紙の本
百物語は続く
2022/06/27 17:38
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投稿者:.ばっは - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一期完結にて、 ここまでの百物語まとめが巻末に。
今回は「開けずの間」が怖かった。居座った行き逢い神が人の命と引き換え
に立ち退いたものの、話を聞いただけでお勝に白髪が出来て抜け落ちるという。
嫁入り道中の描写がとても良く「お幸せに」と祈りたくなる。
ただ、プロポーズに至るまでの行動、心境なんかの描写が記憶に残っていなく、
私には熟慮の末のプロポーズにはちょっと思えなくて・・・。だから★★★のところをご祝儀で。
紙の本
変わり百物語の聞き手は、おちかから、従兄弟の富太郎へ。シリーズはまだまだ続く。
2021/06/05 15:55
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公おちかが、17歳から任されてきた、聞いて捨てる「変わり百物語」の聞き手。彼女は19歳を迎え、シリーズは終焉?と思えば、語り手が、いとこの富次郎に変わり続いてゆくのでホッとした。
不幸な事件から逃れるように親戚の三島屋にやってきたおちかだったから、その不幸をなんとか乗り越えて、表紙にあるように嫁ぐことになってよかったとも思う。
さて、語り捨てる話は、本作でもその怖さ、不思議さは衰えることなく興味深く。作家・宮部みゆきの物語の引き出しにはいったいどれほどのものが蓄えられているんだろうか。
とにかくシリーズが続くのはめでたい。
紙の本
第一期は大団円で終幕
2020/12/27 17:45
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の欲や、時代ゆえの理不尽などに由来する怪異や不思議な話の面白さはシリーズ通して変わらず、グイグイ引き込まれる。
そして、聴き手のおちかに人生の岐路が訪れ、重大な決断を下す。傷ついたおちかがここまでになったという喜びと寂しさが同居するが、第二期となる次巻以降どういう変化があるのか楽しみでもある。
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おちかが聞き手を務めるのはこの巻で終了.
1.開けずの間:行き逢い神の話.結構,怖い.
2だんまり姫:もんも声のおせいさんの話.「一国の城主よりも,はるかに偉いものになってやろうぞ」か,一国様,よくぞ申された.これを聞いて,腹を切った滝沢新右ヱ門も成仏できたと信じたい.
3.面の家:災いをなす面を保管する家で「犬」を勤めたお種の話.外に出れば,面を見える人が沢山いるというのは,笑い話か,怖い話か.
4.あやかし草紙:写本の内職で糊口を凌いでしる浪人栫井十兵衛の話と6度も嫁に行った婆様の話と,それに絡んで瓢簞古堂の勘一の話.おちかが勘一にプロポーズ.
5.金目の猫:三島屋の伊一郎と富次郎兄弟の幼い頃にあった不思議な話.ここから聞き手が富次郎にバトンタッチ.
やっぱり宮部先生は(話も面白いが)文章が圧倒的にうまい.なんて読みやすいのだろう.
一区切りついたところで,なんとなく1巻から読み直したくなった.読み直そうかな.
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ずーっと追っていたあやかしシリーズの第1章が完結しました。
心に傷を負ったおちかが、百物語を通して、三島屋を通して、このような結末を迎えて本当によかった。そしてこの結末をリアルタイムで見えて本当によかった。
百物語はまだまだ続くから、第二章が楽しみです。
こんなにも分厚い小説なのに一気読みしてしまった。
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単行本の方で読んだけど、文庫しか出てこないからこちらで。面白かった!読み出したら先が気になって、久しぶりに一気に読み通した!おちかの周りはいい人ばかりだから、たまーに語りの中で性根の腐った奴が出てくると嫌さ加減が余計ひどく見える。人の親切に仇で返す奴は救わなくていいと思うのよ。むしろバチ当たれ!しょっぱなから怖かったけど、二話目がいじらしくて泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。この世の衆生を守るものとなろう。みんなのために犠牲になった十の男の子が、なんでそんなこと思うのさ。泣くわー、そんなこと言われたら。・゚・(ノД`)・゚・。でも救われるのは、一国様の思いを知っているおせいがいたこと。おせいが、おちかに伝えてくれたこと。後は、情より義を選んだ爺様が、ずっと一国様のそばにいたこと。手を合わせるヤモリに泣けるよね、おせい。ありがとう、一人で頑張ってくれて。後は、猫になって大好きな人たちを見守りたかったおきんの哀れさが。そしておちか、幸せになるんだよ。
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おちかちゃん、おめでとうー!!!
うぁーうあうあうあうあ~~~
また600ページ強の文庫本1日で読んでしまっ...OTLiiii
宮部先生の本はどんだけ分厚くても1日読破コースがデフォルトになった・・・もったいないことをした・・・。
うーーー・・(泣
気を取り直して
魔を呼び込んだ一家のお話ー開けずの間
不思議な声を持つお婆さんーだんまり姫
手癖の悪い娘が見たものはー面の家
瓢箪古堂の勘一の話ーあやかし草子
三島屋兄弟の昔語りー金目の猫
今回のどのお話も、貧困=欲=妬みが根源・・いや毎回か。
貧困がもっとも誰にも降りかかりやすく、等しく心の均衡を失う要素であるからか。
三島屋は大黒柱が健全だから魔が近寄りにくいのだろうなぁ。お勝さんも効いてるのかな。
一番怖かったのは「開けずの間」でした。
これから聞き手がおちかちゃんから富次郎従兄さんにかわります。しかも絵がうまいときてるから、いろいろな趣向が期待できそうです。
富次郎従兄さんは勘一さんと仲良しだから、たまにはおちかちゃんも出てきてくれるかな?幸せであればいいなぁ。(間違いなくそうだろうけれども)
しかし、このシリーズは文庫が分厚い・・もはや携帯しづらい・・・
でもいいか、どうせ1日で読むし・・・うっ・・
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三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒すため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが・・・。怖いけれども癖になる。三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!
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第一期完結。旅立ちとこれからの生涯に幸多いことをお祈りしたくなるのうな完結でした。
しかし、語られる物語は、1話目のような底冷えがする恐ろしいのや、2話目のような温かさや気高さに感じ入るのや、かわらず人の心の様々な面を映し出しているのでした。おっと、面と書いてしまいました・・・。
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第一期完結!!!ちかの成長と心のありようを、ずっと追いかけてきただけに、感慨深い1冊になった。幸せになってねと、母のような姉のような気持ち。きっと作中の富次郎やおしま、お勝らもこんな気持ちでちかを見つめていたんだろうな。ちかの「覚悟の決め方」が爽快。
これを機会に1作目から読み返そうと『おそろし』を手に取り…『おそろし』と呼応するかのような表紙がいい。
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シリーズとしては第一期完結編となっています。
文庫の表紙を見ればなんとなく予感されるように、
第五話で、今までこの物語の主役であった「おちか」が嫁入りします。
お相手はお察しの通り瓢箪古堂の若旦那。
つまり「おちか編」は今巻で終わり、
次巻の「黒岳御神火御殿」からこの百物語の聞き手はいとこの、
三島屋の小旦那・富次郎が引き継いでいくことになります。
ちょっと寂しい感じもしますが、これからも「おちか」は時々顔を見せます。
絵のどこに何を見るのか、見つけるのか、見いだすのかは、見る者の目と心にかかっているのだ。―――描く者はただ無心に己の心に浮かんだものを写すつもりで描くことが肝要だ。人に見せつけようとして描けば描くほどに、見せたいものは見てもらえなくなる、と
これは第四話「あやかし草紙」の中の言葉ですが、
一応、未熟ながらも写真などで表現をする立場のものとして、
この言葉は心しておきたいと思いました。
今巻も期待通りの江戸あやかし話。
宮部ワールドでたっぷり楽しませてくれます。
今回も期待を裏切らない安定の高評価、★4.5で。
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おちかちゃんの嫁入り、こんなにも感慨深い…お、おめでとう〜嬉しいよ〜嬉しいのにしみじみしちゃって私まで泣きたくなる〜!!
三鬼を読み終わって割とすぐに文庫落ちしてくれて嬉しい。こんなにすぐ読めると思ってなかった!
富次郎と伊一郎の兄弟もいいなあ。続きも楽しみ。
宮部みゆきの描くキャラクタが、生き生きしていて個性的で、やっぱりいいよなあ、好きだなあって改めて思った。満足!
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宮部みゆきのあやかし草紙を読みました。
三島屋変調百物語伍之続ということで、三島屋の黒白の間で店主の姪のおちかが来客の怪異の話を聞くというシリーズの最新刊でした。
1話目が陰惨な救いのない物語だったので、どう展開するんだろうと読み進めたところ、2話目がちょっとコミカルな話、3話目からはおちかの今後に関わってくる明るい話だったのでほっとしました。
特に2話目の化け物を呼び出してしまう「もんも声」を持った女性の物語が気に入りました。
今巻でおちかは百物語を卒業してしまいますが、三島屋の店主の次男が百物語をつづけるとのことなので、続きが楽しみです。
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自分が観ていた海外の警察ドラマの影響か、シリーズもののキャストの交代は苦手です。(大抵殉職するか、現場での苦い経験から、退職していく……)
でもこの三島屋シリーズの、メインの交代は素直に歓迎できる。シリーズを通して積み上げられたものと、著者の宮部みゆきさんの暖かい眼差し。
ここまで三島屋シリーズを読み、おちかの変化を読んできた読者に対して、物語を通して贈られた一つのプレゼントのようにも思います。
今回の収録作品は5編。宮部さんの真骨頂だと感じたのは、妖怪や死霊を呼び寄せる「もんも声」を持った女性の奇妙な半生が語られる2話の「だんまり姫」
その声のためなるべく人と話さず、身振りや独自の手話を通じて周りとコミュニケーションをとってきたおせい。そんな彼女の元に舞い込んだのは、言葉を発しない城の姫のお世話役。
しかし、その城でも奇妙な出来事が起こり、やがておせいの耳に、男の子の声が聞こえてくるようになり…
三島屋シリーズで特に好きな語りは、怪異を語る上でその現象や出来事だけでなく、語り手の人生が見えてくる話なのですが、この「だんまり姫」も語り手の人生が見えてくるよう。
もんも声のため、身内にも遠慮しながら過ごした幼少期。転機となった宿屋への奉公。城での生活、姫や霊とのやりとり。
三島屋の百物語が単なる怪談もので終わらないのは、怖さであるとか、人の業や哀しみを描いていること以外にも、基本的に1話にしか登場しない語り手にも、人格を与え、そして人生を浮かび上がらせるからだと思います。
そして、この話の結末もとても良かった。お家騒動によって幼くして命を落とし、一種の地縛霊のように城にとらわれた一国様。彼の魂を城から解き放つため、おせいが取った行動。そして一国様の選んだ道。
物語の持つ温かさが伝わってくる、傑作だったと思います。
一家に取り憑いた行き逢い神と、その一家の末路を描く「開けずの間」は怖かった……。嘆き、嫉み、妬み、そして生まれた心の隙間に、スッと忍びよる魔。そして、翻弄され壊れていく人々。
女性の姿をした行き逢い神の笑い声が、自分の脳内で不気味にこだまするような薄気味悪さ。ラスト一行のどこか引きずる感じが、また怪談らしくて不気味だけど忘れがたいです。
世間に不幸をもたらすお面を描いた「面の家」も、ついつい状況を想像してしまう怖さがあります。封印されながらも、常に隙を伺い箱をカタカタ鳴らしながら、人に怪しく囁きかけるたくさんの面。こういう話好きだけど、やっぱり怖いわあ……。
おちかの決断が描かれる表題作の「あやかし草紙」
写本をする元侍の元に舞い込んだ奇妙な依頼と、老女の奇妙な結婚遍歴の話。
三島屋シリーズだからこその、おちかの決意の描き方だったんだろうな、と思います。この描き方がカッコいいし、女性としての覚悟や度胸がこれ以上無いくらい現われていました。
そしておちかから百物語の聞き手を継いだ富次郞の初陣となる「金目の猫」
富次郞の兄、伊一郎が語るのは、単なる怪異の話ではなく、三島屋の���としての話でもあり、そして兄弟の語らいでもあり、思い出話でもあった気がします。
シリーズの転換点にきて、三島屋のルーツの一端が見える。新たなスタートらしい一編でした。
三島屋シリーズの好きなところは、各編で語られる一編一編の完成度もさることながら、聞き手や三島屋の移り変わりも平行して描がれるところです。おちかが徐々に聞き手として成長し、頼もしくなっていき、様々な出会いがあり別れもあり。
今回でその聞き手は、おちかから富次郞に引き継がれたわけですが、この富次郞もきっと作中の時間を通していく中で、所帯を持つか、あるいは目標としている自分の店を持つ時がくるかもしれない。そして役目がだれかに引き継がれるかもしれない。
それでなくても、あたりは柔らかいけど、どこか頼りなくも見える彼が、おちかのように肝の据わった頼もしく見える時期が来るかもしれない。
そんなふうに、聞き手の変化も楽しみにしつつ、自分はこれからも三島屋シリーズを読んでいくのかなあ、と思います。各編で語られる怪異だけでなく、富次郞が、そして三島屋という店自体もどう移り変わっていくのか。
たまにしか会わない親戚一家の近況報告を聞くような、そんな楽しみも徐々に生まれてきているように感じました。
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第一期終了とはそういうことか。おちかの嫁入りにより、聞き手の交代。
今回は中々読み応えがあるページ数で、時間がかかった。
初期の頃のようなゾクゾク感が薄れているような気もしたが、おちかが成長している証か。「開けずの間」の行き逢い神が恐ろしい。
おちかが選んだ旦那さん。幸せになって欲しい。
そしてこの後も続く百物語。
楽しみにしています。