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投稿者:こっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通りヤクルト論だと思い読み始めたものの、ヤクルトの登場は若松の打率(?)程。だけど、ノムさんの野球観を知ることが出来て、ヤクルトファンのみならず、野球ファンも、はたまた野球とは無縁の読者も楽しめる一冊だと思います。若干自分に都合の良い書き方をされているものと思われる箇所があったけど(古田のスカウトの件とか。)、それもまた人間らしくて、ノムさんに対する敬意は揺らぐものではありませんでした。世間ではデータ野球のイメージが強い様子ですが、情を大切にされる方だったことが本書で分かる、そんな一冊です。
名将が残したもの
2020/05/27 21:38
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
万年Bクラスのチームを率いて、3度の日本一に輝いた指揮官の言葉には学ぶものが多いです。野村監督の教え子たちが、今のプロ野球を支えていることも感慨深いですね。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
野村克也さんのヤクルトスワローズ監督時代のいろいろな事柄が、興味深く書かれていて、よかったです。野球の分野だけでなく、役立ちそうです。
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著作がかなり多いため、これまでの本とかぶる部分はどうしてもありますが、亡くなられる少し前のインタビューが載っているということがひとつの価値かと思います。
野村さんの期待する古田敦也さんと宮本慎也さんが監督として指揮を執る日が楽しみです。
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野村克也は一流選手がおしなべて持つ『感性・感覚という暗黙知』を言葉と理論で因数分解し、体系化し文書にしたためた。さらにそれを元にミーティング。知識の共有化を図り、実戦に臨む。いつしか文書は『野村ノート』と呼ばれ、実戦通じて得た新たな情報が加筆された。『弱者の戦法』の磨きに余念がなかったことの現れ。
監督通算成績 1,566勝1,564敗 76分 勝率500。
リーグ優勝4回(南海1・ヤクルト3)・日本一3回。それ以上に偉大なのは、『人』を作ったことである。後藤新平が遺した言葉に『財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上』があるが、それをそのまま地でいくように池山・稲葉ら教え子の多くは指導者となり、『理をもって戦う』指針と精神は連綿と受け継がれている。
この『理をもって戦う』ことを具現化したのが、
ID(ImportantData)野球。選手の経験や勘に任せた結果オーライ野球に見る不確実性を廃し、配球や攻撃の傾向を蓄積したデータを駆使し、状況に即した最適な戦術を用いた。古田に対し、常に「配球の根拠」を求めたのはその証左。
野村克也に、考える野球〈シンキングベースボール〉を伝授したのが南海時代の盟友であるドン・ブレイザー。彼の考案を下敷きに戦術の引き出しを増やしていった。
さて、この『弱者の戦法』。弱小球団を率いたゆえに編み出した戦法ではない。その萌芽は自身の駆け出し時代に遡る。ブルペン捕手として採用されたものの、数年でお払い箱になる危機感から自軍の戦力・レギュラー捕手の力量を分析。何を磨けばレギュラーになれるかを見極め、目的をもった練習に励んだ。当時の正捕手は守るだけ。そこで打棒に磨きをかけた。苦手なカーブを克服するために、稲尾を打ち崩すために8mm撮影をし、癖を見抜く。また弱肩を逆手に取り、福本の足封じのために投手にクイックモーションをマスターさせた…。
本書は指揮官として、最も脂が乗っていたヤクルト時代の戦略・戦術・起用法・育成法…を詳述。
ただその内容は、野村本に頻繁に見られる自著からの使い回しエピソードを引用。本作も例に漏れず多く(苦笑)。
強いてあげれば、前年までヤクルトのヘッドコーチを勤めた宮本慎也との対談は興味深いものがあった。歯に衣着せぬ男 宮本が若手指導をめぐっての世代間格差を痛感し嘆息。金本が阪神監督時代、笛吹けど踊らない若手に対する憤懣と同床…と見る。
野村克也と落合博満。このふたりは野球エリートでない。自助努力でのしあがってきた叩き上げ。ゆえに体育会特有のしごきや精神論に頼る指導を嫌う。野村克也は鶴岡一人の精神野球に、落合博満は星野仙一の鉄拳制裁に…に背を向け、的確かつ具体的な言葉を用いて指導する。あくまでも『理をもって戦う』姿勢を貫いた。
まもなく開幕するプロ野球。コロナ禍により120試合。オールスターなし、交流戦なし、CSなしのガチンコペナントレース。異例中の異例の公式戦だけに、はたして言論人 野村克也ならどのような戦局観を描くだろうか…傾聴したかったな。
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40年以上ヤクルトファンを続けているが、広岡と野村が監督をしていた時代が懐かしい。どちらも弱小球団を優勝に導いたが、その後に多くの指導者を送り出した野村の方が上なのかと思う。
組織はリーダーの力量以上には伸びない、名言だと思う。