紙の本
綿密に構成されたサスペンス&ミステリーにサイコ風味を振りかけた逸品。
2024/01/28 23:20
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
綿密に構成されたサスペンス&ミステリーにサイコ風味を振りかけた逸品。複数の事件を無理なく関連付ける緻密な構成を見れば、執筆開始までにアイデアが生まれた2008年から5年もかかったと言うのも頷ける。また、巨大船には盲点となる空間が多数存在し、巧く利用すればどんな犯罪でも可能だと言う着眼点も凄い。特に、海に身を投げた自殺に偽装できれば、殺害も遺体処理も実に簡単だと気付くと空恐ろしくなる。しかし、本作の凄さはそうした利点を安易に使うのではなく、それなしでも通用するようなミステリーを基本に据えてることである。複数の事件の結末の多様さ。真の黒幕の正体と素顔の意外さなどいずれも一級品である。
紙の本
それなりに楽しめた作品
2022/02/05 10:43
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツミステリー。なかなかつかみどころが最初分かりませんでしたが、読んでいくうちに、先が気になって読まされる本でした。クルーズ船で失踪した刑事の妻と息子。その失踪の謎を追うというストーリーです。小刻みに場面が変わるので、読みやすい反面つかみにくい感じはしましたが、まあそれなりに楽しめたかなぁという気がした作品でした。
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【ドイツ・ミステリーの最高峰】大西洋を横断する豪華客船で母と娘が忽然と姿を消したーー。消えた妻子の行方を追うべく乗船した捜査官の前に、次々と謎が現れる。
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書店で見かけ、面白うそうと思い、やっと手に取る。
久しぶりのミステリー。
大西洋横断航路の豪華客船「海のスルタン」に「乗客23号」が現れる。
過去に同じ船で妻と子供を失った囮捜査官、この船で生活している老人女性からの電話を受け、客船に乗り込む。
密室の豪華客船で起こる不審な事件。
帯に書いてある通り、ノンストップミステリー。
残念なのは題名。現代通り「パッセンジャー23」でいいんじゃないかな。
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★3.5
豪華クルーズ船の中で、乗客が消える・・・。じつは、そんな出来事が、毎年少なからず起きているそうです。この作品は、その様な出来事が下になっています。
船の中でのパニックモノと言えば『ポセイドン・アドベンチャー』が有名ですが、この作品は、パニックモノと言うより、犯罪モノです。それでも、逃げ場のない船の上で起きる犯罪は恐ろしいですね。しかも、その犯罪は、二重三重にトリックや騙しが仕掛けられていて、最後の最後まで気を抜くことは出来ません。
この作品の面白いところは、映画のエンドロールの後にも少し物語が続くかの如く、著者の謝辞の後に、エピローグがあるところ。著者は気を使って、興味が無ければ先に進んでくださいという事を書いています。そのエピローグも、二重三重と言ったトリックや騙しの一つ。なので、二重三重ではなく、四重五重なのかもしれません。
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豪華客船は、カジノ、シネマ、バー、カフェ、ありとあらゆる娯楽や施設が整った小さな町のようだ。
ただしそこには警察だけがない。
23ーそれは毎年客船で消える乗客の数。
原題はPASSAGIER23(直訳:乗客23)で、やはりこちらのほうがしっくりくる。でもパっと見た時のインパクトは邦題のほうですね、でも中身読むとしっくりこなくなる。
でまぁそんなことはどうでもいいのであって、面白かったです。
きなくさいオープニング、囚われているらしい女性の独白と、とてもヴィジュアルに訴える刺激で、あっという間にすいこまれてしまいます。
妻子を失いイカれてしまった潜入捜査官・マルティン・シュヴァルツが主人公。
2か月前、客船”海のスルタン”号の乗客が消え、自殺と報告されたのだが、それが姿を現したところからマルティン本格参入。
スリルとイライラとモヤモヤの連続!
ちょっと船旅をするのがこわくなっちゃう一冊でした。
犯行の動機やらなんやらに関しては
「あ゛ぁん?!?!」ってな感じで気に入りませんが、
知らない世界ではこういうこともあるのかと飲み込んで。
この作家さんの作品をもっと読みたい!翻訳プリーズゥウ!
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グイグイ読ませるミステリーでした。いろんなひとが出てきて、いろんなエピソードが同時並行で進んでいきます。でも、短い文章で矢継ぎ早にスリリングな場面を入れ込んで、そして、場面切り替えの直前には、続きが気になるヒキで締める。だから、読者をつかんで離さない。「いろんなひとが出てきてよくわからんなー」とはなりません。すらすら読めるし、続きが気になって仕方ない。やめられないとまらない。読後の印象は『その女、アレックス』に近かったです。【2021年11月4日読了】
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次から次へと事が起こって、ジェットコースターのような話の展開。登場人物も多くなく読みやすかった。楽しめた!
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ドイツミステリー。なかなかつかみどころが最初分かりませんでしたが、読んでいくうちに、先が気になって読まされる本でした。クルーズ船で失踪した刑事の妻と息子。その失踪の謎を追うというストーリーです。小刻みに場面が変わるので、読みやすい反面つかみにくい感じはしましたが、まあそれなりに楽しめたかなぁという気がした作品でした。
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二か月前に航海中に失踪した少女が、同じ船の航海中に突然現れる。
豪華客船に潜む謎の失踪事件、そして主人公の妻と子の自殺の謎。
豪華クルーズ船の旅、それはステータスであり憧れの対象。一方で、確かにこの本にあるように、大洋航海中に飛び込めば捜索は困難で、自殺にはもってこいの場所である。さらに、いったん外洋に出てしまえば、次の寄港地までは閉ざされた空間となってしまう。
憧れの場所とは似つかないこの現実が、物語の異様性を構築する絶好の舞台となった。
読んでいて、投げやりになった囮捜査官という主人公マルティンの置かれた状況にやや違和感を感じるも、帯の宮部みゆき氏推薦「ジェットコースター・スリラー」のとおり、登場人物の謎の行動と出来事でとまらない読書となった。
映像化はないのかなぁ……。
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若い頃はサスペンススリラーのようなものもそこそこ読んでいたのだが、近頃は全く手に取ることもなく、久しぶりにこのような作品を読むとどきどきしてなかなか先に進めない。痛そうな描写は飛ばし読みしたいけど、そんなことすると話がわからなくなるかもしれないし。読み終わるのに本当に難儀した。