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人はなぜ、自分と相反するものに攻撃をするのだろう。簡単に欲しい情報が手に入るインターネットが普及した現在。自分自身と相反するターゲットが自動的に目の前に現れ、すぐに物言いできるようになったSNS時代。日本国内だけでも、一体いくつの誰かを攻撃する追撃型相反ミサイルがSNS上に飛び交っているのだろうか。自分の意見を発言することは非常に重要であり、決して間違いではない。でもなぜ、ただ自分の意見を発言する人がいるだけで、自ら命を絶つ人が出てしまうのか。それには理由が多くあるはずだが、この世に溢れている『誤解』への向き合い方で、一つの大きな原因を取り除けるのではないかと、この小説から感じとることができる。
冒頭から、私は一つの大きな『誤解』をしてしまっていた。今思うと、古市さんの思惑だと思う。この小説は、古市さんがこの登場人物の港に酷似しているあの俳優さんにインタビューのうえ作成した、ノンフィクション小説なのではないかと思っていた。好きな俳優さんだったことと、想像を絶する過去を経験した方だと目にしていたので、読めば読むほど心に強く響くものがある。それに、冒頭で離ればなれになると書いてあるため、バッドエンドをイメージしたのも私の『誤解』である。そのままストーリーは心がほっこりするハッピーエンドで終わり、次のページには「本作品はフィクションです」の文字。『誤解』が解け、やられた、と泣きながら私は思い、本当に誤解はそこら中にあるのだなと感じた。絶対に古市さんの思惑通りである。
誰かにミサイルを打つことは簡単だ。もしかすると、性的マイノリティの方や、リアリティ番組の出演者にミサイルを撃ったことがある人が近くにいるかもしれない。人生うまくいってなかったり、嫌なことがあった時は、普段は撃たない人でもとんでもないミサイルを撃ってしまうこともあるだろう。だけど、撃つ前にもう一度考えて欲しい。撃ち終わってからでは遅いこと、どこかに『誤解』があるんじゃないかということ、自分に自身がないことから自意識過剰になってはないかということを。誰かに対する【アスク・ミー・ホワイ】、自分自身に対する【アスク・ミー・ホワイ】が重要で、その誤解を解こうと寄り添うことが特に大切なんだと教えてくれる。解くことは難しいけど、不可能ではない。きっと、私にも貴方にもできるはず、難しいけど、きっとできる。
地球がなくなれば、憎しみはなくなり、確かにハッピーエンドなのかもしれない。ダメ、絶対ダメだけど、もしかしたらマリファナやコカインを吸ったらハッピーなのかもしれない、ダメだけど。でも、ヤマトと港のように、他人に裏切られながらもきっといい出会いはある。なんてったって、今の時代には出会いアプリが充実しており、運命の人と高確率で出会える世の中でもあるのだから。ミサイルを撃つ前に、気になる人にLIKEを打つ方が絶対に良い。
『誤解』同様に、このストーリーのように人生が変わる『きっかけ』はそこら中にあって、私もそのきっかけを信じ、この『誤解』まみれの世界を楽しみながら生き抜いていきたい。
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友情と恋愛の区別って何か、分からなくなってきた。
自然と吸い込まれる感情模写。
性的描写も吸い込まれる。
人と人とのつながりって、いろんな形があることを実感。
感情の高まりなどをうまく表現している
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わかりやすく、読みやすい文章で詰まることなく読めた。
つつがない日々にとつぜん訪れた慌ただしくも楽しい日々を通して、人生を楽にするすべを知っていく
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導入部で物凄く悲しい結末を想像して
読んでいる間もずっと悲しい勘違いをしたまま
最後「あれっ?」大丈夫でした。おいやめろよ、勝手にモヤモヤするのは。自分のせいだろ。
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「あのね、夢を叶えることと同じくらい、願った夢を忘れている人も多いんじゃないのかな」
「同じ才能を持っている二人がいたら、勇気があるほうが勝つに決まっているんだよ。だって勇気がない人は、才能を発揮することなく人生を終えていくんだから」
Een vervelend misverstand(オランダ語」で「悲しい誤解」
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うん、これはBLですね
古市氏、BLの才能あるね!
でもあからさまに成宮くん的な設定は
大丈夫なのかな
私はBL好きだからいいけど
文学作品としたらもう少しって感じです
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古市さんの、「平成くん、さようなら」に引き続き読みやすくおもしろい文章だった。
オランダはドラックや性に対して自由な国であることを初めて知った。
同性愛者の気持ちはなかなか理解できていなかったけれど(今も理解できていないとは思うけれど)、相手にドキドキしたり、その人がいないと寂しい気持ちになったり、、普通の恋愛と一緒なんだなって思った。
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成宮くんの話とかしか思えなかった。だからこそ幸せになってほしいと思いながら読んだ。
途中で出てくるシーンで主人公がなぜ大したことない売春婦に声をかけたのかよくわからなかったけど。
最後の最後まで男が好きなわけじゃないと言いなごらも湊に惹かれていったのはある意味リアリティーがあった。BLだとそこまでは引っ張らない。
希望がある話でした。
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きれいな作品。リアルと幻想の歯車が面白く噛み合わさっていて、読み終わったとき“まあ、ふたりとも世界にいるしな”と思う。ひねくれているようで擦れていない、まっすぐな文章だなと感じた。
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男とか女とかじゃなくて、この人が好きなんだ、という恋愛物語。なのが良い。
舞台が外国だから成り立つ感じもある、空気感
2021.4.30
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事実は変わらなくても、解釈でいくらでも事実を上塗りしていくことは出来るはずだからさ。過去はね、変えられるはずなんだよ。もしかしたら、未来よりもずっと簡単に
全く同じ内容でも言い方一つで見え方は容易く変わってしまう
誰かの考えを強制的に変えさせるなんて不可能だと思う。論破は一方的な自己満足に過ぎない。結局、人は自分で気付くことでしか、考えを改められない。
「悪い予感ばかりが当たるのは、そもそも未来に期待していないからだよ。昔はきっと嫌なことばかり考えたんじゃないの」
あらゆる関係には、誤解や思い違いやすれ違いが含まれている。その中で、誤解を解こうとする過程にこそ意味があるのではないか。完璧に理解し合うことが無理だとわかりながら、その状態に近付こうとする試行錯誤こそが、誰かを思い合うことなのだと思う。
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ホントに古市憲寿‼と思っちゃいました……
性別関係なく、切なくて、儚い、恋のお話でした。
オランダを舞台に、薬疑惑で芸能界を引退した彼、彼女に強引に連れてこられ、半年足らずで振られてしまった彼、出会うはずのない二人が出会うことに……
思うはずのなかった感情に翻弄され、明日を楽しみに生きていくことを幸せと感じられる毎日が微笑ましい。
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優しい物語だった。
フィクションって書いてあるけど
港は、どうしてもある俳優さんが頭に
浮かんできて離れなかった。
ずっとその俳優さんを思い浮かべながら
読んだ。どこまで本当の話なんだろうとかも
考えながら。
あと読む側に人物の感じを具体的にイメージ
させることができるのだとは思うが、
人物が着ている服や持ち物など
いちいちブランド名から書いてあるのが
個人的には過剰に感じた。
(サンローランの黒いシャツとか
蜂のマークのついたディオールの帽子とか。)
物語の中にあった
「あらゆる関係には、誤解や思い違いや
すれ違いが含まれている。その中で、
誤解を解こうとする過程にこそ意味があるの
ではないか。完璧に理解し合うことが
無理だとわかりながら、その状態に
近付こうとする試行錯誤こそが、誰かを
思い合うことなのだと思う。」という
部分が心に染みた。
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彼女と別れアムステルダムで味気ない生活を送るヤマトは、スキャンダルで引退した俳優、港と知り合う。ゲイの港はいろんな男と奔放に付き合い、クスリも使う。価値観が180度違うが何故か気が合う2人。ヤマトは華やかな港に惹かれ、親友に裏切られ深く傷ついた港はヤマトを深く信頼する。ノンケのはずのヤマトが次第に港に近づく男に嫉妬したり、近づくと体温を意識したりと繋がりは深まるが、異性とか同性とかじゃなく、それ以上にお互いが精神的な支えとなっていく過程がとても良かった。不穏なプロローグだったが、清々しい気持ちになるラストだった。
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同性愛とドラッグの日常が知れる、そんなお話でした。想像しながら読み、よく分からず興奮している自分がいる