紙の本
どうだろう
2021/08/07 01:40
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画なのでこういうドロドロの共依存も許されるのでしょうけれど、現実には難しいですね。他人事なら眺めていられます。
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無料公開になっているのをたまたまtwitterで見かけて深夜3時まで一気読み。
正直めちゃめちゃ面白いとかではないし、主人公横井さんがまあとにかく論理的に喋る人だから全く感情移入はできなくて、心地悪いような気持ちもあった。あまりにリアルなので読んでいて苦しくなる。
斎藤さんのお母さんに一番入り込んで、どんなに苦しかっただろうと泣きそうになった。父親に逆らえず、夫婦愛と親子愛の板挟みになったり、外部と娘の板挟みで、娘にどういう言葉を選べばいいかわからなくなる。
横井さんの論理的思考とそれゆえの行動を見ていると、なるほどそう付き合えばいいのか、とヒントをもらえるのだけど、じゃあ実際に同じようなアスペルガーの子、いわゆる「普通」とはちょっと異なる子が目の前にいたときに、同じことができるだろうか。絶対にできないと思った。齊藤さんのお母さんのように、思いやりの言葉が仇となって、横井さんと話す姿を見て、「本当に通じてるの?こっちまでおかしくなりそう。」なんて、感じてしまうんだろうと思った。
横井さんが体調を崩して「誰にも起こされずに眠りたい」って思ったくだりもまた苦しかったな。
本人が一番苦しんでいるのに、周りの人は否応なしに巻き込まれる。勿論みんな幸せに生きたいから、わざわざ四六時中弱って死を引き寄せている人と一緒にいようとは思えないよね、、発達障害は「性格」とみなされてしまう部分がちょっとだけ特殊なもの、だから難しい。コミュニケーションにおいて一番浮かび上がる要素だから。なんてこの世は残酷なんだろう。