真っ直ぐな美咲の今後が気になる
2024/06/20 11:20
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投稿者:amami - この投稿者のレビュー一覧を見る
美咲が18歳のまま歳を取らない、歳を患うって設定がすごくいいと思った。
青春時代にしがみつく、過去の栄光を引きずる、これらも歳を患ってる症状の一つだけど実際には時は流れるし、ましてや戻らなくてどうにかこうにか折り合いを付けて歳を重ねて生きていく。そんな当たり前を「そんなもんだ」って片付けないで大事に扱っているのがこの作品だと思う。
教頭の「〜年齢は何よりも優先的に物事の決定権を持つ。」は、自分が18歳の頃にもぜひ聞かせたかった。
過ぎ去った青春描写が良い
2024/02/20 18:31
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
描かれた痛々しい青春部分は良いが、全体的に設定負けしているように感じられる。動機もあまりしっくりこない。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
若い頃の、気恥ずかしさみたいなものを思い出しました。不思議な話ではありますが、すっと入り込んで読めました。
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ある日、向かいのプラットホームに同級生を見つけた。だが、何かおかしい。彼女は高校生の制服を身に着けていた。
卒業してもう何年も経っているのに。
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年齢の概念を変えさせる物語で、SFなんだけれどもミステリーの要素もあり、ふっと立ち止まらせてくれる感じにさせてくれました。
30歳の主人公が、通勤途中、ふとホームで目撃したのは、18歳のままの同級生・美咲だった。これは現実?なぜ高校生の制服を着ているのか?
高校生だった過去の記憶と振り返ったり、友人や恩師に会ったりと美咲の隠された真相が明らかになっていきます。
ずっと18歳のままの美咲ということなので、「美咲の親は?」「高校生の間、お金は?」という現実的な問題を読んでいる間考えていました。終始、そういった所が描かれていないので、これは現実ではなく、パラレルワールドとして解釈しました。
美咲をいかにして19歳にしていくのか。最初の方は、美咲との出会いや部活の光景など高校生ならではの青春さを感じさせてくれるので、ミステリーというよりは青春小説でした。当時流行っていたアイテムも登場し、懐かしさも込み上げてきました。
また、現在の主人公のパートでは、普通に18歳のままの美咲と普通に会話しているので、こちらが変なのかと思うくらい違和感を感じました。
その後は、「今」の美咲の同級生や「過去」の同級生、昔の先生と出逢いながら、なぜ美咲は卒業できないのか、段々とミステリーの要素が入っていきます。
その真相は残酷であり、一気に甘酸っぱさから苦々しい雰囲気に変わりました。
秋倉さんの小説は初めてでしたが、伏線の張り方が面白かったです。全て回収というわけではありませんが、何気ないエピソードが後に大きな鍵となって、真相へと導いてくれるので、真実がわかった瞬間、「あーなるほど」と思わず納得しました。エピソードの裏側では、こんな真相が隠されていたんだということで、話の奥行き感が増しました。
ミステリーとしても楽しめましたが、ヒューマンドラマとしても楽しめました。
高校生が考える夢や理想、大人になって感じる理想と現実を一歩引いたところから俯瞰的に捉えていて、ちょっと考えさせられる部分もありました。
なかなか理想通りにいかないのが人生であり、上手くいかないのが多数かと思います。それをどう自分にとって、楽しめる人生にしていくのか。
高校生に思い描いていたものとは違うかもしれないけれども、今が楽しめればイイじゃん。そんなことを読んでいる時に思いました。
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もうすぐ30歳のサラリーマン間瀬がある日、駅のプラットフォームで高校の同級生二和を見かける。しかし二和は高校の制服を着た18歳のままだった。って、いやそれどういうこと?永遠に年を取らないっていうSF設定?あるいはファンタジ?でも彼女の元同級生からその謎を解いて欲しいと頼まれる。つまり、本人も周りも「年を取らない」ことを理解してはいるようだ。彼女に何があったんだ、なぜ彼女は年を取らないだ。元同級生たちはなぜずっと18歳のままの彼女を受け入れているんだ?
二和に恋していた間瀬の、謎解きの旅が始まる。この、間瀬の過去を探す旅がいい。元同級生を訪ね二和との話を聞いて回る。なぜ間瀬がそこまでやるのか。二和との本当の関係は。そのあたり、甘くて痛くて恥ずかしくて尊い、まさに青春だ。自分の18歳の恋の空回りを思い出し悶絶する人、多いだろう。わかるわかるの大合唱が聞こえるようだ。高校時代の教頭の存在もいい。いい先生だ。こういう先生に出会えたことは大きな財産だな、間瀬君。
そして明らかになる「真実」。18歳のまま高校にい続ける理由。け、れ、ど!
年齢って、なんなんだろう。1年ずつ年を取ることっていったいなんなんだろう。なんなんだろうね。
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不思議な物語。通勤途中の駅のプラットホームで、9年ぶりに見かけた彼女は高校生のままだった。Why? 主人公は、この謎を追って、昔の同級生や彼女の現在の同級生達に話を聞く。この辺は読んでいて違和感ありありなのだが(おそらく作者の狙い)、次第に明らかになる主人公と彼女の過去。そして現在。これもやはり青春ミステリーなのか。
そして、最後はそんなこともあるのかなと妙に納得(?)させられた不思議な物語だった。昔の彼女が歳を取らないなんて、ちょっと雨月物語を想像させられたのだが、どちらも作者の名前は同じ「秋成」だ
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何やら不思議な話だったな。
18歳から抜け出せずにいる二和美咲。それに気付いた間瀬は、過去を思い出しながら、その謎を明かしていく。
間瀬の高校時代。
先輩が抜けて部員1名になった新聞部。活動は新聞を読み、プラモデルを作ることと決める。それを静かに認める教頭。
こんな教頭先生がいたら、高校時代楽しかったかもね。
「大事なのは夢が破れることを恐れることじゃない。昔の夢にこだわりつづけることでもない。どんな地点からも、最前の跳躍を決めることだ。」
間瀬が書いた手紙を読んだ、二和からの返事が気になるなぁ。
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なぜか18歳であり続ける「彼女」と
当たり前のように時を刻み続ける「世界」
そしてその矛盾に疑問を持つ「自分」と
疑問を持たない「周囲の人々」
全てに謎が隠されていて
全てに真実が埋め込まれている
綺麗な終わり方ではないかもしれないけど
誰も予想できない展開が隠れミッキーのように随所に隠されている
通り道では気づくことはできないけれど
帰り道で振り返ってみると巧妙なトリックのタネを発見することができる
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時が止まったり進みすぎたり、時間の概念が一つではないことを具現化した青春SF。
読み終わって思い返すと結構おもしろいつくりな気がするけど、読んでるときはちょっとこうだるかった。
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ミステリーとして読むと張り巡らされている伏線を見事に回収していくストーリーテリングは、さすがは浅倉秋成という感じでした。
一方でヒューマンドラマとして詠むと、高校生時代や大人になってからの理想と現実や、夢や妥協など考えさせられるテーマが描かれていて、今の若者もかつての若者にも読んで欲しい作品だと思います。
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彼女が十八歳に留まる原因は最初の高校三年生の日日にある?僕は友人や恩師を訪ね、調べ始めた。注目の俊英が贈る、ファンタスティックな追憶のミステリ。(e-honより)
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30代を目前に控えた主人公が高校時代のある謎を解くために奔走する、というお話。
現在の主人パートと高校時代の追想が交互に描かれるが
高校時代のパートを読み進めるのに苦労し、現在パートはスラスラと進むのは、自分が高校時代から余りにも遠くに来てしまったのかも。
特異な設定に沿ってストーリーが展開するのだけれど
登場人物が違和感を感じていないが読み手のこちら側は設定に違和感を覚えてるしまって、その辺りの地ならしが足りないかな?とも感じた。
著者の他の作品も続々文庫化されるとの事で、他にも読んでみたいとは思った。
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大人になりたくないから、本当に歳をとるのをやめてしまった。9回も18歳を続けている……。何それ羨ましい(笑)
最近年齢を重ねることに焦りを感じ、昔に戻りたいとばかり思っているせいか、この設定が羨ましすぎて。年齢を患うって言うのなら、私も大して変わらないなと。何だか読んでいて痛かった。
誰だって何かしらは後悔を持っているだろうし、ふとした時に思い出す事はあるだろうけど、ずっと引きずり続ける人ってどのくらい居るのだろう。
個人の精神的な問題、恐怖もそうだが、色々と未来が心配な昨今。何だかすごく刺さった。
この物語の人々は、ちゃんと前を向いて歩けたけど、誰にでも救われる日が来ればいいな。
それにしても、教頭先生が最高だった。
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単行本うらすじよりー
いつもの時間より遅めの九月の朝。
通勤途中の駅のホームで僕は高校の同級生・二和美咲の姿を目撃する。十八歳のままの姿の彼女をー。二和は僕が卒業してからもずっと十八歳の高校三年生として通学しているという。周囲も不思議とは感じないらしいが、彼女に恋をしていた僕だけが違和感を拭えない。何が彼女をその姿に留めているのだろう?最初の高校三年生の日々にその原因があるはずだと考え、僕はかつての友人たちや恩師のもとを訪ね、二和について調べ始めた。ファンタスティックで切ない追憶のミステリ。
この作品では二和美咲が何度も高校三年生を繰り返しているのに主人公の僕こと間瀬以外は誰もおかしいと思っていません。当たり前のこととして受け止めています。その辺がミステリアスではありますが、私にはよく理解できませんでした。
最後のメッセージがすごくよかったと思いました。
「みんな年を取るにつれて、現実に直面する。夢ばかり見ていられなくなっていくのは仕方ないことだ。誰も望んで希望や夢を放棄しているわけじゃない。もがく子供には存分にもがいてもらった方がいい。もがく環境を整えてやるのが大人の仕事なのだーでもきっと君はもがきながらも前に進まなくてはならない。子供とは、そんなにも長く続けるような身分ではないのだ。年齢がなんだ。そんなものを言いわけにしているうちは永遠に子供だ。俺はもう二度と自ら年齢を間違えない。誰も死んでなんかいない。人は生きてるかぎり、間違っても死んでなんかいないのだ」