紙の本
序盤の主人公の性格に耐えられれば楽しめる
2021/10/15 12:17
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
王昭君の故事を下敷きにした中華風架空国家の後宮の貴妃が皇帝の命令で草原の遊牧民の王へ輿入れするように命じられ、泣く泣くいけば途中で敵対氏族に攫われ、そこの族長の四男に嫁ぐことになる話。
序盤の主人公は自身の身から出たさびでしかない不幸に嘆くばかりでいまいち好感情を持てないが、状況に流されながらも草原の生活を受け入れようと努力したり、草原で生きるより交易の要であるバズーにいる方が自分の商才が活かせるからと夫を説得したりと中盤から前向きに動きはじめてからは面白かった。
夫となったアマルが第一印象がよくないながら、なんだかんだ彼女を気遣って大事にしてるわ、地味に独占欲を感じるわで魅力的なヒーローだった。
でも彼女が草原で暮らしたくないのを仕方なく受け入れたり、草原生まれ草原育ちな価値観と、弘国生まれ弘国育ちの主人公の価値観が相容れないのを理解して譲歩したり寄り添ったりしていく姿に絆されずにはいられないよねぇ。
そんな我が儘放題な妻なのに、一夫多妻が当たり前な価値観の彼が約束を守って最後まで彼女に一途を貫いて尽くしたの、普通に良い話だったわ。
紙の本
たくましいヒロイン
2020/12/04 17:22
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投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
後宮の最下位にいた妃が遊牧民へと嫁がされることに。しかも、そこで襲撃をうけ・・・と、最初から波乱の展開。過酷な状況でも、自分のできることをしていくヒロインがたくましく、好感がもてます。情景もうかんでくるような描写でした。惜しむらくは、もっとじっくり長編で読みたかったな、と思います。
電子書籍
王昭君を下敷きに
2020/06/11 13:22
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
漢帝国から匈奴に贈られた王昭君の話を下敷きにした作品。史実の王昭君は薄幸の美女という扱いであるが、この作品のヒロインは実に生き生きとしている。
文中に出てくるさまざまな中華料理も実においしそう。
ただ残念な点といえば
・ 北の人と南の人の美人に対する基準の違いを最終章(跋)に入れるのではなく、本文中にちりばめた方がいわゆる国際結婚としての実感がわきそうな気がす。
・ 紅玉の商売の話をもっと書いた方が草原の暮らしとの対比がはっきり出そうな気がする。
同じ西域ものを書いている森薫さんの華麗な絵でコミカライズしたものも読んでみたい。
紙の本
平原の暮らし
2020/02/16 07:36
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投稿者:あゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンゴルの平原風景が目前に広がるようなストーリー 昔の中国の力の巨大さ 周辺国の発展の遅れ 発展途上にある周辺国の生活環境 市場の役割などが、とても興味深く語られてゆく その中に生きた実在の女性の目から見た、中国の非道さ 歴史小説で読む中国世界とは違った視点からの世界観が面白い
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あー、話の流れは好きな方なんだけど、エウラが駄目だった。全くもって共感できないタイプ。個性が強いといえばそうなんだろうけど、食と体型に関してのこだわりというか、こだわりの無さというか、そこが駄目でした。
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んー、賛否両論別れそうな印象。話は面白いですし、よくできているとは思うのですが、主人公にいまいち良い印象が持てないのが原因かな……。食への執念の割に体型について割り切らないところや、アマルに対するけじめのなさなど、もやっとしたまま、或いはイラっとしたまま最後まで進んでしまい、少々残念……。
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結構おもしろかったです^^
食べることが大好きというだけあって、食べ物は美味しそうに描かれてましたし、商才がある主人公のがんばる姿はなかなか読んでて楽しかったです♪
どの国でも女の人の境遇ってわりと厳しくって、そんな立て続けに不幸が?って思う展開もあったけどそれでも強く生き抜くお話はやっぱり読んでて気持ちいいです♪
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よくある後宮成功ものかと思って読んだけど、どっちかというと大河風。主人公がポッチャリ設定で、顔の描写がほとんどなく、感情移入し辛いのが難。最後の締めは良かったけど、こういう話にはもっと甘い部分欲しいかな。
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主人公の紅玉に好感が持てた。
守ってもらうだけのお姫様じゃないのがいい。
夫は草原一の強者で、軍事、統率を得意とし、妻は経済や政治の天才。
イージーモードである。
街や国、弘と草原の文化の違いなど作り込まれている。
挿絵がなかったので、衣装とか、人物のイメージは完全に読者の想像になる。
中華の文化に詳しかったら、服とか街のイメージとかもっと想像できたんだろうか。
本当の史書の漢文っぽいのが出てくるので、作者はかなり漢文とか歴史に詳しいんだろうと思った。
ほどよい冒険と恋愛のバランスが良かった。
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後宮の貴妃であった紅玉。
痩せて、後宮に入ったための反動で過食に(~_~;)
皇帝は痩せた女が好みだったために、遊牧民族に降嫁させられることに……。
だが、その途中で他の民族に襲われて、その部族長の息子と婚姻することになってしまう。
遊牧民族として生きていくことに向いていない彼女。
そして、他の民族から急襲されたことから、彼女は部族と共に生きることを辞めて、バジーと呼ばれる市場で商売を始めるのだが。
面白かったです。美の基準ってその時代や民族によって違うんですよね。
そして、この作者の他の作品も読ませていただかせていますが、差別の問題を上手に絡ませていますね。
そういった意味でもこれからの成長が楽しみな作家さんです。
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中華風架空歴史譚。
北方の遊牧民族に妃として送られたヒロインが掠奪され、年若い青年の妻にされ遊牧民たちの中で生きていく中で自分の価値や生き方を見出していくお話。
或いは唯一の愛を得る話。
いやあ、こう言うお話は好きだなあ。
もちろん創作なのだけど歴史のどこかに実際にあっても良さそうなお話だ。
登場人物もいくつかモデルが思い浮かぶなあ。
それにしてもヒロインが食いしん坊過ぎるだろう^^
そのために後宮で醜女と言われて北方に降嫁させられたり、塞外で月餅を見つけた時の喜び方とかひど過ぎる笑。
ラストの年代気風の記述がまたステキ。
その後のおまけの痴話喧嘩話にもほっこりさせられた。
うん、面白かった。
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中原の後宮の貴妃だった紅玉は草原に住む遊牧民族の盟主に再嫁することになった。だが途中で別の部族に襲撃され囚われてしまう…。
後宮入りの際、月餅を欲するままに食べてしまった紅玉は自分の肖像画を描く絵師へ渡す賄賂が無く、痩身好みの皇帝へアピールする肖像画をありのまま忠実に描かれてしまいました。そのためか、皇帝からの御呼びが一度もかからず、草原の盟主の花嫁候補となってしまったのでした。
盟主へ嫁する旅の途中に襲撃され、襲った部族に捕らわれた紅玉は、エウラという名をもらい族長の四男アマルの妻になるよう言われます。
アマルは紅玉より年下の少年でした。売り言葉に買い言葉でお互い打ち解けられない二人でしたが、徐々に心を通わせるようになります。
「あなたを守る」というアマルの言葉にキュンとしますが、私には紅玉が我を通しすぎのような気がしました。何度か襲撃されたけれど、そんなにひどい目にも合わず恵まれている気がして紅玉に感情移入出来なかったです。
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遊牧民族へ嫁がされることになった貴妃は
後宮一の醜女と呼ばれていた。
甘いものは大事です。
それを後宮で売り飛ばすのは、非常にいい商売。
それができなくなるのも悲しいですし
食べられなくなるのも。
大変な状況になっていても、次の瞬間には
何か食べ物の話になっているので
悲壮感はあるものの、美味しそうでたまりません。
そのうち、大変な状態にはなっているのですが…w
忘れた頃に災害はやってくる、を地で行った話でした。
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太っていると醜いという価値観の国。王の妃として一番不要だったため、遊牧民族の盟主へと嫁ぐ者に選ばれた貴妃。けれど婚姻前に盟主と敵対する部族にさらわれて、その部族の嫁になった。
ただ、草原では役に立てないので商才を生かせるバジー(町?)で財をなす。そしてその財で部族を助けると言う話。
確かに太って醜いとあるが、ただ顔の美醜の表現はないし太っていると言ってもどの程度かは詳しく書かれていない。読む人の価値観によって主人公のことをデブと呼ぶかそうでないか変わりそう。というのがちょっと面白いなと。
ちょうどよいテンポと情報量(冒険や恋愛)でうまく1冊に纏まってて面白かったです。