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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで競馬には興味も関心も持ったことがありませんでした。それが、職場の上司が馬好きということもあり、なんとなくこの本を読んでみました。展開の早さがおもしろさだと思いました。
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主人公は税理士である人が父親の死を持って転職したのがなんと秘書。 山王ファミリーの人材派遣会社の社長で馬主。そこから始まったロイヤルとつく馬とその家族2代にわたる話であるが、まあ、主人公の恋愛も長きにわたり、その馬も子供のGIレース優勝までの道のりの物語で、宿敵も出てくるわ、外国馬もあるわで結構盛り沢山。ちょっと長きしもあらずだが、まあまあ話としてはほのぼのまでしてハッピーエンドでよかった。ただキレはない。
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小説新潮に連載され書籍化が待たれた一冊。ブラッドスポーツである競馬の世界を背景に、家族・血族の物語が織りなされていく。戯画的で読みやすく、読むそばから配役を考えたくなる面白さ。競馬にまつわる知識も身につくし読後感がとてもさわやか。
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いやぁ、馬が走る姿って本当に美しいよね。なんていうか、一つの完成形というか、ある意味神々しいというか。
競馬っていうと「ギャンブル」とか「おじさんの趣味」とか思いがちなんだけど、いや、まぁたしかにそうなんだけど、それでもそれと別物としてとにかく馬の走る姿は美しい。
競馬は動物虐待じゃないか、という話もあるけれど、多分、馬は走るのが好きなんだと思う。そこに「勝ち負け」という意味はないとしても。
けれどそこに大きな意味を持たせてしまうのが人間、とくに馬を所有する馬主(ばぬしじゃなくうまぬしと呼ぶらしい)たち。
眼が飛び出るほどのお金を払って馬を買い、世話をし、そして走らせる。
費やした分、回収しなきゃならないからそりゃぁ必死にもなるでしょう。けど必死になってしまうようじゃ、馬主としてダメなんだろうな。
馬主として必要なモノ。資産、年収、あとは、馬を見る眼?スタッフを集める人望?
そういうもろもろを全く持たずして一代限りの馬主となった大学生耕一と、ひょんなことから馬主のマネージャーとして働くことになったクリス(栗須)の物語。
シングルマザーとの暮らしから一気に華々しい世界へと放り込まれた耕一のとまどいと変化と進化。そりゃそうなるよね、という流れの中でずっと変わらずに自分を支え続けてくれたクリスの存在、大きいよね、これは。どんなことがあっても裏切らない男。絶えずそばにいて支えてくれる男。
婚外子として成長し、場違いにもほどがある世界に引っ張り込まれた中で、多少の寄り道はあれど道を誤らず生きていけたのはひとえにクリスがいてくれたからこそ。
やはり人が生きていく中で一番大切なのは「ヒトとの縁」ってことなんだな。
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競馬小説。
海外の作家が書いた競馬小説は読んだことがあるが、日本の作家が書いたものを読むのはこれが初めて。
親子二代にわたって活躍する競走馬と馬主。
種牡馬は何頭もの子供を産むので、それらも複雑に二組の二世馬主に操られる。
日本を代表するような馬を手に入れて、思い入れにある競馬場で最高のレースに向かい合う。
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競馬愛に満ちた作品。読む前に筆者がゲストの「競馬場の達人」を見ていたので尚更そう感じた。オーナーは金子真人と近藤利一がモデルか。ジョッキーは川田あたりかな。
あまりにも競馬が好きすぎて文章が先走ってしまっている感じで余裕がないのが今一つか。サラッと最後にロイヤルファミリーが凱旋門賞勝ってたりしますが。この雰囲気の古馬が勝てるレースではないな。まあ私も競馬好きなので何やかやいいながら面白かったですけどね。
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タイトルと装丁からイメージしてた物語とは全く違うものだったけど、めちゃくちゃ面白かった!何度胸が熱くなったことか…我慢出来ずに一気読み。
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500ページ、夢中になって読みました。人は何かを背負い、継承し、その思いは続き、語り継がれてゆくのだとしたら、その営みはまんざらでもありません。サラブレッドはそのアイコンであり、競馬はこれからも営々と続いていくのだと思う。いや、、、これは参った。。
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栗須栄治は、ひょんなことから人材派遣業を経営しつつ競馬の馬主をする山王のマネージャーになる。競馬という未知の世界。馬主、ジョッキー、調教師、魑魅魍魎たち。山王の愛人の子が登場し、また栗須の昔の恋人は北海道で馬を育てている。山王と栗須はG1を制覇出来るのか・・・
競馬には興味がないのにもかかわらず、「シービスケット」や「優駿」には痺れた。本作も、競馬を特に馬主から見た素晴らしいドラマにしてくれた。
何かに本当に、全身全霊費やす者の物語はやっぱり読ませる。
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P.257
「…ギャンブルとしてじゃなくて、趣味として折り合えるようになったら、競馬は本当におもしろい。ミステリー小説好きなんかには絶対にハマる要素があると思う」
その通りです!ずっとそう思ってました。
わたしは血統表や馬柱、競走成績でごはんが食べられる人間なので、最後の1ページを読み込んで行くほどに涙が止まらなくなった。
これは新しい。というかこのファイナルストロークは競馬小説でしか使えないんだけど、やられた。
グリーンチャンネルの「競馬場の達人」に作者が出た回を見ていたので、この本が出るのを楽しみにしていたが、競馬好きには刺さる場面が頻出で、その都度泣いてしまった。
競走馬、特に牡馬は素晴らしい成績を残し、種牡馬となることが幸せな余生を過ごすことに繋がるというオーナーの哲学が語られるが、ディープインパクトやキングカメハメハはもっと幸せになってよかったのではないか…などと考えるとまた泣けてくる。
近藤利一氏っぽいオーナーが出て来るが、先日の香港でのアドマイヤマーズの調教師の涙が重なるし。
競馬はずっと続いていくところに素晴らしさがあることを描いているのだが、競馬に興味のない人にも伝わるといいな。
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読み応えあり
ちょっと変わった丁寧な語り口で訥々と語られるのが心地良い。月ごとに章立てが進みながら年月は進んでいくのもテンポがあって良かった。
ただちょっと長かったか、後半は別の本でも良かった。
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事前の触れ込みを全くなしで読んでたもので、競馬会の裏側とか黒幕とか、そんな穿った見方で読み進めていて途中で気付いた。これってもしかして普通の良作?と(笑)競馬物の小説ってレースの展開とかどうしても説明中心になりがちだけど、この作品は一番内側にいる部外者の視点として風景や心情を文章にしており、競馬好きの僕にはすっと入ってきた。競馬を知らない人にとっては?それは知らん奴が悪いとゆうことで(笑)勝てそうで勝てない、マキバオー的な結果に人は惹きつけられる。勝利をその後の話として物語の外においたのも個人的に大好き。
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男手一つで育ててくれた父の背中を見て育った29歳の栗須栄治は、父と同じ税理士となり、いつか一緒に働きたいと思いながら夢果たせぬまま父を亡くし、仕事への意欲を失っていた。後悔の念を抱き続けるクリスの前に現れたのは、癖のあるワンマン社長で馬主の山王耕造だった。彼の専属マネージャーとなったクリスは、その日から想像もできない光と影の世界へと飲み込まれていく・・・
競走馬の馬主であることの矜持、血の継承、牧場経営の苦悩、厩舎の努力、ジョッキーの才能と栄光、そして、耕造にどこか亡き父を重ねていたクリスの思い・・・
クリスの語り口調で進行するソフトな印象の物語は、競走馬に寄せる多くの人々の熱い想いを巻き込んで読み応えある大河小説となる。
前半は耕造とクリス、そして耕造がもっとも大事にしていた馬「ロイヤルホープ」の物語として、後半は耕造の外腹の息子・耕一とクリス、そして「ロイヤルホープ」を父に持つ「ロイヤルファミリー」の物語として描かれる。
前半の終わりから後半にかけてはもう涙ぼろぼろ。放漫でがさつと見えた耕造の不器用な生き方、父と子の思い、馬への優しいまなざしに胸を熱くした。
正直言うと、そこで物語の山が来たからか、後半はなくてもよかったかな・・・と思わなくもないが、クリスの物語としては、後半があってこそ完結なのかな~とも思う。
そして、ラストでの耕一の決断が文中では示されず、最終頁として添えられた「ロイヤルファミリー戦績リスト」でわかるという仕掛けがなかなか粋でした。
競馬の世界を知らなくても、知っていればなおさら楽しめる、読後も爽やかな人間ドラマでした。
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王宮の話かと思いきや馬主一家の物語。
馬主であった父が子供に夢をたくし、子供は父を超えたいと願う。
そんな一家を見守り続けるマネジャーもまた一家族なのかもしれない。そして馬も騎手も家族。
競馬を全く分からないのが読んでいてちょっと残念だった。
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競馬好きが本作を読んで感動するのは必定だが、競馬に関心のない人、もっといえば忌み嫌っている人にも読んで欲しい作品。ギャンブルとは違う側面の競馬があることを、そしてそれは連綿と受け継がれる巨大な人生であることを、ひとりでも多くの人に知ってもらいたい。