電子書籍
歴史の常識を覆す革命的な一書
2020/09/12 20:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
大河ドラマなどでは幕府の人間は勝海舟を除いて因循姑息で頑迷な愚者であり、薩長の若き志士たちが乾坤一擲の革命を起こさなければ、日本はついに欧米列強の植民地になり果てていたに違いないというイメージがまかり通っている。この本はそういった嘘をすべて暴き立て、真実を白日の下にさらした革命的な一冊だ。幕府は積極的な人材登用で開国という難事を成功裏に進めつつあった、それを長州のテロリストが暴虐の限りを尽くして妨害した、坂本龍馬は実は重要なことを何一つ成し遂げていない、奇兵隊はごろつき集団でその規律たるやひどいものだったなどなど、維新のヒーローのほとんどは実は唾棄すべき悪人だったことが明かされる。特に山県有朋と井上馨の両名は維新早々に大疑獄事件を臆面もなく起こして汚職大国ニッポンの源流を作った張本人として教科書に載せねばならないだろう。
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幕末明治維新の印象がひっくり返った本。
明治新政府が清廉潔白でないことは承知の上だったが、まさかここまでとは。
岩倉具視、勝海舟、大久保利通の印象はそのままだったけど、西郷隆盛の印象は180度変わってしまった。
まさに明治維新というのは、倫理観も品格も持ち合わせていない最下層貧民があらゆる卑劣な手段で政権を奪取したクーデターであった。
篤姫の筋の通し方はあっぱれ。
大義は徳川側にあったと断言できる。
しかし、戦に負けてしまったから今日の歴史観が築かれている。
過激派長州人が中心になって明治政府を築いたから、あのような無謀な戦争に突っ込んでいってしまった。
そして、戦後の現在もその体制は続いてる。
政治の中心にいるのは、常に長州薩摩出身の人ばかりである。
教育で明治以降の歴史をやらないのは、現代日本の権力者にとって都合が悪過ぎるということがよく分かった。
なぜ徳川は滅びてしまったのか本当に惜しい。
慶喜を精神分裂病と考察している箇所は、色んな意味で納得。
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2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。
2021年12月29日作成
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なんとなく、私たちが知っている維新と明治期は綺麗すぎるなと感じていました。やはり正当化、脚色されている部分はかなりあるのですね。
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面白かった。明治維新はただの薩長vs幕府の政治闘争であり、革命でもなんでもないと。
さらには洗練されたガバナンスを保っていた江戸から、政治素人が運営する明治政府になり、ボロボロになる。
汚職がはびこり、運営場当たり的。
なんで西南戦争が起きたんだろうとか思っていたが、なるほどつながった。内部がボロボロだったから。
確かに大きな国の単位をマネジメントしたことのない素人が政治に関わることで、国勢が混乱した側面はあるが、一方ドラスティックにプレイヤーを入れ替えたことによるメリットはあったはず。
いつの時代もガラガラポンは重要。
徳川幕府も外交の能力においては薩長を大きく上回ってたと思うが、ガバナンスの観点で言うと、薩長に政治闘争(明治維新)を起こされてる時点でもう賞味期限切れだったんだと思う。
あとは純粋にこれだけ内部がガタガタであったにも関わらず、明治維新が素晴らしかったと印象に残らせた、薩長のPRの俊逸さには素直に感服する。
英雄談を創り出したり、「尊王攘夷」と言うキーワードで大衆を煽動するなど、結構ポイントを押さえたPR戦略をとっている。
「戦争広告代理店」で、日本人はPRがヘタだし戦略がないと言われているが、この時の薩長の立ち回りはPR観点で行くと俊逸以外の何者でもない。
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面白い。
細かいことは別にして開国に文句つけて明治維新したのに開国してるよねってのは普通の感覚で感じること。
ちょっと前の総理も長州か…
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読むに難く、途中で読むのをやめてしまった。
大分感情的な文章で、筆者の思い込みで書かれているところも多いのではないかと疑ってしまう。その割に、書かれている事実は当たり前のことが多いように感じた。
また、根拠資料が2次資料が多く、歴史を語るのに誰かが語った論を根拠に真実であるかのように語るのは歴史の語り方ではないように思えた。
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美談には裏があるって話だが、いろいろな説があって良いのかなっておもう。じゃないと歴史を扱った物語全部同じになっちゃうからね。