等身大のあの子たち。
2018/11/30 00:56
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に質の高い作品だと思い、小学生の娘にすすめたら
一気読みしていました。
作家さんの話をしたら、DIVEの人なんだね、と言っていました。
児童文学系は重松清さんが読書感想文の定番という感じですが、
この作品を含め森絵都さんも同レベルのように思います。
刺激過多の作品がはばをきかせているなかで、
心にスタンプを押していく感じの作風はもっと評価されて
いいと思います。子どもに薦めるならこんな本と思いました。
クラスメイツ<前期>に引き続き、
十二人が後期の各章の主人公を務めます。
前期の十二人と合わせ、二十四人のクラスメイトが
全員登場です。
中学校の入学式の日。
よういどん、とクラス全員でいっせいにスタートを切ったはずでした。
でも遅れてしまう子はいるのですね。
小学校時代はビリに近い子がいてくれて、
助かっていたビリの子のお話です。
心ばかりが焦り、とうとう中学校に行けなくなりました。
誰かがいじめたわけでもないのに。
居場所がないのはつらいことです。
嫌われていじめられるのと、相手にされなくて無視されるのは、
居場所がないという点でつながっています。
どちらがつらいかなんて比べられません。比べる意味すらありません。
そんな子が、クラスに戻れるお話です。
笑わせるのが大好きで、将来は芸人になりたくて
ずっと演技をしているような子。
自分では気がついていませんが、とても気遣いをする子です。
そして気づいている人は必ずいるのです。
クラスのリーダー役の子。
周囲の誰もが一目置く存在ですが、そのために自分を徹底的に
制御するストイックな子。
個性的な登場人物たちですが、個性を誇張せずに自然な感じで
伝えているのが素晴らしいです。出会いに感謝です。
この本はきっと、自分の気になるクラスメイトの
考えを知るきっかけになりますよ。
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投稿者:tomo - この投稿者のレビュー一覧を見る
北見2中1年A組のメンバー24人(前期後期で12人ずつ)それぞれに視点を合わせながら、中学1年生という複雑でみずみずしい年頃が描かかれています。
シンプルで、わかりやすい文体で本を読み慣れていない人でもすんなり読めると思います。でも、そこかしこに心にすっと入り込んでくる描写があって・・・ああ、この作家さん好きだな・・・。
DIVEの熱さも大好きでしたが、良い方向(ややこしく難しい方向でなく、シンプルでわかりやすい方向)にその筆力をどんどん向上させていかれているように思います。
今後の作品も楽しみにしています。
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12才と13才って、たった一年なのになんでこんなにも違うんだろう。小学生が終わって、制服着て学校通って部活動に勤しんで、6年間ともにした子たちと、新しい子たちがもう半分。それだけなのに。それだけがものすごく大きくて遠くて難しい。人間が怖くなるはじまりでもある。
それらのひとつひとつをとても丁寧に描いていて、ハッとさせられる場面がたくさんある。みんなひとりひとりが抱えてるものが違いすぎて、13才には抱えられないくら重たすぎたりして。愛おしいなって思った。
これくらいの年齢ってころころと好きな子が変わるなーと懐かしくなったり、甘酸っぱい、ほろ苦い。もう2度と24人、同じクラスになることはない、そのたった一年、うまくスポットをあてていて、良い作品だな、と思いました。
また、児童向けの本を是非とも書いて欲しいです。
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今リアルタイムで小学校高学年の子や中学生の子に向けた本という感じだった。漢字も少なく、字も大きいので、子供も読みやすいと思う。
最近読んで印象に残っている中学生が主役の本といったら宮部みゆきの「ソロモンの偽証」だったのだが、随分と趣の違う、殺人等のセンセーショナルな出来事など起こらない、平和な日常生活を描いた作品。
東京のある中学校の1年A組の1年間を、1章ずつ別の子の視点で書いていて面白い。色々な性格の子がいて、色々な感じ方があって、「平和な日常生活」の中でもちょっとした「事件」がある。人生の中でもこの時期だけの独特な時間を、不器用に真っ直ぐに生きる彼らの姿がとても眩しく感じた。
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等身大の中学一年を描いた連作短編青春小説。24人クラス全員が主人公として登場する展開が面白い。こんな奴がいたなと共感しながら読めた。ドラマ「中学生日記」がこんな感じだったのかなと頭を過る。ちょっと物足りない。
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短編連作。中学生。それぞれに抱えているものがある。物語を読むように可視化できたら、みんなに優しくなれるんだろうか…。
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後半もきっちり12人。いじめなどきつい状況の学園ものが多いなかで、それぞれが悩みをかかえながらも、ほのぼの生活を満喫しているようでほっとする。生徒数が少ないせいか。
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前期に続き、後期も読了。青春!って感じがすごく懐かしい。私にもこんな時があったなと前期に続き、そのように思う。子供とはいえ、やはり悩み事が絶えない。そんな年代である。森絵都だからこそ、描ける世界観という気もする。
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森絵都のYA作品は、鉄板だと再認識。理屈抜きで面白い。
大人向け(?)だと当たり外れがあるのだが、YAの場合のこの安定感…
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中学1年A組24人のクラスメイトそれぞれを主人公にした24のストーリー。子どもじゃないけど、大人でもない。そんな特別な時間の中の、出会いや悩みや行き違いを温かく描く。
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これだけの個性を書き分け、違和感なくクラスの一年を通して、それぞれの成長をさりげなく書けるとは・・・森絵都さんはすごいなぁ。。。
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前期12人に引き続き、後期12人。前期に抱えていた問題も絡みながら、後期が進んでいく。
たった1年。されど1年。あっという間に成長する彼ら。2年生・3年生とさらにどう成長していくのか、見守りたい気持ちになる。
色々あったけれども素敵なクラスだったと思います。
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日本のYA文学をきりひらいてきた森絵都が、直木賞受賞後はじめて描く中学生群像。中学1年生24人のクラスメイトたち、その1人1人を主人公にした24のストーリーで思春期の1年間を描いた連作短編集。前期・後期の全2巻。 うれしい出会いや、ささいなきっかけの仲違い、初めての恋のときめきや、仲間はずれの不安、自意識過剰の恥ずかしさや、通じあった気持ちのあたたかさ。子どもじゃないけど大人でもない、そんな特別な時間の中にいる中学生たちの1年間。だれもが身にしみるリアルさを、シリアスなのに笑えて、コミカルなのにしみじみとしたユーモアでくるんだ作品集。
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前期で12人、後期で12人、中学一年のクラスメイトそれぞれが主役になった連作物語である。巻順の貸し出しにチェックを入れ忘れて、後期から読むことになってしまったが、クラスの生徒一人一人が主役をバトンタッチする構成なので、何の違和感もなく愉しめる。中学生の世界の広さと狭さが巧みに描かれていて、ときに痛く、ときに微笑ましい。巷間耳にする中学のクラスのなかでは、平和でしあわせなクラスなのではないかと想像する。二年生に進級した彼らの姿も追いかけてみたくなる一冊である。
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とても読みやすくて、あっという間に読み終わりました♪
24人の中学1年生たち。それぞれが とても生き生きとして、可愛くて読み終わったあと すごくいい気分です(*´∀`)
この作家さんは 中学生を書くのが ほんとに上手だと思います♪