大学・社会学部の講義を聴いているような
2020/11/09 16:41
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわば「社会学の入門書」です。
読み進めると、さながら大学で社会学部の学生が講義で聴きそうな内容でした。絵も多く、非常に読みやすいです。
また、各章ごとに参考文献が記されています。社会学について見識を深めるには、当書で示されている参考文献も合わせて読むといいでしょう。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり、詳しく、ていねいに書いておられて、中高生でもわかりやすいのではないでしょうか?もちろん、大人が読んでも、なるほどなぁ~と、納得できますし。何よりも、大学で、社会学の講座取りましたがそれよりもイイ!
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筒井先生がいかに「社会」と向き合い続けてきたかがわかる内容。ちくまプリマー新書は,ヤングアダルト(おとなとこどもの間)を対象とした新書(wikipedia)らしいですが,その層だけでなく,ややアダルト(30代前半頃)にも響く。
社会がいかにわからないか,そしてなぜわかりにくくなっているか,その中でどのように私たちは生きていけばいいか,「社会」に向き合い続けて考えてきた筒井先生だからこそのお話がたくさんあります。
社会学入門の入門書としても良い一冊ですし,社会心理学入門の入門書としても読んでほしい一冊です。社会心理学は社会学と心理学を包摂するような,あるいは,間を循環するような学問である必要があると個人的には思っていますが,心理学に染まっている「社会」心理学にとってはぜひとも必要な視点であると思います。
社会と向き合う心理学者にとっても,平易でありながら,学問のあり方について再考を迫るような一冊ではないかと思います。
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実用的な製品やサービスに結びつきにくく、非専門家からはその価値が見えにくい社会科学系、人文系の学問の価値について理解するのに役立つ本だと感じました。
複雑な社会の中で人々は不安になることを厭い、単純明快な理屈に(ときには陰謀論のようなものにも)惹かれがちだが、「社会は複雑で、わからないもの」という前提を受け入れ、安定と変化の両立を図ることが重要と著者は説きます。
特に 第一章「わからない世界」にどう向き合うか は高校生や大学生の方は文系理系問わず(むしろ理系の方にこそ)役立つ内容だと思いました。
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社会学入門的な本は数多く読んできたが過去読んだ中では断トツに良い。「社会はなぜわかりにくいのか」「知るにはどうしたら良いか」というリサーチクエスチョンをベースに社会学・社会科学の視点や概念を非常に分かりやすく教えてくれます。高校生の時にこの本があれば!
読書案内としても充実しており、紹介されている本を順に読むだけで相当に学べる。細かいけど読書案内が本文中にあって読みやすく、かつ巻末にもリストまとめがある親切な構成なのも良かったです。
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社会は常に動かす余地のあるもの
社会の理解は多様である
常に他のやり方もありうることを模索してみる
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私たちが生きている「社会」は、合理性がなく、曖昧さを含有した「わからない」ものであるということをわかりやすく論じている。
10代の頃、世の中のことがわからないのは自分に知識や教養がないからなんだと思っていた。そして大人になれば、世の中がわかるようになるのだろうとも思っていた。けれど現実は大人になってもわからないことだらけで・・・大人が読んでもためになるけど、社会に出る前に読んでおきたい本。
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中高生レベルの読者をターゲットとしながら、大人でも十分に楽しめる本質をシンプルに突いた良書が楽しめるというのがちくまプリマー新書のイメージであるが、本書はそのイメージを体現するかのような良書である。
気鋭の社会学者である著者が本書で伝えようとするメッセージは、「私たちは自分たちでもよくわからない世界の上で生きている。そして様々な出来事は相互に緩いつながりを持っており、その緩さゆえに、余計にわからなさを増す」というものである。
第一の含意、「自分たちでもよくわからない世界」という点は、勧善懲悪・二元論・陰謀論のように、一見わかりやすいように見える叙述が実はデタラメである、ということを示すだろう。第二の含意、「社会の緩さ」という点は、局所的な事象のつながりだけを見ていても社会は明らかにはならず、様々な事象の相互関連性をホリスティックに眺めなければ、複雑化する我々の社会を説明することはできない、ということになる。
これらは当然、現代の社会学における基本的な学問的態度といえるものだが、そうした理屈を抜きに、我々の社会というもののわからなさと緩さを説明する本書の教育的効果は極めて高く、中高生にこそ、ぜひ読んでほしいと思う。
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社会学ではなく、「社会」に関する本は珍しい。そしてその出発点は「社会は理解できる」ではなく、「社会は理解できない」であることも面白い。感じていたモヤモヤ感を吹っ飛ばしてくれるような本だった。「なぜ日本は〇〇なのか」「なぜ少子化は止まらないのか」と言った疑問の裏には、明確な意図があり、それを変えてしまえば解決するだろうという楽観的な考えがある。そしてそれは大抵裏切られ「なぜ変わらないんだ!」と喚かざるを得ない。
そもそもの前提が間違っており、確かに人間が作ったのだけど、複雑化しすぎてもう誰にも理解できなくなっているというのが正しい。これを飲み込めたことはかなり大きな財産になっただろう。
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社会の緩みという概念に新しく触れ、ここ数年での違和感の正体が腑に落ちたように感じた。
適切に社会を記述する方法つまり緩いつながりを記述する方法を、丁寧に説明している。
社会はますます複雑になっており、決してシンプルではないということがよく理解できた。
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今社会で起こっていることは、一つの要因や誰か一人の責任で起こっていない。
ゆるいつながりの連鎖で成り立っている。
しかし、善悪二元論で白黒つけたくなるのが人情。
その二元論は自分の中にも生じることを自覚して、バイアスがかからないようにしていきたい。
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社会の変化や現象は、誰かの意図に基づいていたり、原因があり結果がある、というようなものではなく、様々なことが時間や空間を越えて複雑に結びついているという。社会学的な物の見方や考え方が紹介されていて、物事を緩い繋がりの中で俯瞰する意義がよくわかる。自分の視野の狭さを痛感し、深く広く物事を知りたくなる。
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社会学の考え方、捉え方を学べる一冊。
目の前を走る車の部品さえよく知らないのに、比較できないほど複雑なこの社会のことなんて誰も全部はわからないよと説く。
社会の「緩さ」について何度も言及されていましたが、それを覚えておくと、いい意味で気持ちの緩さも得られそうです。
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社会とは緩いつながりである。
社会学とは、もしくは社会とはを考えながら社会学について語ろうとする本。明確な因果関係があるわけではなく、また動いている状態を止めないまま観察するために、その技法や理論は科学的にすっきり割り切れるものではない。社会学が何に陥ってはならないのかを考えさせられるとも思った。誰かやどこかの集団に原因を求めず、複雑に絡み合う現象を記述し説明していく。それはある意味まどろっこしいが、軽んじてはならない学問の方法である。
様々な参考文献や読書リストが提供されているのもよい。
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人間は自分たちが作ったよくわからない社会の中で生きている。
社会とは何かをわかりやすく説くが、やはり難しい。でも考える入口になりそう。
新たな考え方や見え方を提示されるのを面白く感じる。それが楽しい。
読書案内でより世界を広げてくれるのが嬉しい。