出会えてよかった本
2022/02/20 21:42
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投稿者:くま - この投稿者のレビュー一覧を見る
よくある、密室に集まった男女で何かが起きるストーリーかと思いきや、そうではなくらだんだん引き込まれました。
最後にはもう、読んでよかった、出会えてよかったと思いました。
家族にも購入しプレゼントしました。
辛いことが起きたらまた読みたい。
でも、もう一度、知らない状態で読みたい。
そう思わせてくれる初めての本です。
廃村での共同生活
2022/05/01 17:18
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベストセラー小説の覆面作家の訃報に触れた一人の少女の自殺未遂から物語が始まります。
小説の結末を求めるファン7人が集まり、小説の舞台によく似た廃村で共同生活を始めます。
集まった人たちは少しずつ嘘をついていますが、更にこの企画の裏にはある計画が隠されています。
話の中心にあるベストセラー小説、あまりに持ちあげられていて、そっちが気になり過ぎる。
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圧倒的人気を誇っていた作家のミマサカカオリが突如死んだ。未完の最終巻は読めず、16歳の少女は悲観して自殺を図る…
ミマサカカオリのファンが小説になぞらえた廃校で共同生活を送る事になり、そこで見つかった読めないはずの最終巻の原稿が発見されてから、ミマサカカオリはメンバーの中に居るのだと探り合いになる。
誰がミマサカカオリなのかも気になりましたが、離脱していくメンバーの本当の思惑と、もがき苦しんだミマサカカオリと16歳の少女の純粋な想いがラスト爽快でした。思えばミマサカカオリ自身も不幸な生い立ちで、そうならざるを得なかったのかと…あの場に居たメンバー全員、それぞれ前へ進めて良かったです。
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❇︎
初めて手に取った、綾崎隼さんの小説。
事前に何の情報もなく読みはじめたので、
出だしを読み、その後をどう続けていくのか
想像しながらするすると読み進めました。
何かをきっかけにして考え方が変わったり、
立ち止まっていた場所から踏み出そうと思えたり、
そのタイミングは誰にもわからないし、
何がきっかけになるかもわからない。
今が暗ければ暗いほど、辛ければ辛いほど、
分からないことは怖くもあるし不安でもある。
でも、どんなに頑なで深い拒絶や絶望でも、
解ける瞬間があるのかもしれない。
そんな希望をほんの少し感じさせてくれる物語。
プロローグ
第一話 あなたが死んでしまったその後で
第二話 友達なんかじゃない
第三話 ユダとジナ
第四話 さよならも言えない
第五話 あなたが見た夢
幕間 ある小説家の死
最終話 愛がすべてなのだとしても
エピローグ
あとがき
登場人物は、自分には生きて存在している
価値がないと塞ぎ込んでいたり、
何も誰も信じられないと感じていたり、
将来や生きることに希望が持てず立ち止まり、
それぞれに生きづらさを感じてる中で一つの
小説に出会います。
ある人は物語を生きる支えとし、
またある人は物語の結末を読むことだけを
生き続けるための拠り所として、何とか
今を生き続ける。
ところが、作家の訃報が報じられてしまい、
結末が永遠に読めなくなってしまったことに
絶望して命を絶とうとする少女が現れてしまう。
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相手を貶める(馬鹿にする、傷つける)言葉が割とキツめに描かれていますので、途中読んでいてメンタルがしんどくなってしまう読者もいるかと思いますが。。。
罵詈雑言の箇所は作品のメインテーマとはほとんど関係ありませんので、読み飛ばすくらいのモチベーションで次のページをめくってください。
私も10年前くらいは、懐疑心があまりにも強すぎて、他人だけではなく自分のことも信用できませんでした。(正直なところ、現在も多少その考え方が残ってます。。)
生きていれば必ず良いことがあるとは思っていませんが、夢中になれるもの(音楽でもアニメでも漫画でも)があれば、もう少しだけ現世を生きてみるのも楽しいのかもしれません。
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若者に熱狂的なファンをもつシリーズ小説「swallow waltz」。全6作を手がけるはずが、最終巻を待たずして、原作者が死亡した。自殺?病気?様々な憶測が飛び交っていた。濃厚なのは誹謗中傷による自殺。というのも第5巻で、ヒロインが死亡し、その死に様が物議を醸していた。それにより、ネットは炎上、アニメのプロデューサーも激怒し、第2期の制作は中止。様々な影響をきっかけに執筆を中断していた。原作者の死以降も後追い自殺が発生していた。
そして、現在。ファンを集めて、最終回がどのように展開するのか、実際に体験してみようと共同生活を始めた。
そんな時、一つの原稿が見つかった。それは原作者の未発表の最終巻の原稿の一部。
昨日までなかったはずなのに・・・。
死んだはずなのに・・・。
いったい裏で何が行われているのか?
読書メーターの読みたいランキング1位という帯の宣伝に惹かれて読んでみました。
作家さん誰もが抱えこむであろう、世間からの批評に悩む描写が生々しく、それが読み手側にも伝わってきて、胸が苦しい思いでした。
あたかも自分自身が書いたかのように思いこみ、展開が異なると、原作者を執拗にバッシングするというのは、いかがものかと思いました。
たしかに「これは違うんじゃないか」と思うこともありますが、あくまでも作者が描く世界です。
原作者側から見た世間に対する解釈を垣間見ましたが、精神的ダメージは半端ないんだと改めて感じました。
自分も色々気をつけなければいけないなと身につまされました。
ストーリーですが、共同生活を送る七人。そして見つかる原稿。このあたりから、ミステリー色が強まってきて、興味がグンと増しました。でも、一週間、一ヶ月と山奥で過ごしていきますが、サラッと時間が流れているので、なかなか長期間といった苦悩はあまり感じませんでした。
作者は本当は生きているのか?
もしかして、この中にいる?
色々と推理が拡がってきてきました。一人、一人と離脱していきますが、それでもまた発見される原稿。
一体どうなっていくのか、早く展開が知りたくなりました。
そして、後半でわかってくる共同生活の裏に隠された真相。それまでの物語が新たな視点で楽しめるので、もう一回読んでみたくなりました。
今まで、ある人物の視点がずっと続いていましたが、途中から色んな人の視点が登場します。
多方面の視点から解っていく真相に想像以上に仕掛けられていたので、様々な驚きがありました。
果たして、小説は完結するのか?最後の展開に感動しました。お互いを励ましていることに、良い余韻を残しての結末でしたので、じんわりとさせてくれました。
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「99人が褒めてくれてもたった1人の言葉に傷つき、心を病んでしまう」
そんな繊細な心を持ち、自分も他人も信じることができなかったミマサカリオリは、最後は自身の小説を心の底から愛するたった1人の少女に救われた。
最終巻はたった1人の少女に向けたものだった。
「死にたがりの君に贈る物語」
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ミマサカリオリという人気小説家が急逝した。
それによって中里純恋(すみれ)が後追い自殺を。
ケガだけですみ、よかった。
そして小説のストーリーを模して、廃校の共同生活へ。
お洒落をするというのは心を武装すること、自信のない自分を少しでも誇るため着飾り化粧をする。↑わかる気がする。
あとがきで全てが丸く収まり
良かった。
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SNSが日常となっている今、すごく良いものを手にした気がする。
"皆"に好かれる必要はないけど、いつのまにか数字や匿名のコメントを気にしちゃう、ほんと厄介!
分厚い本なのに読みやすくて楽しかったです
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隠されている真相があまりにも多くてその真実を予想しながら読んでいくのがものすごく楽しかったです。途中で、その真実にたどり着くような書き方がされていたけど、真実が分かったあともその真実にたどり着くまでの過程の方が気になって、結局最後のページまでドキドキしてました。
読者の気持ちも作者の気持ちもどっちも理解できるから、後半になるにつれて感情移入が止まらなかったです。
自分を守るために罵倒するの、分かる気がするなぁ
この作品と作中作がリンクしてる感じがたまらなくて、現実と創造の狭間で迷子になったような感覚さえしちゃいました。
作中作も全編読みたいから単独で出版されないかなぁと思ったり。
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これは読者と、そして作家の為に贈られる物語だ
1人の作家の死をきっかけに集う7人の男女
大好きな小説に彼らは一様にして救われている
最終巻を待ちわびて待ちわびて、そしてそれをもう手にすることは出来なくなった
それはなんて悲しく、もどかしいことだろう
だから彼らは小説の真似事を、廃校に集い集団生活をする
そして1人、また1人と脱落者
秘密を抱えた彼らの、最後の大きな秘密が明らかになる
読者にとっては大好きで大切な作品だから
最終巻を読みたいから
大好きな作家への願い事は
小さいけれど、大きな救いだ
なによりも『ラスト』に証明されてた
そうしてどうか、私のために、自分自身のために、小説のために生きて欲しいと
私も叫びたくなる
「綾崎先生の作品達が大好きです!!」
舞原家の人達が出なかったのがちょっと残念
結構楽しみにしてるのです舞原家
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なんて優しい嘘だ。
どんな物語も大切にしたくなる、そんな本でした。
これだから綾崎隼はやめられない。
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冒頭から「なんか変だな、こういう流れなんじゃないかな」「この人はこうなんじゃないかな」と思っていたら、その通りの話になってしまった。
タイトルもなんでこのタイトルなんだろうと思っていたけど、そのまんまのタイトルだった。
小説家に限らず、音楽など他の分野でもいえる。
非凡な才能を持っている人は、ものすごく臆病で、繊細なんじゃないか。
そして非凡な作品には、熱狂的なファンと、厄介なファンが付き物である。
私の心が清らかでないからか、あまりにも優しくてできすぎた世界に感じてしまった。
電撃文庫っぽい文体だなあと思っていたら電撃文庫出身の作家さんでした。
ティーン向けの作品。
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一人の脆い人間の、というより脆い人間たちの心を動かしていた人間もまた、脆く、苦しんでいたという話。
とても面白かった。(語彙力不足)
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大人気小説シリーズの完結目前で作者の訃報が流れ、熱狂的なファンが自殺未遂を起こす場面から始まる本作。
作品の世界をなぞるために始まった、コアなファンによる廃校での共同生活。そこにミステリ要素も加わり、ぐいぐいと読ませる。
そして。ある程度わかっていた(というかわかるように書かれていた)にもかかわらず、やっぱり終盤はグッときました。
読者の気持ちも作家の気持ちも、どちらもわかる。わかるがゆえに、終盤の本音の応酬、そしてエピローグとあとがきが刺さりました。
この本を読んでいる読者ですら共同生活の一員のような気持ちになってきたからこそ、味わえた感情だと思います。
話題作なのも納得の物語でした!