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目次
・開けずの間
・だんまり姫
・面の家
・あやかし草紙
・金目の猫
おちか編といえる第一期の終了。
それに代わって、三島屋の次男、富次郎が新たな聞き手となることになった。
今後おちかが話からすっぽり消えてしまうのか、それとも何くれとなく富次郎のフォローのために現われるのかはわからないが、どちらにしても話の主流は富次郎になるということだ。
生活の苦労をほとんどしたことのないボンボンの、しかも次男である富次郎が、百物語を聞くことによってどう変わっていくのかが楽しみ。
しかし、おちかは、あれでいいのでしょうか。
いつまでも過去の出来事に囚われて、自分を罰しながら生きることはもちろんつらい。
では、おちかは勘一に何を見たのか。
笑って生きることを決意したのだとしても、過去のすべてをなかったことにはできないのに。
達観して、悟って、平らかに生きるのが結果であるならいいけれど、目的ならちとまずいのではないか。
その辺のおちかの心情があまり詳しく書かれていないので、心配性の私としてはもやもやしてしまう。
だけど、最後に商人(あきんど)がお祝いを言いに来たってことは、おちかは解放されたということなのか。
そして富次郎が巻き込まれるの?
あと何人か聞き手を変えて、最後はお勝で締めるのかしら?
あと70話以上かかるうちに、この物語がどのような変遷を遂げるのか。
それもまた楽しみの一つだ。
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マンガ「蟲師」にもこの世ならざるモノを呼ぶ声音を持つ人の話があったのを思い出した。あちらで呼ばれるのは蟲だったが。
実際にそういった逸話が残っているのだろうか。
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図書館にて。
この次の話を先に読んでしまっていたので、おちかの結婚のことは知ってしまっていたけれど、こんなことになっていたとは。
美しい描写、しみじみと余韻の残る物語や、容赦ない残酷な展開の物語。
「開けずの間」は怖かった。
表題の「あやかし草紙」、瓢箪古堂さんの見たものはなんだったのだろう。
現代の恐ろしい状況とリンクするような、信じられない不思議なことが日常に散りばめられている世界。
次回作が待ち遠しい。
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三島屋百物語の集大成という感じで、とてもスッキリした、幸せになれそうな一冊でした。
許嫁の死から、なんとか立ち直ろうと始めた百物語で、世の中には色々な辛いことや理屈では片付けられない事象があると、心に折り合いをつけて、幸せを見つけたおちか。
三島屋の皆の優しさにも心癒されます。
本筋ではないですが、百物語に中にあった、6人の顔の同じ男と結婚するお婆ちゃんのお話。。色んな意味で怖かった笑
最初の夫の執念なのか??
今後従兄弟にバトンタッチしますが、Kindle版されていないので、Kindleになった暁にはまた読みたいと思います。
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【ネタバレあり】
だんまり姫より
10歳で祖父の手により暗殺されて城に居続ける少年と、魔物と話ができる特別な女性=おせいの交流を描いた話が印象的でした。
使用人のおせいは、かつて不幸な境遇により亡くなった少年の為に、彼の幸せを願って一心に奔走する。
本来ならば殿様になるはずだった少年は、子供とは思えないほど考え方が大人びていて、側室であるお鈴の方の評判が盛んになると、自分の時と重ね合わせて彼女の心配をしていた。
また、いよいよ城から出られるという時、自分の魂の容れ物は蜘蛛がふさわしい、人々の悪い物を引き付けて切られる役がぴったりだ、と言う場面も印象的でした。
この話を読んで、人の為に見返りを求めず、行動できるおせいがすごいと思った。
おせい自身も、特殊な能力により人から避けられる境遇で育ったにも関わらず、誰も恨んだりしない広い心の持ち主で、それだからゆえ、この能力も授かったのだろうか。
三島屋シリーズでは、ゾッとする話し、ほっこりする話、色々あったけれど、話を聞き終えたおちか同様、私も目に薄っすらと涙が浮かんでいました。
ありがとうございます。
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シリーズ第5弾にして第1期完結編。
怖い話もほっこりする話もわりと普通と思える話も、著者の語り口がうまいので心に沁み込んでくる。百物語の聞き手として成長してきたおちかが最後に大きな決断をするのだが、幸せになってほしい気持ちと寂しい気持ちが半々くらい。次巻からどのような展開になるのか楽しみである。
ベストはものすごく怖い「開けずの間」。
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第1期完結。人の欲深さが身に沁みる。怖いのはあやかしよりも人なんだろうな。と、改めて思うわけで。だんまり姫が好きだ。滅びることを寿がれよう。相反する言葉が成立するまでの過程は辛くやるせないが、それでも、寿ぐことを望む。人も捨てたもんじゃない。瓢箪古堂の若旦那、若年寄のような雰囲気を醸しているが、彼もまた一癖あった。おちかが感じた幸せに3月のライオンのひなちゃんの幸せに通じるものを感じ、きっと幸せはさりげなくそこにある。伊一郎の先生の顔を洗ってのくだり好き。
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再読です。
文庫版、やっぱり表紙が良いです。
一冊目があの表紙で一部の終わりがこの表紙。
感慨深いです。
酷い話からの結婚、は ないだろうとは思っていましたが
ここで身内の話を持ってくるのがちょっと良い感じでした。
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文庫版で再読。一話ずつだいじに読んだ。おちかの嫁入りが決まり、後半は従兄兄弟の話に移る。この三島屋自体に特殊な力があるように思われてくる。嫁入り道中の描写のなんと美しいこと。 二人の門出を見守る全ての登場人物たちの微笑みが見えてくるようだ。自分は三島屋変調百物語のファンだと思っていたが、忘れているシーンも多い。何度読んでも読み応えがある。わかっているけど読むたびにため息がでるという物語はそう多くはない。
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おちか!なんてこった!めでてえ!
いや、それはともかく……
ほんのり怖い不思議な話が語られる。不可解で非科学的。それがとても良い。
宮部みゆきさんのイマジネーションは果てしない。
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宮部みゆきの「三島屋変調百物語」シリーズの第5弾の本作は、短編5編構成でしたが、相変わらずの内容の濃い面白い怪談ばかりで良かったです!また、主人公のおちかが怪談を99編まで聞き捨てるというシリーズだと思っていましたが、本作までは第一期的になっており、次作からは聞き手交代というまさかの展開をみせますが、これはこれで次作からもどういう展開をみせるのか?楽しみになりました!
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読むペースが遅い私ですが、三島屋シリーズは分厚いのに、いつもより読み終えるのが早い。
それ程に面白いです!
今回はおちかが大きな決断をして、そうなるのか!と驚いてしまいました。
寂しいけれど、おちかには幸せになって欲しい!
宮部みゆきさんの作品は、登場人物が多いから、人間関係が複雑になる程に内容も濃くなって、とても面白いです。
特に、「開かずの間」では、家族が次々と不幸に見舞われる話なのですが、家族も大人数だし、親戚やら出てくる人が沢山!
相関図が片手にないと、こんな複雑なお話は書けなそうだ。
自分の為に、家族を犠牲にするとは、人間の欲が出ていて、すごく怖いお話でした。
表題作の自分の運命が分かってしまう写本では、死に方が分かったら私はどうするかなと深く考えてしまいました。
あとがきでご本人が言っていた通り、怪談百物語は途中でやめると、残った回数だけの不幸にあってしまうと言うから、こんなスゴい事を始められた宮部みゆきさんは本当に尊敬します。
こちらとしては、楽しみがまだ続くから嬉しいのですが。
新たな語り手の冨次郎を応援したいです!
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不覚にも、また涙してしまいました。
どうして、こんなに面白くて、泣けて、しかも読後感もよい、という物語が書けるのでしょう。
篠田節子「鏡の背面」のあとなので、すがすがしさが倍増したのかも、なんですが。
けっこうな分量ありましたが、一気読みでした。
どこかで読んだ宮部氏のインタビューで、本当に100編まで書く、そうで。
この伍之続でやっと20数編です。まだまだ楽しめるわけです。
以下ネタバレありで。
「開けずの間」
「行き逢い神」に祟られた三好屋の顛末。
最初はささやかな願いだったのに。
神頼みの恐ろしさ。
「だんまり姫」
現代では、およそ考えられない理由で非業の死を遂げた一国様。その一国様を
成仏させるようと奔走するもんも声の持ち主のおせい。
さわやかな読後感なんですが、やっぱり一国様が哀れです。
「面の家」
すんごいイヤな子が語り部になる話です。
宮部氏の現代ものに出てきそうなヤツです。
「あやかし草紙」「金目の猫」
主役交代です。おちかちゃん、お嫁にいっちゃいました。
古本屋の勘一のところに。
代わって百物語の聞き役になったのが、富次郎。
おちかが身を寄せている三島屋の次男坊です。
富次郎と、三島屋の跡取り、長男の伊一郎がイイカンジで。
もう、続きを読まずにはいられないのでした。
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三島屋シリーズ五弾。これまで三島屋の変わり百物語の聞き手をしてきた姪のおちか。親しくなっていた貸本屋瓢箪古堂の若旦那勘一の元へ嫁に行くことになる。
勘一が語ることになった怪異話には、三島屋では語られなかった続きがあった。そのことに気づいていたおちかはそれを問いただす為に勘一の元を訪れる。そして、彼と共にこれから過ごしていきたいと告白する。
おちかが嫁にいった後、三島屋の百物語は終わりとなるのかと思ったら次男の冨次郎が新たなる聞き手となる。今後のシリーズはこの新たな聞き手を得て続けられる。
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何かの折にふっと思い立つ。そんな風にして、今年このシリーズを読み始めた。
ひとつひとつの話が、大きな世界を構築する。今回も、その世界を巧みな技で、緯経がキュッと締まる。