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紙の本
何にも
2020/01/04 16:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんなにも、何も起こらない作品だとは思いませんでした(笑)
なのになぜこんなにも惹きつけられるのでしょうか。
本に熱中しすぎて電車を乗り過ごした初めての作品です。
紙の本
シュールさにしびれる
2016/02/14 22:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山好きお坊さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
翻訳者の柴田元幸さんは、アメリカ文学の中でもポール・オースター大好き人間らしく、ほとんど一手に翻訳している。後に彼の新訳で読む『ガラスの街』にいたっては、すでに他の翻訳者が角川書店から出版していたことが、痛恨の極みと解説文の端々に感じられるほどであった。それだけに期待して読み始めたが、噂に違え難物であった。私立探偵ブルーが受けた仕事が変っていて、向かいのビルの真向いの部屋に出入りするブラックを一日中見張り、報告書をまとめて郵送するというもの。ブラックは何をするではなく、窓際の机にすわり、何か読み書きしているだけ。ブルーの頭は、ブラックへの集中と仕事への疑問から狂わんばかり、とうとう、変装して接触を試みたり、部屋に押し入るに至る。内容の多くはブルーの思考の上で展開する。この仕事の目的、意味が不明、ブラックもまたブルーと同じ頼まれ私立探偵でもあるようだし、実にシュールな感じのする作品である。
紙の本
事件は現場で起こっている
2015/08/09 20:07
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投稿者:金吾庄左ェ門 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずはじめにブルーがいて・・・と粋な始まり方をする探偵小説です。
私立探偵ブルーが、ホワイトの依頼によりブラックを監視しはじめるのですが、ブラックはこれといって何をするわけでもないので、ブルーは妙な考え事で退屈しのぎ。しかし、事件は会議室ではなく現場で起こっているという言葉通り、すでにブルーは事件に巻き込まれているのです。
そしてブルーは仕事を逸脱し、ホワイトの正体を突き止めようとするのですが、これがホワイトの意図する所であり、起こるはずのない事件であったのです。ブルーはある意味で事件の被害者とも言えます。
紙の本
たちの悪い幽霊
2002/03/21 00:00
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投稿者:ナリティ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからして、なにか変じゃありませんか?
幽霊たちって、わざわざたちをつける必要がある
のかなあ。ねこたちって日本語にしたら、英語のテスト
だったらたぶん三角ですよね?
なんて、表紙を見るだけでいろいろと考えてしまっているけど、何を隠そうこの本は、主人公があれやこれやと想像を巡らせつづける、はっきりいってしまえばただそれだけの話なのです!それのどこがおもしろいかって?おもしろいんですよ、まるで人の頭の中をのぞいているような感じです。
私立探偵のブルーは、依頼人ホワイトから、ブラックという男を見張るように依頼されます。しかし、いくら見張れど何も起こらない。ブルーがブラックに、ホワイトに対してめぐらす推測、ふくらんでいく空想。そういった細部にすごくリアリティがあって、あっという間に読み進めます。事件は起こらないんですけど。そして、衝撃的というか拍子抜けのラスト。とぼけた味わいとはぐらかされた肩透かし感。
本当にたちの悪い幽霊です!
紙の本
お互いを見張りあう男と男の不思議な物語。
2002/01/15 21:05
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投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただただ普通(?)に生活する男を見張るストーリー…だというのに奇妙な緊迫感があり、飽きるどころか引き込まれて最後まで読みきってしまった(といってもページ数は少ない)。合間合間の読者心をくすぐるエピソードの数々に魅了され、ラストの有無を言わさぬ潔さには感服。とにかく不思議で面白い。
紙の本
何も起こらないのにスリリング
2001/03/12 09:34
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投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず出だしがいい。「まずはじめにブルーがいる。それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。」
何の話かと思ったら、私立探偵の話だ。しかも、事件はほとんど起こらない。ブルーがホワイトを見張るだけ。しかもホワイトは部屋に閉じこもっている。ブルーは様々な思いをめぐらす。その思考は、どんどん深みにはまっていく。
何も起こらないのに、ミステリアスで、スリリング。最後までグイグイ読ませる。変な小説だけど、凄い小説だ。