紙の本
子供の必死な訴えと大人のありかた
2021/01/27 04:21
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
誘拐犯の汚名を着せられ事故死した最愛の父の無実を証明すべく奔走する娘と、それを取り巻く善悪入り乱れた周りからの視線。行方不明の少年を捜し紐解いた先に見えた真実が何とも切なく憤りを感じた。大人が思うより子供は多くの事を感じ考えているという事を知るために教育者の方に是非読んでもらいたい
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内容に惹かれて購入。
突然、父親の死亡ニュースを知らされて、状況は一変。さらに誘拐犯にされて、世間からはバッシングを浴びます。娘は、真相を知るために奔走していきます。様々な家族像が描かれていて、「家族とは?」という文章が、読んでいる間、ずっと脳裏に焼きついていました。
物語は、娘の視点と誘拐される少年の視点の2つの視点で交互に進行していきます。最初の方では、視点が変わることによって、人を視る解釈も全然変わります。
また、次々と提示される事柄には、裏があり、あっそういうことなんだったんだと思ったり、驚いたりとどういう展開になるのか、楽しむことができました。
無実を信じる娘と誘拐される少年、二人とも芯がしっかりとしていて、どんなことが起きても負けない姿勢には、圧倒されました。また、他の登場人物もキャラクターが際立っていて、想像しやすかったです。ただ主要人物、みんな万能すぎない?と思った部分もあり、都合良く解釈されるかなと思いました。
あと、ジャーナリストやマスコミは、嫌味たらしく描かれていて、イラッとしてしまいました。都合よく解釈し、それを世間に提供するあたりは、現実感があり、視聴者としては冷静に判断しなくてはと考えさせられました。
ネットやテレビに映る情報だけが真実とは限りません。ああすれば良かった、こうすれば良かったは、結果論にすぎません。何も関係ない人たちは、何もしないことが大切であると感じました。
気持ちよく明るく終わってくれたので、読後感はとても良かったです。
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森遠謙介・早美夫妻の娘 伊緒(イオ)が謙介の起こした事故に関して真相を追及していく物語だが、事故車には恩田六助(ロク)が同乗していた痕跡があり、死亡した謙介が誘拐したと疑われる.ロクは行方不明.イオは友部日出郎(ヒデロー)の助けで活動するが、事故の関係者 篠山優一の話から次第に事件を解明していく.ロクと佐藤幹泰(ミキヤス)のやり取り、水口参子の登場など多くの人物が絡み合い話が展開する.ロクが父 継夫に虐待されていたことや、イオもロクも複雑な親子関係であったことも物語を深めていると感じた.
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テレビ画面から流れた交通事故の映像、映し出された車は見覚えのある父の物だった。
プロローグから惹きつけられて一気読み。
主人公は、事故で死亡した小学校教諭の謙介を父に持つ森遠伊緒。
教え子の六助の行方不明と重なった事で父には誘拐犯の汚名が着せられる。
父の無実を信じ、真実を求め少年の行方を追う伊緒。
本作でもマスコミやネット民の根拠のない非難に怒りが募った。
平気で嘘を付く者、重大な秘密をいともたやすく口にする者達にもうんざりする。
人間の残酷な側面に嫌気がさすが、人と人との絆を感じ光が見えるラストに胸を撫で下ろした。