紙の本
自伝か?(笑)
2021/03/06 00:05
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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者を彷彿とさせる作家志望の冴えない中年女の成功(?)物語。例によって劇的な設定と劇的な展開。いつも思うのだが巧みだ。巧みだがちょっと技巧的に過ぎる気がする。せっかくこれだけ劇的な設定なのだから,もっと長編にできるのではないか?釧路を舞台にしているといえば故原田康子だが,原田はもっとあたりまえの設定で物語を展開していたように思う。
それにしても自伝ぽくって笑ってしまう。Wikiによれば,実際にはもっと常識的な人生らしいが…,う~ん,なんか残念。
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表紙買いしました
2020/12/23 22:48
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投稿者:むー - この投稿者のレビュー一覧を見る
カバーイラストに一目惚れして購入しました。どこかで見たことがあるような気がしていたのですが、湊かなえさんの「絶唱」などを担当されているチカツタケオさんのイラストということでした。
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作家の苦しみ
2022/03/02 11:08
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道に住む作家志望の令央に編集者の小川乙三から連絡が入る。令央は応募した作品が優秀賞に選ばれたことで気持ちは浮つくが、小川から厳しい言葉が続き、令央は作家の夢をすてようと考える。しかし、ある言葉をきっかけに令央は再び筆を持ち始め、小川の叱咤激励を受けながら、自分の過去や家族に向き合い作品を作り上げる。そして令央が勇気を出して書き始めた家族の内容とは・・・・・。
作家なりの苦悶を理解することができましたね。作家として一本立ちできるのはほんの一握り、だからこそ作品に魂を込めるんですね。
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投稿者:ナムナム - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説家になろうとする人が編集者を選ぶことはできません。
作中の女性編集者のように、相手を小ばかにする人は、私は苦手です。
その編集者に恐れをなして、私は小説家への夢を諦めました。
桜木紫乃さんのライバル誕生の芽が潰えました。めでたしめでたし。
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小川さんがこわい。あんなにビシビシとムチ打たれたら、そこに小さなアメが入っていようともまったく意味がなさそうだ。小説、まして私小説のようなものを書こうと思ったら、とてもタフでないとやっていけないんだなぁ・・・。
小説を書くというマラソンの給水ポイントで、励ましの言葉をかけつつ熱いコーヒーを手渡すような人だ。でも令央は熱いものを飲む度胸があるんだな、とも思った。書き直しを重ねることも、自分の過去をさらけ出すこともできる。それはやがて、元・夫への態度や母の過去に触れるという変化につながり、更にそれによって自分の位置や感情が定まっていくことで、書いている物語が「リアルな作り話」になっていったのかなと思う。
令央の実際の人生、日々よりも、彼女が小説を書くために通る道筋がおもしろかった。
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純文学新人賞に応募を重ねながらも、候補作止まりの40歳の柊令央。突然現れた編集者の一言で渾身の一作を書く決意をする。直木賞作家の著者が創作の苦しみを描ききる、新たな到達点。
芥川賞を受賞するような純文学作品は、自らの身体を切り刻んで創作するようなものと聞いたことがある。自分や身内の恥をさらけ出す、それが読者の共感を呼ぶ。他人の恥ずかしい部分を人々が求め、作家はそれに応えるからこそ文学の世界が成立する。
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ポイントが三つある。
小説家を目指している柊玲央が小説を生み出していく苦しみ、新人を叱咤する編集者、そして柊玲央本人の人生事情。
いや、むしろ登場する小説に厳しい目線の編集者小川乙三を描くことで、桜木紫乃さんの小説への心意気を言いたかったのかのではないかと。
この小説中の小説「砂上」が、もし出版されないという結論だったらどうだろう。やっぱり小説家志望はあきらめないのか?また、本になったのはいいけれど、売れなかったら?読まれなかったら?読者に理解されなかったら?
出版されなくて、売れなくて、うずもれていった物書きたちの積んでも積んでも崩れる砂の山。
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柊令央、感情が安定しているのか周囲に興味がないのか気持ちの動きのない人。こういう人が作家になるのか…と思って、読んだ。彼女の成長若しくは変化を見届けた感じ。
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なんとも心に入ってこない話。
登場人物と同い年なのにこんなに感情移入できないものか。とらえどころのない人という印象。先がどんどん気になって読み進めてしまうような、ストーリー性のある話の方が好みの自分には、合わなかったかな。
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読みたい桜木紫乃全開で、ホントあの一行から始まる小説俺も読みたい!
ちょっとラブレスを思い出しますね。現代版ってとこか。増えた40kgのエピソードも読ませてもらいたかったな。
裏小川乙三、気になりますね!!
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10年連れ添った旦那と別れ、彼の不貞による慰謝料とバイト代で暮らしながら文章を書き続けてきた令央。「主体性のなさって、文章にでますよね」と編集者から言われるほどどこか掴みどころがない彼女は、母であるミオと、母の子として育てた実の娘美利との関係もどこか希薄。そんな自分、母、娘との関係を題材にした文章「砂上」はミオの死により色を帯びたものとなる。
主体性がなくても人間関係が希薄でも生きてれば文章書けるしオッケー
それよりもまず自分の人生を肯定しながら生きることが1番大事なのかもな〜と編集者の乙三の発言から思ったりした
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なにかよくわからないけど、早く続きが読みたいと読み進めていった小説だった。
すべてが共感できるというわけでもないけど、自分と重なる部分があったりして考えさせられた。
おもしろかった。
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この小説に出てくる人も解説の新井さんもみんな全然優しくなくて、なのに清々しくさっぱりした後味。
日常がねっとりした優しさや必要以上の厳しさなんかに覆われてるからですかねー。
作家も編集者も大変だ!!
読むだけってありがたい。
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*「あなた、なぜ小説を書くんですか」北海道・江別で平坦な生活を送る柊令央は、応募原稿を読んだという編集者に問われ、渾身の一作を書く決意をする。いつか作家になりたいと思いつつ40歳を迎えた令央にとって、書く題材は、亡き母と守り通した家族の秘密しかなかった。執筆にのめりこむうち、令央の心身にも、もともと希薄だった人間関係にも亀裂が生じ―。直木賞作家・桜木紫乃が創作の苦しみを描ききる、新たな到達点! *
うーーーん??
桜木さん、好きな作家さんなのですが。
冷淡な女編集者の言いたいことがよくわからず、主人公の書く小説の良さも全く伝わって来ず・・・
人間関係の機微についてはさすがでしたが、珠子おばさんをあそこまで怒らせる必要性あったのかな、とも。その辛辣さまでもネタにするのが小説家の性なんだ、と言う暗喩なのでしょうか。もやもやする読後感でした。
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桜木紫乃、2作目。やっぱり暗い
そもそも、共感を感じる小説ではないんだろうけど、それ以前に主人公を好きになれないと、読んでいて辛い。
主人公の令央は、編集者に言われる様に主体性がない。それだけではなく、弱い立場の人にはキツい。例えば元夫に対して。
一方強い相手、編集者の乙三や娘の美利に対しては、ほぼ何も言い返さない。その切り替えというか態度の違いが、気持ち悪い。
かと言って、乙三や美利が魅力的な訳でもない。むしろキツいし苦手だ。
そんな感じだったので、この作品も好きにはなれなかった。