なぜ宝くじの行列ができるのか?
2005/12/13 23:51
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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古典経済学での基本である、人間は合理的に行動する、貨幣の限界効用が一定であるという仮説を「何故人は期待リターン-50%の宝くじを買うのか?」という分析によるイントロにひきつけられます。
続けて、投資におけるファンダメンタルズ分析とテクニカル分析二つのポピュラーな手法に対して「現実界でのさまざまな事象」を基に反証を続けていきます。全ては不確実なマーケットの中で起こり、また、理論は起こったことに対する説明で完璧なものはないと突き放した上で、様々なアプローチについて説明していくスタンスも、必勝投資本などとは違い、気持ちよく読めました。
専門的に経済学・ファイナンスを学んだ人には、広く浅い内容と写るかもしれませんが、素人の私でも十分楽しく読める本でした。期待以上に面白かったです。
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図解でわかるランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて
ウォール街のランダムウォーかをいくつか読んだ内容をブログにもまとめた
ことがありますが、ウォール街のランダムウォーかを多面的に見る方法が
あるか?
先人の知恵・・・という名の参考図書がamazon.comにありましたので早速、購入し
てみました。人によっては投資の本を買っていないという人もいますが、
「僕の場合、お風呂で読むから・・・」買う必要があるんです・・・。
そのほか、付箋を貼ったり、マーキングするので、やっぱり、買う必要があります。
■ウォール街のランダムウォーカを読んだときのメモ1/2/3/4/5
ではでは、ここから本誌を読んだときのメモを記載します。
■投資で成功するには?
・自らの投資哲学を持つこと
・マーケットを理解すること
投資理論は総合科学である。
古代ギリシャ 自然科学
近代 物理学、経済学、心理学、哲学
↓
現代 投資理論
■ランダムウォーク理論とは?
⇒マーケットの成熟度が高ければ「相場の変動はブラウン運動に従う」
という考え方である。
ブラウン運動が相場の動きにも適用されるためには、以下の三つの
条件が成り立つことが前提となる。以下の条件を満たしていると、
その結果、マーケットは、ブラウン運動に従う。
その動きを、「効率的市場仮説」という。
■ブラウン運動のための条件
1.相場を変動させうる情報は、瞬時にマーケットに広がる。
(情報コストがゼロ)
2.売買に際して、税金や手数料などがかからない
(取引コストゼロ)
3.すべての投資家は、金銭的利益を最大化するように行動する
(合理的投資行動)
マーケットがこの条件を満たしていて、結果、相場の変動がブラウン運動に
従うという考え方を、「効率的市場仮説」という。
「仮説」とついているのは、特定の前提に基づく理論モデルという意味ですが、
この仮説上の効率的市場では次のことが起きる。
ある証券価格を1%上昇させる情報が発生すると、それは瞬く間にマーケット
に広がり、投資家はその1%の値上がり駅を得ようとして即座にマーケットに
殺到する。
その結果、あっという間に証券価格は1%上昇し、その時点で情報は完全に、
織り込まれ、そこで値動きがとまるということである。
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行動ファイナンス含めたファイナンス理論を数式なしでわかりやすく俯瞰している本。投資に関する話題も多々出ており興味深かった。初級
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投資の世界では有名なランダムウォーク理論とは、「マーケットの成熟度が高ければ、相場の変動はブラウン運動(理科で習った、あのブラウン運動)に従う」というものであり、また行動ファイナイスとは、「マーケットにおける人間心理」のことです。
本書ではこの2つを柱として、マーケットの非効率性やマーケットにひそむ落とし穴などということから、投資に必要な資質まで、幅広い範囲にわたって解説されています。
図解メインの入門書の定石通り、各テーマについて広く浅く語られていますが、その語られている内容はかなりのものではないかと思います。
普段から経済や金融など様々な入門書に手を出しては、退屈になって途中で放り出してしまう僕としては珍しく、最初から最後まで興味深く読むことが出来ました。
ただ、執筆されたのが2005年ということもあって、本書ではアメリカFRB元議長のグリーンスパン氏が手放して称賛されています。ご存じのようにサブプライム危機の元凶とも言われ、その権威も地に落ちてしまった感のある同氏を知る今となっては、かなり引っかかる部分ではありました。(ただ、この当時は著者だけでなく、世界中の多くの人々が著者同様の見方をしていたので、この点で著者を責めるのは酷だと思う。)
ランダムウォーク理論や行動ファイナンスに興味を持たれた方だけでなく、投資に関心をお持ちの方であれば、何かしら得るところがある入門書だと思いました。
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現在ある有力な理論的アプローチである
ランダムウォーク理論
行動ファイナンス理論
他にもファンダメンタルズとテクニカル分析の罠や損切りの重要性、敗者のゲームやアービトラージ戦略
そして肝心な投資家として生き残るためのメンタリティーとひとつひとつの章は内容が足りない面もありますが
この本を読むだけでマーケットを理解する。そして自らの投資哲学を持てる良いきっかけになれるでしょう。
最後にあるマハン大佐の教えまで読み終えた時に独り善がりな経験論でもなく
現実的でない理論的アプローチでもない自分自身が納得した投資哲学を築くことが出来ていざというときに応用の効く投資家に近付ける。
近付くけれど完成された投資哲学など存在しない魅力的な世界を知る一歩になる一冊かも知れません。
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タイトルの通りランダムウォークと行動ファイナンスに関する基礎的なことが網羅的にまとめてあります。
これから投資をしようとか、投資をしているけどちゃんと理論的なことも勉強してみたいと思っている人には、最初の1冊として良いのではないでしょうか。ただ、この本を読んだからといって投資が上手くなったりする訳ではありません。あくまで理論のさわりを解説しているだけで、具体的な投資手法を指南しているわけではありませんので。
具体的にどうやっていくかは本書でも指摘されている通り、更に学習を積んで、自分に合う方法を編み出していくしかないのだと思います。
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ランダムウォークに興味を持って購入。肝心のランダムウォーク自体の話は多くなかったが、行動ファイナンス理論の話は楽しめた。
「投資理論は総合科学である」として、ランダムウォークといった物理学(?)、経済指標の分析といった経済学、投資家心理に関する心理学等々が投資にどのような影響を与えるかということに関する理論が述べられており、必勝法的な話と異なり、投資に関する学問的(?)な奥深さが感じ取れて面白かった。
ただ気になったのが、全て理論の話だけであり、科学にとって本質的な実験的な検証の話が全くないということ。リスクプレミアムや裁定機会の話も理論としては面白いが、それらが測定できないのであれば、理論としての検証もできず、また肝心の投資行動の実践にもつながらないと思われる。
まあ一部の”優れた投資家”は、それらの測定法やそれに基づく確率的にほぼ確実な儲け方の数式を持っているが、それを公開した瞬間に、量子力学のようにそれらはその意味を失うから、書籍のような形で人の目に触れる機会はないのかもしれないが。
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株価の値動きについての予測不可能性を説明するランダムウォーク理論と、投資をする人間の心理について分析した行動ファイナンス理論について、基礎が学べる本。解説が丁寧で、わかりやすい。「情報は市場で一瞬で織り込まれるのか」「継続するトレンドはあるのか」等、考えさせられる。「なかなか損切できないが、利益はすぐに確定しまう」等々、人間の行動特性もなかなか面白い。投資をするとついつい熱くなってしまうが、頭の片隅にこの本の知識を入れておけば、客観的に自己を振り返ることができるかもしれない。
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確かなものなど何もない、すべては確率論としてとらえるべきである。
ロバート・ルービン
マーケットの本質は、不確実性である。
したがって、優れた投資理論とは、
「マーケットの本質である不確実性にどう対処するか」
自分自身で考え、納得したやり方でないと、いざというときに応用が効かない。
(マハン大佐の教え)
「マーケットは偶然性に完全に支配されることはないが、
しかし、かなり影響を受ける」
マーケットにおける最大の難問
→マーケットでは何が必然で、何が偶然かということがはっきりとはわからない。
☆投資とは、期待リターンの見当をつけ、それを論理的に推定していく作業
☆大切なのは確固たる信念。
投資哲学を持たずして、プラスの期待リターンを追求することはできない。
◎経済学は投資には役に立たないことを示唆する有名な話
「ある男が気球に乗っていたところ、風に流されて知らない土地に来てしまった。
高度を下げ、地上を歩いている男に、『私は今どこにいるか教えていただけませんか』
と聞いたところ、地上の男は『あなたは今、気球の中にいますよ』と答えた。
気球の男は、『彼は経済学者に違いない。言っていることは正しいが、
まったく何の役にも立たない』とつぶやいた。」
ランダムウォーク=相場のブラウン運動
ランダムウォーク理論とは、マーケットの成熟度が高ければ、
相場の変動はブラウン運動に従うという考え方。すべての投資理論の出発点。
ブラウン運動は1827年、イギリスの植物学者ロバート・ブラウンが
花粉の観察中に発見したもの。花粉を砕いた微粒子を水に入れると
不規則な動きを見せる。花粉が水の分子の衝突によって不規則な
ひらひら運動をする現象のこと。
このブラウン運動が相場の動きにも適用されるためには、
次の3つの条件が成り立つことが前提となる。
1.相場を変動させうる情報は、瞬時にマーケットに広がる(情報コストがゼロ)
2.売買に際して、税金や手数料などがかからない(取引コストがゼロ)
3.すべての投資家は、金銭的利益を最大化するように行動する(合理的投資行動)
マーケットがこの条件を満たしていて、その結果、
相場の変動がブラウン運動に従うという考え方を「効率的市場仮説」という。
この仮説上の効率的市場では、次のことが起こる。
ある証券価格を1%上昇させる情報が発生する
↓
瞬く間にマーケットに広がり、1%の値上がり益を得ようと投資家が殺到
↓
その結果、あっという間に価格は1%上昇し、値動きが止まる
↓
この時点からさらに価格が動くのは、それまでの予想に反した情報ができたときか、
あるいはまったく新しい情報が出てきたときで、それが価格を値上がりさせるのか、
値下がりさせるのかは全く予想できない。
新しい情報は水分子、証券価格は花粉粒子
→予測できない不規則な動き、これ��「ランダムウォーク」
★ランダムウォークな世界で起こること
○ファンダメンタルズ分析もチャート分析もまったく無意味
○アクティブ運用の期待リターンはパッシブ運用を下回る
→1975年、ボーグルのインデックスファンドが誕生
○サルでもスーパー投資家になれる
→グレアム・ドット村のサルは例外?
◎◎◎ここまでの結論◎◎◎
マーケットの大部分はランダムであり、しかも多くの人が考えるよりはるかに
ランダム性があり、はるかに予測が難しい。
しかしバフェットやソロスやリンチの例もあるように、知性によって収益を獲得する機会、
マーケットの非効率性が存在ことも少なからずある。
つまり、すべての投資理論は、強力なランダムウォーク理論を乗り越えなければならず、
それができて始めて投資理論として意味を持つようになる。
マーケットにわずかに残る“ランダムではない部分”に焦点を当てない限り、
期待リターンを高めることはできない!
マーケットに非効率を発生させうる人間心理の強い偏りを
解き明かすのが『行動ファイナンス』
中心にあるのは、カーネマンの損失回避理論、すなわち「プロスペクト理論」
→人間は損失を回避することを優先する
人間は利益が出ると小心になってすぐに利益を確定しようとする。
損失が出た場合は損失を確定するよりもそのままのポジションを維持しようとする。
損が出た途端に「長期的に見ればいつか上がるだろう」と、
いつのまにか自分を長期投資家に修正してしまう。
投資とは結局のところ「人間の本性との戦い」であり、
その戦いに勝利しない限り持続的な成功は望めない!
→オニール曰く「やりたくないことをたくさんやらなければ勝ち続けられない」
そしてフリーランチ(マーケットにお金が落ちている状態)には貪欲にくらいつく!
●投資に必要な資質
1.マーケットもしくは投資が好きであること
2.数字に強いこと(バフェットは暗算がすごい)
3.信念と柔軟さのバランスがとれていること
4.最終的に自分だけの投資戦略を編み出すこと
マハン大佐の教え
「戦略や戦術は教科書や授業で教わることではない。…
借り物ではなく、自分自身で編み出した作戦原理だけが、応用が効くものである」
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ランダムウォーク理論と行動ファイナンス理論を学ぶことができる。
投資家の目線で説明されることが多いため、より実践的にイメージがしやすい。
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ほんとうの意味でトレードの関する《基礎知識》は本書で良いような気がする。
トレードに関する当たり前のことに対して理論的に深堀りされているのが非常に好感が持てる内容だった。
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タイトルの通り、理論的に市場や値動き、投資行動や反応についてわかりやすく解説している。知っているつもりだったことでも、あらためて読むと理解が深まり、また新たな発見も得られる良書。投資を行うのであれば、ぜひ読んでおきたい一冊。