紙の本
統計分布について数式なしで理解できる
2019/10/26 22:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、大学で学ぶ物理の教科書・専門書を多く執筆している理学博士である。一見、バラバラに見える現象でも、多数のデータを集め、グラフにするとその分布にはある傾向や規則性が浮かび上がる。身長、体重、都道府県市町村の人口、地震の規模別発生頻度、GDP、個人所得等の分布は、正規分布、べき乗分布、対数正規分布の3つの分布に当てはまる。なぜ、世界のほとんどの物事がこの3種類の分布になるかを解説した著書である。数式は別枠のコラムで解説されており、数学嫌いの読者にも抵抗なく読み進めることができるように、配慮されている。新書版にも関わらず、巻末には索引も整理されており、丁寧な本の作りである。ただし、個人所得の格差等の社会現象を扱った内容において、統計分布から判読できる現象の解説は、説得力のあるものであるが、その現象がなぜ生じたかの考察は、少々個人的主観に基づくものが多く、もう少々多面的考察があればと感じた。
紙の本
統計の知識がなくても読める
2020/01/18 19:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うむうむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
複雑系の事象に対数正規分布を当てはめて説明する内容が中心です。後半に行くほど、社会的な事象について持論を述べる割合がどんどん増えていき、あれっ、統計の本じゃなかったっけ?という印象になります。
難しい数式はコラムにまとめられており、飛ばして呼んでも構わないようになっていますので、統計の知識がなくても読めます。
投稿元:
レビューを見る
文系でも分かるように書かれていて有難い。学生の時に出会っていたかった…。
ランキングプロットの有用性がよく分かる。積極的に使っていきたい。
投稿元:
レビューを見る
前半は良いのだが後半は
データも分布も示すわけでなくひたすら持論を述べるのみ。
その持論のところを統計分布で示せばよいと思うのだが持論に都合のよいデータがなかったと思わざるを得ない。
物理の方らしいが、経済学の基本的なところも学んで内容で事実の裏付けのない持論をひたすら。
タイトルと真逆を自分で永遠と述べるとか、、、
投稿元:
レビューを見る
2019/11/10 Amazon より届く。
2021/9/13〜9/16
統計の本を最近何冊か読んでいるが、本書は物理学が専門の先生が、実社会に即して、3種類の統計の活用を説いている。専門分野はえてして、専門家は厳密すぎたり、学問的すぎて分かりづらいケースがあるが、本書は周辺領域の先生ということもあり、分かりやすかった。
投稿元:
レビューを見る
正規分布、対数正規分布、べきじょう分布。
簡単すぎず難しすぎずで、読むことができました。
正規分布は試験の点数と関係あるし。地震の発生確率は小さなものから大きなものへ。これはべきじょう分布で説明できる。世界のGDPは対数正規分布で表せる。
数学や統計式を使う場面が少いけど、分かりやすかったと思います。
投稿元:
レビューを見る
・べき乗分布。スケールフリー。f(x)=Ax^(-a)
・GDPは対数正規分布:複雑系の自然な分布。歴史性が乗算過程的とすると、ばらつきは、対数をとった際に正規分布で示される。ランキングプロットでわかる。
投稿元:
レビューを見る
正規分布、べき乗分布、対数正規分布―世界の出来事はこの3つの分布で表される。その仕組みと特徴、データに潜む真理を明らかにする
投稿元:
レビューを見る
身長やテストの成績は釣り鐘状のグラフとなり、それは正規分布である。しかしながら世の中の事象は必ずしも正規分布にはならず、地震の頻度などは右下がりのべき乗分布となる。また、体重や市町村の人口は、釣り鐘状ではあるが、左側が縮み右側が伸びたカーブとなる対数正規分布となる。複雑系に関する議論は少しわかりにくかった。
投稿元:
レビューを見る
恥ずかしながら、正規分布くらいしか知らなかった。
テストの点数と身長のデータがよく扱われる。
あとはサイコロを振った時の確率?
でも、それ以外の事例ってあまり聞いたことがない。
そもそも、テストの点数の分布さえ、実際には正規分布でないことも多い。
じゃあ、統計値の分布をみることの意味って何?となる。
本書は、私のような統計ビギナーに、新しい世界をのぞき見せてくれる本だと言える。
いろいろな物事がでたらめに積み重なる、これを加算的過程というそうだが、この加算過程によって量の多寡が出る場合、その分布は正規分布となる。
どうしてそうなるかは、中心極限定理とやらで、数学的な証明がなされているそうだ。
ところが、世の中の多くの物事は、複数の要素が関わりあってまとまる複雑系の中にある。
複雑系のなかでも、巨大地震のようなまれな出来事についてはべき乗分布という、右肩下がりの分布になるという。
では、世の中の複雑な事象はべき乗分布になるかというと、そうでもないらしい。
所得の分布が代表的なように、分布グラフの右にプロットされる特異な大金持ちはべき乗分布に近い。
しかし、大多数の人はむしろ正規分布のほうに当てはまる。
こういう両者の間をとるような分布が対数正規分布だという。
複雑系の、よくある事象はこれに近いことが多いらしい。
こういう統計分布の解説からはじまり、本の終わりのほうでは、介護期間やGDP、都市の人口分布の格差の分析に入っていく。
格差論にこういう統計分布に対する知識が備われば、もう少し有効な議論ができるのかなあ?と思う。
とは言え、どう再配分するかの仕組みづくりは大変だろうなあ、とも思う。
投稿元:
レビューを見る
身近に潜む統計分布について一般向けに丁寧に解説した本。とても面白かった。自分ももっと統計分布について勉強してみようという気持ちになった。
投稿元:
レビューを見る
ランキングプロットは、累積個数分布ともいう。頻度分布を累積したものである。
複雑系の共通した特徴は歴史性にあり、歴史性は乗算過程的であると考えれば、それは対数正規分布だと言える。対数正規分布は、標準偏差が平均値に比べて小さいと正規分布に近づき、大きいとべき乗分布に近づく。
投稿元:
レビューを見る
統計分布として基礎的な教科書で必ず取り上げられる正規分布が一番有名だろう。ランダムな効果が足し算的に積みあがる量では中心極限定理により正規分布に従うと考えられる。一方、ランダムな効果が掛け算的に積みあがる場合は対数正規分布に従う。本書では複雑なシステムの基本的な分布は、対数正規分布だとしている。
本書では地震の大きさや高所得者の所得などで見られる冪乗分布は対数正規分布からの「ズレ」として解釈されている。冪乗分布(power law)こそが複雑系の基本原理だと考える研究者のほうが多いのではなかろうか。その点、若干の疑問が残る。
投稿元:
レビューを見る
おもしろい。こういうものの見方があるのか、っていう軽い驚きがある。ツイッタのリツイート数やフォロワー数とかも、よく見るとなにか見えてくるのだろう。
投稿元:
レビューを見る
統計分布の特徴について。基本的なことだが、これらの背景は統計結果から原因などを考察するにあたって意識しておきたいたいところ。