【相手を説得するための方法・・・人は、内心では利益を求めながら、表向きは高い名誉を求めるふりをするものだと想定せよ。】
2006/09/16 13:11
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投稿者:未来のための哲学講座・主宰者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先哲の知恵の中から、レビューア自身の理解と解釈により再構成したものを、一つご紹介いたします。本書に出会うための一つのきっかけにしていただけたらと思います。
【相手を説得するための方法・・・人は、内心では利益を求めながら、表向きは高い名誉を求めるふりをするものだと想定せよ。】
次のように考えておけば、たいていの場合は間違いない。覚えておけ。
説得しようとする相手は、内心では大きな利益を求めながら、表向きは高い名誉を求めるふりをしているものだと。したがって、相手を説得するための方法は、次のようになる。
(1)相手が誇りにしていることを飾り立て、恥ずかしいと思っていることをもみ消してやること。
(2)相手が何か私的な欲望を持っている場合は、その欲望が公の正義にかなっているものだとし、その実行をすすめること。
(3)あることをすすめる意見を提案するときは、まず誰もが承服せざるを得ないような立派な大義名分をかかげて説明したうえで、それがまた、説得しようとしている相手の個人的な利益にもかなっていることを、それとなく示すこと。
(4)あることを止めさせようとする意見を提案するときは、まずそれが当然の非難を受けることを明らかにしたうえで、それがまた、説得しようとしている相手の個人的な損害にもなることを、それとなく示すこと。
(韓非(BC280?- BC233))
命題集〜未来へ引き継ぐ人類の知的遺産(未来のための哲学講座)
君の在り方、君と臣との在り方、民への影響について
2020/10/31 15:44
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この「第一冊」で中心となっている内容は、タイトルに記した事柄です。特に前半に於いては、信賞必罰の徹底です。必罰に関する記述がちょっと厳しいな、と感じはしましたが、日本とは違い国土の広い当時の中国で治世を行うにはやむを得ないとも感じました。
後半は臣の在り方と、更には君と臣との在り方が述べられており、君だけが良くても臣だけが良くても駄目である事がよく判りました。自明の理ではありますが、やはり本書を読む事によって、現代の会社人生に活かしていかなければならない事だと思います。
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人間とは何か、どう支配するか、どうせっするかを教えてくれる。
中国、昔のエリート集団たちが国家試験後に学んだ本。
孔子、老子は理想哲学、人々の信念のバイブルとして、韓非子は現在の実務的な視点を解決する為の本として読むと収穫があると感じる。
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再読。一巻は「孤憤」「説難」「備内」など韓非の思想の中核となる部分を読むことができる。「人を信ずれば人に制せらる」「医、よく人の傷を吮(す)い、人の血を含むは、骨肉の親に非ず、利の加わる所なればなり」(備内)、「主の利は有能にして官に任ずるに在るも、臣の利は無能にして事を得るに在り」(孤憤)、「逆鱗」や弥子瑕の「余桃」(説難)など、名言も多く、戦国時代末期に徹底した中央集権により富国強兵を目指した法家の思想を伝えている。しかし、同時に法術がいかに君主に受け入れられないかということも書かれているのであり、この点、法術の士を見抜く名君がいてこそ、存在意義をもつ思想であるということもできよう。「二柄」篇に主張する「賞罰の権を部下に貸してはならぬ」という指摘一つをとってみても、現在の組織でもおこっていることであり、失敗の歴史は繰り返され、人間はなかなかそう簡単には悟れないのである。
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安能務の「韓非子」を読もうとして挫折した。
理由は、(i)本人の意見、主張が散見される。(ii)文章構成悪い。
ちゃんと原文を載せつつ解説を進めるこっちの本に期待したい。
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この人の文章が好きなんだよすみません。
古典らしくいろんな版があるけれど、「原文・現代訳・書下し文」と揃っていて、抄篇でなく、文庫と揃えやすいというあたりでこいつが一番読みやすいと思います。
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久しぶりに再読。いまの社会、組織にも通用しそうなところが沢山ある。
説の務めは、説く所の矜る所を飾りて、其の恥ずる所を滅するを知るに在り。これは、ごもっともだと思う。
史記など読んでいると、説話が分かって面白い。
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ライフネット生命保険社長出口治明さん推薦図書。
ずっと繁栄し続けられる国や一族なんて、ないんです
読書の秋にふさわしい古典3作品
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120920/237074/?P=1
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*オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレス;http://books-officehiguchi.com/archives/3885141.html
これらの本の構成は、漢文(原文)→書き下し文→口語訳の順で各段ごとにつけている。
中国の法思想・政治思想の本であるが、読者自身が韓非子の思想を身近な具体例がないので、ピンとこないし、自ら考えなければならないので、初学者向けとは言えない。今後の研究方針として、政治思想の研究で、これらの本と私の専門分野との往復をしながら研究を進めたい。
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どちらかというと老荘思想。寓話も知っているものが入っていたりする。法と術だったか、ロジカルで人間の行動原理を上手く突いている。老子や論語より実践的でいい。2000年前にこんなものが有ったころの中国(秦)は偉大であった。一部韓非の文でないものが入っているようだ。
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法律、ルールを決めて賞罰を明らかにする、飴とムチを明確にすると人々は懸命に働き成果を挙げるという。
但し、法がどうあるべきかの内容については一切ふれていない。
著者は身の回りで賄賂や感情に左右される賞罰、特にこの時代では命に関わる重要なこと、が正義とは関係なく日常茶飯事に上は君主から下々の民にまではびこっているのに嫌気がさしたのではないかと推測されます。
結果、考え抜いた末に性悪説と法による監督の認識を世に広く知らしめることが、本人の正義であるとの結論に至ったのでは。
現代の組織で仮に自分がリーダー(君主)たる為には、法を価値観或いはビジョンに沿った筋の通った態度、と解釈すると、襟を正す厳しい大大先輩のお言葉にも聞こえます。適当に感情で周囲や部下、後輩に指示しないこと。そうするとやがて組織が崩れる。。
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話の舞台は春秋戦国時代。
かなり昔の話ではあるがとても面白く、訳も分かりやすかった。
出口治明さんのオススメ本でもあり、最初1回目は途中で挫折したが2回目は面白くて一気に読んでしまった。2巻も購入次第読みたい。
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仕事で失敗したり、鬼のような上司に出会ったときでも、たとえば韓非子を読んでいれば、それほど腹を立てたり落ち込んだりすることはありません。 世の中にはいろいろな人がいて、大変だけれども、人間という動物はいつまでたっても変わっていないのだなあ」と納得できます。(出口「本の使い方」p92)
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韓非子は韓非が書いた思想書である。彼の法を重んじる思想は秦の治世にもつながっていく。悪名高い焚書坑儒や厳しい法律は、韓非子の思想に通じている。彼の思想は、それまでの徳を重んじる治世とは正反対である。君主は決して臣下を信じるな、議論は無用である、例え良いことをしたとしても、法を破った者は罰するべきであるなど、性悪説に基づいた思想である。徹底した法の運用と明確な賞罰によって国を治めるべきと説く。
内容も、孔子などの従来の思想に比べると、人間味がなく冷たい印象を受ける。そして、法に基づいた治世を行った秦も統一から十数年で滅ぼされていることから、間違った思想と取れなくもない。
しかし、彼は韓非子の中で、徳を重んじる従来の発想では戦国時代は統一できない理由を述べている。昔とは時代が変わっており、その時代に合わせた治世の方法が必要だと説いている。秦に仕えた商オウなど、法家の思想によって秦は強国となり統一に向かったことを考えると、富国強兵のために必要な思想だったとも思える。
韓非子は、当時の説客達が説く思想に比べて相当に合理的であり、具体的である。道徳的な思想をや仁愛などを排斥し、実力主義を推進し、国としての実利を追求している。そういう部分ではマキャベリの君主論に近いところがあるかもしれない。
感情的にはあまり受容れられない考え方だが、強い組織を作る上で、1つの考え方になるだろう。
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法家思想の書。全4冊中の1冊目。
法律にしたがって賞と罰を厳格に与えていかないと国は滅ぶ、という思想。
各章・段落毎に、漢文の白文、書き下し文、現代語訳が並んで書かれている。最初は書き下し文と現代語訳を順に読んでいたが、よくわからないので途中から現代語訳だけにした。書いてあることはシンプルだと思うが、主題と例がまざってわかりにくい。いや、教養不足で読み下せない。