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飛鳥井さんの本は読み終わったあとにあったかくなります。
この本も例外なくそうでした。
ハッピーエンドというわけではないけど、というか大きなイベントがある話じゃないけど、日常の小さな温かさにほっとする感じ。これが本当に心地いい。
この心地よさを求めてこの先生の本を読んでいます。
あとがきで『現実への向き合い方をちょっとだけ変えてくれる』とありました。まさにそう。
明日も頑張ろう!ではなく、明日もやってみよう、という気分にさせてくれる素敵な話でした。
桐原センセイも素敵♡
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先生という、本来は堅苦し仕事を
なんとなくなってしまって、そくなく問題起こさず日々を送ろうとする先生
この物語にでてくる フリーダムファイターという言葉が
今でもお気に入りです。
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一生懸命な学生、同僚を一歩引いて見ている主人公。
その主人公が一生懸命枠に入っていく感じ。
本人もそれを心地よく感じてる。
真剣に取り組めるものがある方が、楽しいよなって思いました。
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ありきたりな日常。
小説なのになんだこれっていう普通さが終始描かれている。
きっとそれがいいんだと思った。
ただ単調でおもしろいとかワクワクドキドキがあるわけでもない。
しかしそれはなぜか物語の主人公にすらないというのがすごいかもしれない。
強いて言えばハラハラくらいかと思う。
物語は面倒くさがりの高校教師が日常をやり過ごすことで生きているので、
厄介なことになりそうだと思うと回避しようとしてハラハラといった感じ。
その厄介ごとへのアンテナと思考が自問自答形式で行われている感覚がすごくリアルなものですんなり入ってくる。
こんなにありきたりで普通なことをそして主人公の心の機微をここまで書き起こすのはすごいと思った。
物語の大きな展開はないのに分量はかなり多い気がするが、
読みやすいのでさらりと終わり、読後もあっさりとした感じだった。
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教師らしくない教師の日常に、少しの変化を加えて進行させていく作品。
教師らしくない、といっても本音はこういう人が多いんじゃないかなぁ、と意外と受け入れやすく読むことができた。
過剰に出来るスーパーマンみたいな先生でもなく、偏見から創り出された変わった先生でもなく。
同世代の一人の男としての教師を感じることが出来た点で着眼点が面白かった。
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学校の先生にまつわる本を二冊連続で借りてきちゃいました!(もう一冊は重松清氏の「気をつけ、礼。」です)
新学期だし、なんとなく…ですね。
最初に読んだこちらの作品は普通のめんどくさがり屋の男性が高校教師になっちゃって、生徒との関係も先生たちとの関係もほどほどに距離をおいて、めんどくさくないようにしたいなぁという雰囲気でした。
先生も人間ですから、こういう気持ち、絶対あるんだろうなぁと思います。
そしてプライベートの男女関係だって当然あるでしょうし。
そういう「人間だから当たり前の面が先生にもあるんだ」ということに気が付くという意味では興味深かったです。
でもやっぱり先生はあまりに適当人間であってほしくないなぁ。
熱血すぎるのも困るけれど、ある程度めんどくさいことにも関わろうとしてくれないと、ね!
登場した女性教師みたいに、生徒の言動をいちいち気にしすぎる先生は疲れるだろうなぁとは思いますが。
ということで、モヤッと感が強かったので★2つ。
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なんとなく高校の社会科教師になってしまった桐原。行動原理はすべて「面倒くさい」。適当に”センセイ”をやろうとするものの、なぜか問題を抱えた生徒や教師、そして友人たちが面倒ごとを持ち込んできて……
学校現場では、「熱意ある教師」が求められているけど、先生だって一人の人間だよね。
理想とか、向上心とか確かに大切だけど、桐原のように教師だって一人の人間。
「面倒くさい」って誰にでもある。
「気を遣いすぎて疲れてしまう教師」
「結局自分のことしか考えていない教師」
桐原以外にもいろんな教師の姿が描かれているけど、どこの現場にもこういう人はいるし、それって当たり前のことなんだと思います。
同じように生徒もいろいろ。
教師にタメ口でちゃらちゃらしている生徒。
まっすぐに思いを寄せる生徒(若干こわい)
信頼して悩みを打ち明ける生徒。
だから学校っておもしろい。
そのほかにも偶然出会った変わった女と知り合いになったり、恋愛のことになると面倒くさい女友達のグチを聞かされたり、ホストに立ち向かったりと、意外と桐原の周りは面倒くさい。
でも、これらの出会いを通して桐原自身にも変化が。
飛鳥井さんの書く小説は、わかりやすいのに、人物の描写がリアルで、共感しやすいです。
いろいろな人間を書くのが上手い。
読んだ後でも登場人物をくっきりと残していく。
次は何を読もうかな。
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やっぱり飛鳥井さんの小説、好きだ♪
読んでると、なんだかホッとする。
人間観察が趣味の私にとって、飛鳥井さんの小説に出てくる人達は興味をそそられる。
主人公の桐原は、なんとなく私立高校の社会科教師になってしまったが、行動原理はすべて「面倒くさい」。
しかし、日常の周りの人達との関わりの中で、少しずつ変わっていく桐原がリアルで良い。
「クイーンオブ面倒くさい」を自負する私には、桐原の呟きが手に取るように解る。だけど、大人になるって事は、面倒くさい事もこなしていかないとならない。
この小説には、アッと驚くような大きな出来事は書いてない。けれど、本当の現実や生活が書かれている。
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著者の飛鳥井千砂は北海道生まれ、小説すばる新人賞でデビューし、本作が二作目の作品。小説すばる系らしく、若者の立ち位置に立った描写で、読みやすく感情移入のしやすい文体でした。
最近近場で妙に読んでる人がいるから気になって読んでみた。
高校の社会科教師である桐原は二言目には「面倒だ」と言ってしまう変わった教師。
そんな彼の"日常"生活に様々な問題が発生する。
生真面目だが、そのためにメンタルが弱い教師、
周りがまた広く見えず、自分中心に振舞う生徒、
素の自分を曝け出せない女性…。
彼の良い所は面倒くさいといいつつ、結局見過ごせずに手を突っ込んしまう所だ。
本作の(作者の書き方の?)読みどころは一つが桐原のぼやきだ。事あるごとに彼の心の声がだだ漏れに描写されていて、わかるわかると頷いてしまう。
そしてもう一つが登場人物の書き分けだ。教師たちに生徒、プライベートの関係者など登場人物が多い小説だが、その誰もがキラリと光る個性を持っている。人物の考え、行動、発言の軸がブレずに、かつ決め台詞が有るからだがライトノベルほど煩くない。凄いなあ。
ただ、桐原の過去の作中に陰りをつけている描写がもっと書かれてて欲しかったなぁと思います。
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面倒くさがり屋の教師。
そんな自分を変えようと、生徒たちの問題を真っ向から受け止める。
イエロー女や、飲み友達の中川、周りのキャラが良くて、イッキに読めた。なかなか面白かった。
読んでる間ずっと、木村カエラのSWINGING LONDONが頭の中流れてた。
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面倒臭いなぁ、テケトーにやっとこかぁ…で溜まった問題を一挙にドッカーんと解決するのって、力で物事を引っ張っていける若さが必要なんよね。
熱血も若さが必要やけど、メンドくせぇからクールにやっとくのも若さが必要、エアコンと一緒でホットもクールもエネルギーはいるわけよ。
ひとつひとつの物事を丁寧にやるのもエネルギーは必要なんだけど、そのエネルギーは比較的効率よく燃焼してくれるように思う。せやから若い頃のいけいけドンドンも醒めた思春期もできない中年男(あっ俺ね)は、一つ一つ物事を丁寧にする練習を遅まきながらしているわけで。
こんなんでレビューになるのか?
まぁエエか、書き直すの面倒くさいし(笑
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「めんどくさい」が行動の指標の社会科教師の桐原。人との距離感がわからない。そんな中で正義感の強い生徒、桐原に好意を寄せる生徒、60年代のファッションの女など様々な人との出会いを通して自分の気持ちを伝えることが「めんどくさい」ではないことに気づく。利害だけで人間との関わり方を選択しないようになる。
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+++
センセイって、もっと特別な人がやるものだと思ってたんだ。とくにやりたいことがなく、気がつけば先生になっていた。生徒は可愛げがないし、同僚とのつきあいも面倒だ。それでも、“センセイの日々”は続いて行く…。第18回小説すばる新人賞受賞作家が描く、“フツーの教師”の青春物語。
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いまどきの高校で先生になってしまったいまどきの若者・桐原が主人公である。なんとなく教師になってしまったが、熱血先生とは対極にある。一見冷静にそつなくこなしているように見えるのは、ひとえに面倒くさいからという消極的な理由なのである。だが、先輩教師や同僚教師たち、問題生徒との日々のかかわりの中、先生としてのあり方は少しずつ変化を見せる。同時に、かつての同級生・中川や浅見、向いのアパートのツイッギー激似の小枝や彼氏の高校生・亮と知り合ったことで、私生活でも様々な変化がある。やる気のなさそうな桐原に、なんとなく親近感を抱いてしまうのは、そう言いながらも生徒を見離してはいないからかもしれない。先生も生徒も同級生も隣人も、みんなそれぞれ普通の人間で、さまざまな悩みを抱えながらも真摯に生きているのだと思わされる一冊でもある。
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あっという間に読み終わった。
まさに、飛鳥井マジックですわ。。。
共感できるとこ、多かったなぁ。
なにより主人公の桐ちゃんがめっちゃ素なんがいい。ぜんぜん飾ってないし。
中川とうまくいってほしかったのに。。違うのか。。
でも、泊まったところはきゅんとしたなー。これもあるあるーそんな気持ちになることっ!って思った。
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熱意も志もなく、持ち前の器用さで
それなりに教師をやっている主人公。
静かな日常に転がるほんの小さな非日常から、
動きはじめる人間関係と心情の変化が
主人公の視点で語られます。
刺激的な事件や謎ときがあるわけではないのに
最初から引き込まれて続きが気になり、
あっという間に読めてしまう不思議な作品。
淡泊な主人公の感覚が当身代で、
こちらも自然体で読めるから心地良いのかも。
読後感爽やかで、とても楽しめました。