どんな人にもドラマはある
2021/02/14 21:25
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京近郊の町に住んでいる人たちの物語、魚屋さん、八百屋さん、予備校講師、料理屋さん、たこ焼きさん、占い師、いろんな人にはそれぞれのドラマがある、普段スポットライトなんか浴びたことがない人たちも掘り下げてゆくといろいろな人生が浮き彫りになってくる。ふと立ち寄ったたこ焼き屋で会話をしている男女や、おやじたち、この人たちはいいなあ、何も悩みがなさそうで、なんて思っていていたら実は・・・。でも、私のこれまでの人生にスポットライトを浴びせてもなにも浮かび上がってこないと思うよ、平凡だから。でも、川上弘美氏にかかれば私の人生も物語になるのか。登場人物の中では私はロマンのあけみさんに会ってみたい、あまりかかわるのは嫌だけど
どこから行っても遠い町
2023/06/24 20:23
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
川上弘美による連作短編集。おそらく平成初期と思われる時期の東京を舞台にしている。前の作品で出てきた脇役みたいな人物が次の作品では主人公になっている。他の人もレビューに書いているが、人に歴史あり、と感じられる。素敵な読後感。
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★ひと息つくこともままならないめまぐるしく過ぎていく日々。心を落ちつけたいと思って思い出したのがこの本。都心から地下鉄でも私鉄でも20分ほどにある町の商店街近くに住む人々の日常を紡ぐ短編集。それぞれの人の日常が時に折り重なりながらも、淡々と過ぎていく。本当に淡々と。どこか寂しく、でもどこかほのかに温かさをにじませて。ありふれた日常のはずなのにどこか浮世離れしているようなこの世界観にほっとさせられた。(2015/07.02)
★文庫化されたら買おうと思っていた1冊。
川上さんの書く小説は、どことなく現実味がないのに、いちばん現実味がある気がする、不思議な読後感を毎回、味わう。魚春やぶどう屋、ロマンのある街に住んでみたい。(2011/08/29)
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わりと初期の連作短編に近いような雰囲気。
「長い夜の紅茶」が好きです。私も熱血苦手なのかも。
ここまで淡々とはしきれないけれど。
サバサバしたお姑さんはいいな~。
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川上さんはよく「なんでそこに焦点あてたんですか」と聞きたくなるような人に焦点を当てて話を紡ぐ。
細かいところを当てると「平気でうかつなことを口にする」とか、「疑いをもたない人たち」とか、「好きな人が死ぬと、すこし、自分も死ぬのよ」とか、小さな言葉の言い回しがとても好きで。登場人物へのスポットライトの当て方が好きで。
この「どこから行っても遠い町」は、日常の当たり前が、よくよく見ると儚さとか危うさとか脆く崩れやすいもので集まっていて、それを遠目でぼんやり見ると平凡に見える、というようなことを教えてくれる小説だと思います。すぐ身近な、どこででも起こっているような話だけれども、実際そんな町のこと全てを把握できる筈はないし術はない。だからこそ、どこにでもあるような町のどこにでも居るような人の話なのに、どこか遠くの町の話であるように感じる。すごいタイトルだなぁと思います。
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擦り合う人々の人生が織りなすひとつの街の物語。
読み応えのある連作短編集だった。あと読み終えた後の広がりも。
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どこかの商店街が舞台の短編集。
普通の町で暮らすひとたちの、普通の毎日。
ピックアップするとみんな色々あるわけで、それが人生である・・という内容。
特に大きな事件が起こるわけでもないとても静かな本でし。
でもそれだけに、こういう物語を書けるのってすごいと思いました!
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普通の人の普通の暮らし
でも、外からは見えないそれぞれのドラマがある。
「都心から20分程の小さな商店街」その小さな商店街を通る人たちが、ある点でつながっている。各短編毎に違う主人公が少しづつ重なっていく。その主人公の奥に潜んでいる深い心情が、ほんわり私の心に浸み込んでいく。
それぞれの線がどこでつながっているんだろうか?何気ないんだけど、何気ない何かが気になりつつ、一気に読めてしまう。読み終わったとき、また最初の1頁を捲っている私がいる。
初めて読んだ川上弘美の作品。癖になりそうな予感。
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いつものミステリとは違う心持ちで読む川上弘美。この、日々の中でふっと怖くなる感じ、でも段々そういうことに鈍くなっていく感じに、共感。速すぎて、意味ばかり考えていて、未来のために今を絞り出してるまさにそんな毎日を送っている自分自身にとっては、こんな風にふと気づく時間がなくなっていくことに恐怖を感じる。勝つことに、目の前の快感だけ追い続けることに意味はあるのかな。
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ある町のある商店街を舞台にした短編集。
一つ一つの話しがどこかで繋がっていて、“あれー?”っていう疑問が“だからかー”“そんな理由が…”とかわかるのが新鮮で面白かった。
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自分好みの作品ではなかった。日常描写なはずだけど、しっくりこない。めまぐるしく変わる視点、ついてけず・・・うーん。
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タイトルと表紙が素敵。
東京の都下の商店街を舞台に、どこにでもいそうな普通の人々の暮らしが綴られているがとにかく暗い、という印象。
よく練られた群像劇だし、それぞれの登場人物に魅力がないわけでもない。
しかし読み終わった後に徒労感を感じてしまう。
どこまでも不気味に続いていく日常とその不安に飲み込まれそうになるも踏みとどまる人々。はかない、ぼんやりした感じの話ばかりだ。
それはそれでとても共感できるし、時代をよく表しているなぁとも思うが、閉塞感とはかなさから読後感が割と良くなかったので再読する気にならなかった一冊。
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とある商店街を中心にした、その周囲に住む人々の話。
これと言って大きな事件も山場も無い。けれども人の日常なんてそんなもの。自分の周りでは大きな波が起こらなくとも、その人その人なりの、心の中では大きな波が起こる。こんな町、行ってみたい。でもどこから行っても遠いのだろうな。
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この人の作品は、どうしてこうも不思議なのだろう。
ぽん、と放りだされたような読後感。
そして、もう一度読み返したくなる。
何となく途方に暮れてしまうな。
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連作短編なんだけど、ちょっと個人的には好みの感じではなかったかな?という感じ。
どこにでもある話だから、一つ一つの話としては面白いんだけどつながりが掴みづらかった。