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第二部が書けなかった理由に納得。本だからという「傍観者」視点を持った読者に、傍観者であることの恥ずかしさをダイレクトに説くという、真っ向勝負。本の中でも本の外でも主張がすごい作品でした。
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日本という島が沈む時、「日本」は消え去ってしまうのか。この作品を通して、歴史や文化という側面から改めて日本を見つめ直したと思う。
私はこの作品は地震という自然災害をテーマにした科学ドラマのように思えるが、この作品が描くのは、日本人の内面に焦点を当てた、文化的要素が強いと思う。
科学的根拠に基づいて描き出される地震のリアリティはもちろん圧倒されるが、それ以上に主人公を含めた様々日本人の心が生み出す描写に、自分自身の心境を重ねてみたくなる。
・もし、日本が沈むとしたら、あなたはどうしますか?
作品を通して、骨格にあるのは、この問いかけなのではないか、と私は思う。
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言葉を失う展開
悲しみと絶望が錯綜する中、それでも日本人としての誇りを持って生き延びようとする者、沈みゆく大地と心中する者、様々な人間模様が垣間見れる
それらは全て「日本人」であるからこその行動である
アイデンティティの本質を考えさせられる気がした
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本作品が出版されてちょうど50年とのこと。完全なるフィクション、とあるが、そうとは思えない読後感です。
相当科学は進歩したんでしょう。でも「日本沈没」が起こらないなんて言えない。
自分が突然難民になったら、なんて想像をしたことがない。そんな必要もなかった。ホント自分のいるところは平和なんだ。
著者の息子さんによる「文庫版にあたって」に、執筆動機は「戦争」だったと。「日本」を愛しているがゆえ、叱咤を込めて、日本人とは何か、日本とは何かを考え直したと。
天災も怖いが、人災も怖い。
長らく執筆をためらわれた『第二部』をしばらくしたら読んでみよう。
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当たり前のようにある大地が無くなってしまうという現実がきた時、自分だったらどうするか。
準備する間もなく選択を迫られる日がいきなりやってくる。考えただけでも恐ろしい。
けれど沈没しないにしても地震や災害で住む場所が無くなったり、戦争などで、故郷が無くなり移民する人達など、今同じ時代にたくさんいる。
50年前の本だけど今読めて良かった。
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地殻変動により日本列島で地震や火山の噴火が相次ぎ、最後には海面下に沈没してしまうというシナリオに突き進んでいく。
・不確定な未来に向き合うリーダーシップ
・社会情勢に興味を持たず、日常の延長が続くと信じたい心理
・国が何とかしてくれるだろうという無知な人達の環境依存
・有事の際における優先順位(命の選択)
・単一民族国家
これらの要素は、コロナ禍&地政学リスクが向上している
現代にも当てはめて考えることができる。
「他国の侵略を受けにくい」「島国の閉鎖的で自己完結するマーケット」
という歴史的に恵まれた環境に身を置いてきた日本人たちが、
日本沈没により海外へ集団意味を余儀なくされ、将来どうなっていくのか
とても興味がある。日本沈没第2部の続編も楽しみである。
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Amazonオーディブルにて読了。 3.3
1984、三体、プロジェクトヘイルメアリーとSFがマイブームになったので日本のSFもと思い1番有名?な日本沈没を読んだ。これまでのSFは宇宙や近未来の話だったが、この作品はほぼ現代の話でテーマも自分の専攻の地球物理ということもあり、没入感を持って読むことができた。物理モデルは難しくて理解怪しいけど。
基本的には日本沈没に向けて、さまざまな人間が日本人を助けるために働く物語で、研究者、政治家、技術員などに焦点が当てられる。新社会人となる上で、理想的な日本人の職業人としてのあり方というもの感じれる素晴らしい作品だった。
ワクワク感は上記のSF作品には及ばないが、リアルな怖さや働き方という面では良かったのでこの評価。日本人万歳!!!笑笑
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名著だと目にはしていたけれど…エンタメだろうと高を括っていた頭に鉄槌を受けた。映像作品に落とし込まれたものを一切目にしてこなかった私は「日本沈没をなんとか止める物語」だと、ハリウッド映画的な内容予測をしていたから。
これほどの微に入り細を穿ったシュミレーションが50年もの昔に書かれていたとは。書かれた御本人が一番恐ろしかったのではないだろうか。地震が起こるたびに「このあと日本はどうなるか」なんて聞かれても「読んで考えろ」としか答えようがないと思うのだが…
視点がとてもグローバルで、外から見る日本を少し理解できたと思う。
地球内部の動きを、気象に当てはめて説明されるのは驚くとともにとっても面白かった。富士山が吹き飛び、日本が割かれ、没していく描写がリアルすぎて、いつも見ている富士山の方に視線をやるのが怖くなったほど。
溢れ出る昭和感と今は使われない「裏日本」という表現に執筆当時の意識を感じた。良いも悪いもない。当時はそうだったのだから。
日本民族のアジア諸国に対する優越感、豊かになりすぎて自分を見失う若者、官民の意識の差などは今もって横面を張り飛ばされるような鋭い指摘だと思う。
最近の情勢も相まって、脱出する日本人の行く末を、どうしても受難の民族に重ねてしまう。
日本人は民族として子供というのも頷ける。歴史を振り返れば、独立国としての今のあり様は不思議でしかない。多くの人の努力があった事は確かだけれど、綱渡りを幸運でもって渡っているという感覚がある。だけど平生、意識して生きていない。だからそれは守られている子供で間違いない。
民族として安定するには国土が必要。それが物理的に無い。今ある以上感覚として理解できないが、考えるだけで背筋が凍る。絶対に体験したくない。
「第一部完」で終わるとは知らず、驚いた。谷甲州共著の続編を読みたいと思うけれど、辛いものだろうな…
タドコロ先生の熱っ苦しさ嫌いじゃないけど、こんな上司厄介だろうなぁ。オノデラさんは死んじゃうのだろうか…
あぁ…もう日本は無いのだな…