最近読んだ中で一番面白かった
2020/08/29 14:40
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投稿者:オフェリア - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近読んだ中で一番面白く、再読したい作品です。
装画に惹かれて購入しました。
最後の解釈は分かれるでしょうが、自分は愛があったと思いたいです。
僕の彼女は150人以上殺した犯人だった
2020/06/03 10:43
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投稿者:みるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
転校してきた学校で、圧倒的な美少女に助けてもらった宮嶺は、彼女のヒーローになると誓う。彼女のやっていることに気づくものの意味がある行動と思い、ずっと側で見守ってきた宮嶺。読み手も強烈な印象を持つ彼女に惹き込まれていきます。もう一度読み返したくなる作品でした。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
斜線堂さんの本は「キネマ探偵」以外、
面白いんだ「けど」と
なにか引っ掛かりながら読んでいた。
なにが引っ掛かっていたのかが今回分かった。
“異常”な話なのに、登場人物が皆、凡、であること。
今回ならゲームは実在のモデルがあって、
それを創作するような人物は……という掘り下げになっているけれど、
その人物を利用するようなところまではいかない。
狂言回しは飽くまで一般論的な反応しかしない。
有体にいうと「ぶっとぶなら完全にぶっとんでほしい」
本文の感想書かないほうがネタバレになった。
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やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。
その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?
斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!
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最高だった。
身代わりとして宮嶺を側に置いていたのがミスリードなのかなと思う。
本当に宮嶺を身代わりにする気があったのならば、最初の事件のように例のサイトの管理を宮嶺にやらせることも、景なら簡単にできたのだろうから。
景が何故一連の事件を実行したのか、その理由を考えていたけれど、多分タイトルの「恋に至る病」が全てなのかなと思った。
景は無意識に人を支配して心酔させることのできる特別な女の子で、好きになった人は自分に自信のない気弱な男の子だった。
罪悪感を植えつけて好きな気持ちを伝えても、男の子には「つり合わない」と首を振られてしまう。かといって自分の無意識の人々への支配を止めることはできない。
どうすれば良いのか。
その答えが一連の自殺ゲームのスタートだったんじゃないかな。
自分の特性の善性を出していると好きな人は離れてしまう、だから自分の特性を利用して「危うい弱さ」「世間的な罪」を利用して宮嶺をヒーローに仕立てあげて一緒にいないといけない関係を作ったのかな。ヒーローは悪を放っておくことはできないのだから。だからこそあの光景を見せたのが本気で好きな証だったのかもしれない。
あなたと一緒にいるためにはこんな残酷なことを自分はできる、という証明として。
実際には軽蔑される可能性もあったけど、そこは賭けだったのかな。
ゲームを進めることで2人は特別な秘密を共有し、宮嶺は実際に景をずっと気にしている。
あの全ての事件はある意味宮嶺がマスターで、景は宮嶺と一緒にいるために全てを演出していた演出家だったと思う。宮嶺はそんなことは望んでいなかったけれども。
だから最後の最後で、景の自分に対する恋心をしっかりと受け止めて、宮嶺も景が「自分のために」この一連の事件を起こしたことを悟って罪を引き受けたのかな。
「恋に至る病」、恋を全うするために様々な人間の命を犠牲にした景と、景に恋していたのに最後の最後で景の気持ちを信じることができ自己犠牲とい形で景に自分を捧げた宮嶺と、景を敬愛して命を落とした人たち。タイトルが全てを内包するように感じた。
2回目読んだらまた違った感想なんだろうな。すごい小説だった。
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一度読み終えて、いろんな思いと疑問が生まれてから
二度目を読み返すと戦慄が走る作品。
ある意味エピローグ後が、読者にとっては最大の山場だと思います。
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君が地獄に堕ちても、僕は君が好きだ。
やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる
自殺教唆ゲーム『青い蝶』。
その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
善良だったはずの彼女がいかにして化け物へと姿を変えたのかー幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた"最初の殺人"を回想し始める。
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられなかった彼が辿り着く地獄とは?
斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!
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今回の作品も、やっぱり好きだった笑笑
人によって意見がわかれるとは思うけれど、
バットエンドとも、ハッピーエンドとも捉えられる。
ひとつの消しゴムから始まった連続殺人。
でも、生きることだけが幸せとは言えない。
名前が書かれていることは、彼だけしか知らないのだから。
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人によって読み方大きく違いそうだけど、この話の受け取り方の違いは埋められない倫理観の違いが浮き彫りになるからあんまり身近な人とこれの話するのは危険だな。でも結末どう解釈する?って話し合いたくなるリドルストーリー。私は恋だったと思う。
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この小説の秀逸な点は、微妙な終わり方にある。客観的に見れば明らかにバッドエンドだが、当の主人公自身は救われていて、ハッピーエンド。その2つの間の乖離こそが読者により考えさせることを促すのだろう。斜線堂さんは「死」をテーマにした話を書くのが上手だが、今回の小説はその中でも特別。倫理観というものを改めて見直すことが必要だ。結局、景の思惑は何だったのか。実のところ、この物語の登場人物は、誰もうまく生きれなかったのではないだろうか。
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この方の作品はそもそも文体が好きだ。スラスラと読み易く、描写が綺麗で淀みがない。登場するキャラクターたちは皆特徴があってとても"日常じみている"とは言えないが、彼の描く人間像には惹かれるものがある。
嫌悪も一種の愛だと認識してそうだと思う。
作品のキーとなる『自殺ゲーム』だが、少し前に流行った俗物じみたものとは違う、一風変わっているような印象を受けた。
そもそもこのゲームの目的は誰かを弄び辱め追い詰める暗い欲望を満たすためのものではなく、一様に自殺を"救済"と捉え、参加者たちを死へと導くものだ。
死を救済と捉える点では共感できたし、個人的に自殺はその人の持つ権利だと思っているので、違和感なく読み進められた。
だからこそ私は景のことが好きだったし、彼女に陶酔している宮嶺には好感が持てた。生まれた瞬間にカリスマの人間は存在する。
ミステリーでもあり、倫理学心理学哲学的な面も持ち合わせた作品でとても面白く読めた。読者に敢えて解釈の余地を与えてくれる作品で、その全てが不正解であり正解なのだと思う。
ただただ二人の恋模様を描いた物語だった。
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ラスト四行の衝撃……? とは??
ヒロインが主人公の苛めの首謀者であったかもしれないと思えそう、ってことかな。でも、それは全く意外でも何でもなかったけどなぁ。読んでたらそれっぽいし。最後まで何がしたいのかぜんっぜんわからなかったけど。
まあ、前半の胸糞悪い苛め描写の時点で投げ捨てなかっただけ私の気も長くなった。
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先に同じ事件をテーマにした、逸木裕さんの銀色の国を読んでしまっていたので面白さが半減してしまった…もうちょい間をあけて読めば良かったなぁ
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新刊の内容紹介コメントを書くためだけに読み、読了後の印象は星3つでした。目をつぶれない荒さも所々……。
しかし、複数の中学生の感想を聞いていると、自分の読み解きとは全く違う考察が次々と出てくる。しかも、そのそれぞれの考察もまた、かなり印象が異なる。
そこではじめて、もしかして興味深い作品なのかもしれないと感じはじめて星ひとつプラス。
ウェブ上でもけっこう考察している人たちがいますが、やはり結論が綺麗に分散している気がします。
考察民が生まれる作品って、王道の結論(作品上の布石をノーマルに回収すると普通はこうなる、みたいな説)が生まれがちで、ちらほら「いやいや、そこまで穿った見方はちょっと…」とか「おい、私情と夢想が入りすぎだろ」っていう異端が散在する程度だと思うんです。
でも、この作品は王道がない…いや、王道の占める率が低い。もちろんツッコミどころ満載の異端もちらほら存在していますが、どの説もある程度「ほぅ…」ってなってしまう。
単純に明確なヒントが少ないっていうこともあるんですが、ある程度自分の説を説ける程度の濃度は残してくれているというか
……。その辺のさじ加減って難しいですからね。
ちなみに私は、あとがきの2者択一では後者を推します。ただ「愛」ではなく「興味」「固執」「執着」。
景を指し示し取り囲む、「愛」「恋」「尊敬」「崇拝」「敬慕」といった無数の矢印があって、彼はあくまでその中のひとつを握りしめているにすぎないのかと。
そして景からの矢印は唯一彼を指したから、彼はこの物語の語り手になれた。
でも、一般的に恋人となり得るのは、重さは違えどその矢印はある程度似た成分で構成されている必要がある。
彼女が携えているその矢印を構成する要素は、世間ではサイコパスと呼ばれるような種類の人にしかわからない成分で構成されていて、いじめの静かな煽動やスケープゴートの御膳立てもそこから派生するものなのだと考察します。
だとしても「特別」であったことは間違いないのではないでしょうか。
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『バビロン』の曲世を思い出しながら読んだが、こちらも相当の悪女だった。始まりはどこからなんだろう。恋に至る病って抜群のタイトルだ。冷静な大人によってひっくり返されるのも見事。面白かった!
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完成度はむちゃくちゃ高いけれど、自分の好きなタイプのストーリーではない。でもハマる人はめちゃくちゃハマるだろう。自分も目当てのものを探しながら読んでいるうちに結局2週してしまった。
今まであまりなかったタイプの、ミステリー要素が強いのに回答も明示されなければ解釈も読者任せの小説だと思う。
ところで自分の好きな結城充考という作家がいるんだけど、作者名の類似といい、女性警官の名前といい、以前電撃で書いていたことといい、何か繋がるものがあるのではと疑ってしまった。