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大学の図書館で川添愛さんの本はないかと検索したところ、この本を見つけたので、借りて読んでみました。
会社の後輩で、言葉の「曖昧性」に対してとっても無頓着(に見える)な人がいるのですが、この本を読みながら「その人に読ませたい」と強く思いました。
それはさておき、「言葉は自然現象」であるとか、「人によって言葉の使い方・解釈が異なる」という前提は、忘れがちだけれども大切な考え方だと思いました。
また、文の適切さの「テスト」という考えは、目からウロコでした。
とりあえず、この本を読む限りでは、自分自身の言葉の使い方については、ある程度、妥当なものであることがわかりましたが、言語学については、まったく知識が足りないことを痛感しました。
ということで、この本の参考文献を参考に、他の言語学の本にも触れてみたいと思います。
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日本語話者だと会話する時には深く考えずに喋っている言葉だけど、科学的に分析すると複雑なんだなと。そして日本語は曖昧な部分が多いのだなと。だから忖度とかに慣れきって、会話だけでなくあちこちで忖度されるのかなぁと思ったりして。
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自分の経験では、言語学の本は以下のパターンがある。
①真面目な人が、真面目になって書いた
②真面目な人が、面白いと思って書いた
③面白い人が、真面目になって書いた
④面白い人が、面白いと思って書いた
川添氏の④を読んだ後に、この③を読んだので、諸所の表現から④を思い出してしまい、①にも読めそうな③なのに④にも読めるという現象が起こった。これでも門外漢にはだいぶ敷居が高いようにも感じるので、④にあたるバーリトゥードを読んでからこの本を読むのが適切かもしれない。
何にせよ、言語学的アプローチがわかりやすく書いてあったので、言葉を生業にする方にも大変有用に思う。
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理論言語学の知見から日常の会話のちょっとした違和感を読み解くきっかけを与えてくれる。
例題とそれに対応するメソッドを組み合わせてしかも豊富に提示してくれていて興味が尽きない読中感。
情報量が多くて少し頭を使うが、筆者の言語学を一般の人たちにも親しみを持ってもらいたいという気概がびしびし伝わって気持ちがいい。
それぞれの方法の説明は割愛しますが、筆者のような引き込む力のない文章では退屈させると思うので、是非読んでみて欲しい。そう思うのです。
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『言語学バーリ・トゥード: Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』を読んで面白かったので、本書も読んでみた。
東大出版会の前者に比べて、本書は学術的な新書という印象。面白さよりも、きっちり知りたいという人にオススメ。
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尊敬する翻訳者さんの紹介で購入。言葉遣いの「違和感」を明解に説明してくれる良書。わかっていたはずの「正しい言い回し」がなぜ正しいのかが理論的に分析され、すっきりと腑に落ちる。日本語を書くこと、話すことを仕事にしているすべての方におすすめできる本。
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あまり自分向けではなかった
ふだんぜんぜん意識せず使ってるけど日本語って難しい
SNSなどで違和感ある文章読むと何がおかしいんだろうと考えるようになった
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日本人が当たり前に獲得している日本語の微妙な難しさの理由が分かる本。
外国人が日本語を習得するのはそりゃ大変だわって納得。でもまぁ読んだからって言葉巧みな話術が身につくわけではなさそうだ。
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日本語を【自然現象】として観察し、「それらの現象が存在するのは、私たちの無意識の知識がこうなっているからだ」という仮説を立て、それに従って理論を作り、現象を説明しようとする理論言語学の本。
人が何年も母国語を使うと無意識の知識が備わってくることは、外国語を学んでいると実感しますが、言葉が【自然現象】だという発想はなるほど確かに。
超難しい日本語を、母国語だから無意識レベルで使ってるけど、それでもややこしい間違いはよくあります。そんな日常遣いで発生する日本語の違和感を、置き換えたり何かに当てはめてみたりしながら根気よく解きほぐしていく。言語学者って根気強いのね、私は途中我慢できなくて読み飛ばしちゃいました。
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「ありそうでなかった言語学ドリル」(カバーの紹介文より)ではない。強いていうなら、「言語学で使われる分析テスト」という括りで、分析手法の一部を紹介した点は珍しいかもしれない。註釈で、論文を含む参考文献が多少豊富に提示されている点も好印象。
理論言語学者が、専門とその関連分野から日常に役立ちそうな項目を「いいとこ取り」して解説。一般的な言葉の使い方のヒントを伝える。
理論言語学者とは、たとえるなら「〜に鑑みて」が「〜を鑑みて」になりつつあるのはなぜだろうと考える人たち。「に」が正しいと考えたり指摘したりするわけではない。
自分にとって新しい情報はほぼなかったように思うが、「少納言」という検索サービスは初めて知った。試しに「〜に鑑みて」と「〜を鑑みて」の用例を調べると22件vs16件。一番古い用例は「に」1978年、「を」1995年とあるので、やはり「を」の方が新しめの使い方なんだな〜と楽しめる。