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初の塩野作品 今まで縁遠いヨーロッパの歴史だったので読むのに苦戦するかと思いきや、
当時の風景や人物像が頭に浮かんできて読みやく、フリードリッヒ二世の凄さも伝わったが、それとともに、作者に対してヨーロッパの歴史の知識の深さ、膨大な資料を綿密に調査して書かれていることを感じて、他の作品も読みたくなった。次は十字軍物語かな
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第6次十字軍。外交で獲得したイェルサレム。当時の評価は低かったが、今ならノーベル平和賞もの。権威や武力ではなく法で統治する、学問を尊重し大学を設立する。学術会議問題最中の今考える。過剰な防衛力を合理化するための中央集権化。防衛予算は伸びているのに、一極集中し過ぎた東京で思う。教皇との対立。物語は敵役がいなければ盛り上がらない。相手の立場も考えないと歴史は評価できない。そこは差し引いても革新的な人物だったことは間違いないだろう。絶頂期で終わった上巻。下巻はどんな展開になるのか。楽しみ。
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塩野さんの作品はほんとに登場人物が魅力的に描かれていて確実に惚れますね笑
冗談はさておき、日本の政治家さんたち、塩野さんの作品を読んで政治とはこういうことなのよっていうことをちゃんと学んで欲しい!
続きが楽しみです。
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めっちゃ楽しみにしていた本なのに、数ページ読んでは眠くなってしまい…を繰り返していた。「合わない」ってこういうことかも…。
少年時代のフリードリッヒのハチャメチャ振りがヤバかったです。
あと、イノケンさんが意外に大人しかったというか…。
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下巻まで読了。
中世を代表する人物でありながら、まったく中世的ではない合理的思想を貫いた神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ二世の生涯を描く歴史小説。
中世を覆う理性の暗さを覆そうと企図し、しかしそれを成しえなかったフリードリッヒの姿はまさに英雄然としており、晩年の、法王による理不尽極まりない攻撃には憤りさえ感じるが、むしろそれが故に、人間存在の気高さへの憧憬も同時に掻き立てられる。
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最初なかなか進まなかったが、イスラムや諸侯、教皇とどう渡り合うかが楽しくなり、途中から読むスピードが上がりました。
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世界史はさっぱりで、フリードリッヒ2世のことを何も知らなかったのですが、読んでみました。
多文化が入り混じる、寛容で自由な南イタリアの土地柄が、中世の時代に太陽のような王様を生み出したのでしょうか。
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読んでいた当時、トランプ大統領がイラン軍司令官を殺害する命令を出し、アメリカとイランの緊張が高まった。この21世紀の無様をみて、800年前に「異教徒を殺せ」と十字軍を企画し、イスラムとの共生を考えもしなかった、ローマカトリック教会を愚かだと現代の我々は嗤えるのだろうか?
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皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上巻
文庫版
著:塩野 七生
新潮文庫 し 12 102
「玉座に座った最初の近代人」
第6次十字軍で、聖地エルサレムを無血開城し、イスラムと融和、武力を使わなかった叡智の人
強大なローマ教会勢力から、封建領主を保護して、封建制度を維持しつつも、法治国家をめざした人
イスラム世界から、文化を取り入れ、ラテン語、イタリア語に翻訳して、ルネサンスへの道を拓いた人
上巻は、その生誕から、第2次ロンバルディア戦役によるフリードリッヒによる平和まで
気になったのは、以下
すべてはあるがままに、そして見たままに書くこと
科学上の経験がないところに、真の知識は、生まれない
歴史は鏡である
天涯の孤児になって以後の十年間、満年齢ならば四歳から十四歳までの十年間を、フリードリッヒは、言ってみれば「独学・独歩」で通すのである
思えば皮肉だが、アッシジのフランチェスコと皇帝フリードリッヒ二世という、中世に生まれながらルネサンスの先駆者になる二人ともが、中世そのものという感じのこの法王に認められたことで飛躍の機会をつかんだのだからおもしろい
カプア憲章:王国の統治は、力の論理を廃し、法に基づいて行われる
剣を交えないで済むためにこそ剣をたずさえていく
この点が、他の十字軍とフリードリッヒの十字軍のちがいであった
皇帝フリードリッヒ2世は、その生涯を通じて学芸の奨励に熱心であった
フリードリッヒという男は、嫌い人間は寄せつかなかった
そして、フリードリッヒの好感情は、アル・カミールの親書によって決定的になる
歴史を書きながら痛感させられることの一つは、情報とは、その重要性を理解できた者にしか、正しく伝わらないものであるということだ
人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない
多くの人は、見たいと欲する現実しか見えていない
情報を活用できるのは、見たくない現実でも直視する人だけなのであった
皇帝とは神よりその任務を委託された身である以上、その統治が法による正義に基づいて行われているかどうかを見極める責務は彼にある、と明言する
ただし、明言したということは、責任の所在もはっきりさせたということになる
そして、この一事こそが、彼の「憲法」、ないし、「憲章」の根幹になるのだった
本質的には武人ではなく政治家であったフリードリッヒは、可能ならば常に、武力による解決よりも話い合いによる解決を選んだ
目次
文庫版への前書き、あるいは、読者への手紙
読者に
第1章 幼少時代
第2章 十七歳にして起つ
第3章 皇帝として
第4章 無血十字軍
第5章 もはやきっぱりと、法治国家へ
第6章 「フリードリッヒによる平和」(Pax Fridericiana)
図版出典一覧
ISBN:9784101181486
出版社:新潮社
判型:文庫
ページ数:500ページ
定価:950円(本体)
発売日:2020年01月01日
下巻 目次
第7章 すべては大帝コンスタンティヌスから始まる
第8章 激突再開
第9章 その後