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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
努力信仰と斉一主義の国日本は達成よりも親和を大切にする文化であるため、効力感の欠如や獲得された無力感が生じ易い。意味のある熟達の機会を得、自尊心をもって生きていくことを考えるきっかけを与える書。
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世界に蔓延る無気力の正体に迫った本。
無気力は無力感だけでなく、自己効力感の欠如からも生まれるということをエビデンスとともにわかりやすく示してくれている。非常に納得のいく一冊だった。
自己効力感の欠如は外発的動機づけ、自己選択、熟達、フィードバック/評価などさまざまな側面から説明がなされ、
自己効力感の脆さと複雑さを知ることができた。
社会や教育変革については書かれているが、自己変革については触れられておらず、なかなか自分一人で解決の難しい根深い問題なのだろう。
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自分のモチベーションの分析のために読んだ。
なぜやる気が低下するか、客観的に見やすくなったし、仕事の参考にもなる。
情報源はアメリカの研究がメインのようだ。
以下内容メモ。
・自分で回避できない苦痛を味わった経験があると、後にまた苦痛を受けた時に、自ら回避しようとしなくなる。
・失敗の原因の認識の仕方は、以下の3次元に分けられる。
① 原因は自分の外部か内部か
② 内部の場合、安定した理由か(能力等)、変動しうる理由か(努力や気分)
③ コントロール可能なものか(努力等)、コントロールしにくいものか(気分)
・選択肢があり、課題が有意義なものだと自律性を感じやすい。
・自己有用感が大切。仲間と取り組むことで、自分は人の役に立てる、という自己有用感が生まれる。さらに、本人が自己向上を実感できること、その向上が本人にとって価値があることが鍵。
・学校で工夫できることとしては、生徒の貢献度が上がる工夫をすること(討議等)、グループ対抗での競争、レベル別の課題を用意すること、がある。
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無力感に陥らず、「効力感」つまり自信をもって生き生きと環境に働きかける態度を獲得するためには。心理学の実験結果をもとに解説。
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無気力はなぜ起きるのか?
効力感はどうしたら生じるのか?
様々な実証実験で人間心理を探る。
自分ではどうしようもないと感じると無気力
報酬で取り組むと報酬がなくなると無気力
赤ん坊が泣いても親が何もしないと無気力
努力で変わる、努力で成果が出る効力感
人間関係で認められる、貢献すると効力感
感想
犬に電流を与えた時に、
あきらめてジッとしてしまう犬と、
避ける方法を探し続けて答えを見つける犬がいる
パズルを解く大学生に、
報酬を与えて途中で辞めるとやる気をなくし、
初めから報酬のないチームはやる気が継続する。
という実験は興味深い。
無心にたのしみながら努力を続けられる人が
熟達すると思うし、実験もそれを表している。
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我々が無気力になるメカニズムが明快に示されている。ちょうど無気力にならざるを得ない時期に読んだので、自分がなぜこのような状況に陥ってしまったのか整理できた。
とはいえ、40年前の著作であるため、日米の国民性の比較など、今となっては通用しないような概念も援用されている。本筋にそこまで関わらないので、問題はないと思うが。
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会社の研修部門に在籍していた頃の参考書。
心理学的な分析で無気力となる原因を解説。研修業務への活用を考えていたが、むしろ自分自身が仕事のやりがいを感じられない時の参考になった。
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名著!久しぶりの再読。自分の授業のの元ネタはここか!と認識。さまざまな概念と関連付けることが可能な内容で,テキストにしようかと思うくらい。研究テーマも結局ここに戻ってきている。
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子供から大人、リタイア世代まで、自分の人生をしっかりと生きるにはどうしたらいいのかを研究を元に考察した一冊。親が子供に、会社が社員に、社会が個人に、そして自分が自分に、生きがいを持たせるには何が必要なのか。文化の差異も踏まえながら提案をしている。解はひとつに定まらないし、万人向けのやり方もないが、それでも無気力にならないで踏みとどまるヒントは得られたように思う。
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主に子どもの無気力と、アメリカと日本の社会性の違いによる無気力の原因を考察したもの。
特に人との和を気にする日本と、競争による自分の能力値を気にするアメリカの対比が印象的だった。
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無気力にならないようにするには、①無力感を獲得しないようにし、②効力感を得られるようにすればいい。効力感を得る条件は、a.自律性の感覚(自分の活動が好ましい変化を生じさせたという感覚)、b.他者との暖かいやりとり、c.熟達による自己向上の実感・内的評価である。
以上のような大筋のもと、各章では心理学的実験の結果から無力感、効力感等の条件が洗われます。しかし、本全体も各章も短めなので専門的になりすぎず、サクサク読める新書らしい新書といえます。
1981年初版の本なので、その後のゆとり教育に繋がるような考え方が推されており、歴史的に見ても面白いです。とはいえ、能力・努力・やりがいのようなテーマは、40年程度ではひっくり返らないので、素直に多くを学べます。
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この本を読む前に、
なぜ「やる気」は長続きしないのか。デイヴィッド・デステノ (著)
を読んだの強く思うのだが、上記の本の内容を要点を抜き取ってさらに日本人の場合に当てはめて検討している用に感じた。特に最終章は色々考えさせられる。難しいね
当たり前だけど、日本人とアメリカ人同じ人だけど生き方が全然違うんだな。と。
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無気力の原因が分からなくてモヤモヤしている人間には救いの一冊だと思います。
私自身無気力に悩まされていた経験がありましたが、この本を読んで無気力の要因と自身の生育環境を照らし合わせてはっと気付かされたものがたくさんありました。
無気力な自分と向き合いたいけど、無気力でどうにもならない。
そんな人にはマストな一冊です。
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本人が価値をおく課題での克服できない失敗の連続、人間らしい生き方が繰り返し脅かされ、その状況を改めることができないときに無力感に陥ると考えられる。ただしすべての人が無力感に陥るわけではなく効力感が命綱となって防ぐ。効力感は報酬ではあがらず(予期せぬ報酬(ご褒美)ではあがる)、特に日本は熟達するまでの努力、それが生きがいへとつながる。ただし細部まで管理する社会であり効力感を持てないという。古い出版本だからという点もあるかも。
336冊目読了。
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「人はいかに学ぶか」を読んだ時に、この本のことを知り手に取った。
内的動機づけが理想、自己効力感(役立っている感)、本心でやりたいと思えているかどうか。
無気力にならないために、主体的にやる気を持って活動するために、この3点がポイントだと感じた。また、やりがいと効率に関する話題が印象的であった。管理者としては効率重視、労働者としてはやりがい重視…。ただ長期的な目で見ると、やりがいを大切にした方が良い集団になると思う。あえて効率の良いベルトコンベア式の仕事にせず、全員が一連の組み立て作業に携わることを通して、「自分たちの仕事がこんなことに役立っているんだ」という実感を持つ。この経験こそが自己効力感を生み出すのだと感じた。
現在、仕事に対して無(気)力感を感じている自分にとって、読んで良かったと思える内容であった。早く広報誌にまとめたい。