアップダウンがすごい。急降下から底を這って這って、再び急上昇する流れは読んでいて息が切れるようだった。読んでいて久しぶりに辛くなった。
こんなにも凄まじい「思い」(あらゆる感情が絡まりすぎて思いとしか言いようがない)が溢れ出すことが起こりえるなんて、と怖くなるのと同時に、私の大事に思う人々よ、どうか突然いなくならないで、長く健康でいてと思わずにはいられない。
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前半は軽いエッセイかと思いきや、後半から終盤までが、かなり重い…
残念ながら私は常識に乗ってる人間のようで、芯までは理解できない。
それでも、結婚というような同居の良さは実感してるし、うんうんわかる、となる部分もあり。
雨宮まみさんの著書と、こだまさんの『おとちん』は既読。
あの重さ、衝撃、この作品と似てるところ、ある。
重さと衝撃でつらくなったので、☆3.5くらい。
また違った時に読んだら評価変わるかも。
追記
数時間経ったら、別の感情が出てきた…
私にも常識に乗れない部分があった。子供に関して。
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人生を変えるような恋愛だの結婚だのは無理だが、ひとりは嫌だ――
ゲイの夫(仮)と「結婚」と称して同居を始め、
恋愛でも友情でもない二人の生活をつくるまでを綴った能町みね子の最新作。
「ウェブ平凡」連載『結婚の追求と私的追究』の単行本化。
するすると一気に読み終えた。
こういう結婚のあり方もいいものだ。
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雨宮まみさんのことが書いてあると聞いて、すぐさま読んだ。よかった。ここにまだ雨宮さんがいると思ったし、もういないんだとも思った。それにしても、憧れる。私も恋愛の絡まない結婚がしたいんです。夫婦になりたいわけじゃなくて、家族がほしい。自分だけの。また読み返そう。
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同僚からめずらしくお勧めされた一冊をすぐさま読んでみた。
第一章で引き込まれてからの能町節がすさまじかった。
能町さんと考えが似ているので、ものすごく共感できた。
「同じ(ではないにしろ似た)考えの人がいる」と
首を縦に振りながら時々ぷっと笑かされ読了してとても満足。
美味しいものをお腹いっぱいに食べた時のような多幸感。
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入籍まではしていないようなので、結婚(仮)でしすね。
とかくに住みにくいこの世ですが、誰かと共生することでうまく物事が回ることもあるのかもしれない。
明日死んでもいいということをつづっていた部分があるが、その感覚はすごくわかる。
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次に予約があるというので、駆け足で読みました。
のっけから海外から帰国して下痢の話で、あらまぁと思いましたが、
久しぶりに「私小説」をちゃんと読んだ気がしました。
本当は毎日いろんな出来事がいろいろ起きているんだけれど、どんどん忘れて何も起きていないかのように錯覚しているのかな。人生ってわからない。著者がラジオ番組に登場しているのを聴いて、著作を手にとりたくなりました。
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「恋愛感情の無いゲイとの結婚」で話題になった著者の“プロジェクト”の一部始終。自分も継続した共同生活を前提とした結婚には恋愛よりも友情に近い関係性の構築が大切と考えているので興味深かった。とはいえそうなると本質は結婚というより同居なのだろうか?色々考えるきっかけを与えてくれる一冊。
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不毛な話をずっと聞かせ聞かされしてきた高校からの友人に、「これを読んで回り回って(わたし)に何か変化があれば面白いなと思って」ともらった。いくつになっても彼氏の一人はおろかそういった話が一切ないわたしを面白がっての贈り物だけど、本をもらったのはうれしかった。
能町みね子のことは久保みねヒャダで1、2回見たことあったかなぐらいで、性転換した人で、なんかやたらおしゃれな人ぐらいのことしか知らなかった。
恋愛に対する意識、「みんな当たり前のように楽しんでるのに自分が楽しめないのはおかしい、というか損してる」とか「周りみんなずるい」みたいな考えはすごく共感するものがあって、読み進めるほどウッ…となった。
共感するというのも図々しいというかおこがましいというか、そもそもこれを共感するために読んでるわけでもないし、でも「あ〜…そう…こういうこと思ってるな〜…」と思わざるを得ない部分が大いにあった。それで「自分と同じ考えの人がちゃんといる!」と勇気付けられるわけではもちろんないし、かといって落ち込むわけでもないし、正直特に感情は揺れずに?読み終えたような気がする。そりゃそうだ。
なんか、特に感想は出てこない。プラスにもならなかったしマイナスにもならなかった、でも途中で読むのが嫌になるわけでも、飽きるわけでもなかったから、こういう本がいいのかもしれない。
強いて言うなら「いいな〜」かも。書いてあったけど、人との生活って本当に劇的にちがうものなんだろうなあ。ひとりじゃできないことができるんだろうな。そんでこのひとが言うんだから、本当にそうなんだろうな。
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結婚とは「家」のためのもので,どちらかというと「個人」の気持ち(=好意)の問題ではありませんでした。端的に言い換えれば,結婚とは「生活」のために行われるもので,「親密性」は二の次でした。ですので,(生活が安定するから)好きでもない人と結婚する,結婚した後に相手を好きになっていく,みたいなことがありました。ここでいう「生活」は『結婚と家族のこれから(筒井淳也)』でいう「食べていく」に相当します。
しかし,徐々に結婚は恋愛が伴うという価値観が普及していきます。「結婚につながる恋愛が正しい」というようなロマンティク・ラブ・イデオロギーから始まり,現代では「恋愛をしている結婚が正しい」というようなロマンティック・マリッジ・イデオロギーに変質していきました(谷本・渡邉, 2016)。要するに,結婚は「生活」のためだけでなく,「親密性」(恋愛という限られた親密性)も必要とされるのが現代の結婚と言えます。
『結婚の奴』で記されるエピソードも,(「生活」+「親密性」のもとで行われる)現代の結婚とほぼ近いです。なぜ「ほぼ」なのかというと,恋愛という限られた「親密性」ではない,人としての「親密性」とでも言えるような,より広い「親密性」のもとで行われているからです。窮屈な現代的結婚(「生活」+「(恋愛という限定的な)親密性」の達成が必要)を,少し自由にするような結婚の在り方が提示されています。
『結婚の奴』では「恋愛」についても触れられています。とにかく誰でもいいから付き合おうと思ってネットで知り合った相手と付き合った話,不倫の話,雨宮まみさんとの別れの話。「恋愛」とは,中身(気持ち)ではなく形式でもあり,自分の中からではなく自分の外からであり,その時にあるものではなく事後的に構成されるものであることが読み取れます。これらは結婚についても同様に言えます。
恋愛や結婚が目的化した現代社会において(その一端が婚活現象でしょう),恋愛や結婚を手段として捉えるための視点を提供してくれる一冊だと思います(能町さんは「恋愛したい」という願望を持ってはいますが)。
個人的には「自分の懊悩,コンプレックス,卑屈さなどを丸出しにして作品に書き記し,優しさと表裏一体となっている情けなさをあらわにする(p.153-154)」著作が得意ではないのですが(能町さんはご自身をこのスタンスの文章に分類されると述べている),本書はそこまで癖がなく読めました。