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舞台が戦国時代に変わっても米澤さんのミステリーとどんでん返しの面白さは変わらず。
ただ、自分があんまり戦国時代の情勢とか歴史的に分かってる事とかが疎すぎて、きっと好きな人や詳しい人、ちゃんと知ってる人からしたら『おおっ!!』っとなるだろう展開が驚きを共有出来ず『へー。これは歴史的には驚きの展開なのかな?』と言う感じで終わってしまったのが何だか申し訳なかった。
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2023.8 長い、進まない、遅い。久々に読み終わるまで時間のかかる小説でした。途中で何度離脱しようかと…ただ最後の数十ページは読みごたえがあり、さすが直木賞。
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史実を背景にミステリーが展開されていく。
一つ一つの物語も面白いが、その構成(構造?)ににやっとしてしまう。
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非常に複雑なミステリーだった。。もう少しシンプルにしながら歴史小説としても楽しませてくれるとありがたかったが。。
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内容は好き。
時代劇ものの文体が私には馴染まな過ぎて、目が潰れるかと思った。
読めない漢字も多くて…
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荒木村重と黒田官兵衛。どちらも歴史の教科書に出てくるような有名な人物なので、とても面白くよみました。
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米澤さん初読みだと思います。人気作家ですがこれまで不思議と縁がなかった。本書、期待以上に面白かったです。スッゴく緻密かつ大胆なストーリー構成、且つ無理矢理感がない。人間心理を凄く上手に描いておられますね。日本語も私の好み。時代小説×心理小説×推理小説。人の心の移ろい?虚ろい?でも底にあるものをしっかりと描いてある気がしました。「the・小説」です。
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荒木村重が城主であるにもかかわらず、城を捨てて逃げる(と言われている)史実に、その理由を推理構成したものだが、そこに至る数本の逸話が最後に見事に収束。
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読んでる途中で直木賞受賞のニュースを見た。
歴史ミステリであり、籠城中の荒木村重が虜囚とした黒田官兵衛に相談事(?)を持ちかける形式。籠城中であり雰囲気はかなり暗い。連作であり最後に違和感が繋がりスッキリとなる…はずがあまりスッキリしない。細かい部分で不自然な感じで納得出来ない箇所が多かった。
私は古典部シリーズの方が好みです。
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信長、秀吉、家康の生きていた時代の死生観は現代とは全く違っていた。作物は天候に左右され、いつ死ぬかも、はかないましてや戦さになれば!そんな時代生きた人々。各章の謎解きと最終章の登場人物達のその後の人生、楽しく読みました。
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普段は、戦国といった歴史小説は読まないので、どうしようかなと思いましたが、米澤さんの作品ということで読んでみました。
文章としては、歴史小説ならではの文章や言い回しなので、なかなか全てを理解するのが、大変でした。個人的に歴史が苦手なので、作品が放つ魅力の半分ぐらいしか楽しめなかったと思います。その点では、歯痒さがありました。
荒木村重と黒田官兵衛だけでなく、有名な戦国武将がちょい役として登場します。個人的には、あまり荒木村重がなじみが浅く、どんな人物で、どんなことを成し遂げたのかわからないまま、読み始めました。
ちなみに荒木村重は、大河ドラマ「黒田官兵衛」では田中哲司さんが演じていらっしゃったので、黒田官兵衛の岡田准一さんの組み合わせで、イメージしながら読みました。
全5章+αで、それぞれ章で事件が起きます。
基本的には、
事件発生→聞き込み捜査→幽閉されている黒田官兵衛を訪ねる→助言を聞いて確信を持つ→推理を披露
といった物語の構成となっています。実際に起きた歴史の出来事を背景に、殺人事件を組み込んでいるので、あたかもその事件があったのでは?と思わせてくれるので、現実味があるように感じました。
自害した思いきや殺人の可能性?や
大将の首を斬ったのは誰か?
といったミステリーとしての色が加わることで、また違った戦国小説を楽しむことができ、新鮮味がありました。
荒木村重の「愛」ある性格や黒田官兵衛の独特な雰囲気を放っていて、二人のアンバランスさが良い具合でした。
村重の武将としての立ち振る舞いや優しさもさることながら、官兵衛のズンと構えている重厚感も負けじと引き立っていて、短いシーンにも関わらず、印象深かったです。
物語の展開としては、第4章での黒幕の存在が、意外な人物で驚きましたし、最後は、ちょっとした感動もあって、読み応えがありました。
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「本と鍵の季節」「Iの悲劇」に続いて米澤穂信3冊目。前の2冊同様、ちょっぴり自意識過剰気味の主人公が、あーだ、こーだと考えつつ、もうひとりの主人公と会話をしながら謎に立ち向かう設定になっています。この主人公の脳内対話とバディとの脳外会話で、ある種「めんどくさい」展開が、この作者の十八番なのかもしれません。ただ本作は更なる挑戦がなされています。歴史小説とミステリーという掛け合わせ、各種書評でも絶賛されています。この融合の困難さは、史実の読み込み、解釈からミステリーを生み出す、というところだろうし、その中で荒木村重の有岡城篭城と黒田官兵衛の幽閉という二大知将の一年に満たない接点に舞台を見いだす着眼はすごいと思います。しかし、それ以上に大河ドラマなどで、その後の二人の運命が知れ渡っている素材を選んだことが、なかなかにチャレンジャブルだと感じました。今までの作品は「どうなるかわからない」展開であったのですが、今回は「どうなるかわかっている」最終章へ向けての物語なのです。どんどん残りページが少なくなる中で、作者はどうエンディングに繋げるのだろう、というドキドキ感を楽しみました。前2作と同様に、短編ミステリーを積み上げてひとつの物語とする手法は一緒ですが、何か改めて新鮮でした。一個一個の謎もそうですが、歴史的に謎とされる荒木村重の行動を黒田官兵衛を絡めて、もしも、の物語として提示することがこの本の意図になっているのかもしれません。と、いうことは歴史とミステリーのマリアージュというより、荒木村重という歴史上の人物の中に合理と非合理の間でゆれる知的な人格を見出し、それをミステリーの鍵としたことによって生まれた作品かもしれませんね。
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CL 2021.8.18-2021.8.25
有岡城の荒木村重なので、どうしても暗いトーンで切なくなる。米澤穂信さんらしいミステリではあったけど、作品のイメージがいろいろすぎて驚く。この作品と氷菓が同じ作者なんだよねー
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戦国時代×推理ものという、ありそうでなかったジャンル。
荒木村重と彼の臣下、そして獄中の黒田官兵衛の
猜疑心と切迫感に満ちた10か月が描かれる。
殺人事件がメインコンテンツなのだけれど、
終わった後は事件のトリック云々より、人間のドロドロとしたところのほうが印象に残るのは、なんとも著者らしい。
悪因悪果。善因善果。
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荒木村重の信長への裏切り。
使者として赴いた官兵衛は捕らわれ、土牢に。
だが、その有岡城内では不可解な事件が相次ぐ。
依頼する村重と解く官兵衛。戦国×ミステリがここに。
序章 因・・・籠城を決めた村重と対峙した官兵衛は土牢へ。
第一章 雪夜灯籠・・・積雪の夜。人質の不可解な死は何故に。
第二章 花影手柄・・・春の夜討ち。敵の大将の首はどれか?
第三章 遠雷念仏・・・夏の雷鳴。無辺と秋岡の死。寅申の行方は。
第四章 落日孤影・・・秋の落日。銃撃は誰か?それは御仏の罰。
すべての真相がここに。そして、瓦解へ。
終章 果・・・登場人物たちのその後と、官兵衛の結末。
参考文献一覧有り。
信長に反旗を翻した荒木村重と、土牢に捕らわれた官兵衛。
有岡城での一年の籠城で起きた、不可解な出来事とは。
面白くて読み込んでしまった、戦国×ミステリの連作です。
主人公である荒木村重。
下剋上で摂津国を支配し、連戦錬磨、戦略も謀略も
数多く経験し、思慮深く、人への観察眼も備えた人物。
事件の進行は、そんな彼の内面を深く露わにしていきます。
村重は問う。事件への考察を。
官兵衛は問う。何故殺さぬ?
だが、籠城という非日常の城内では、人心も平常ではない。
村重を頂点に一枚板だった城内は、猜疑心、御仏の罰の噂、
混迷、裏切り等で少しずつ穴を穿ち、人間模様も変化していく。
土牢という動けない場所に囚われた、ある意味究極の
安楽椅子探偵とも言える、もう一人の主人公、官兵衛は、
僅かな面会で知力を発揮し、かつ、村重を孤に追い込んでいく。
地下から大局を見やる能力の凄まじいこと。
世の習いに背いて曲げれば因果が巡る。
しかし、悪因と悪果ばかりではない・・・ラスト。
文章の妙。さらりと書いていながらも、潜む静と動。
良く調べたと思う、戦国期の人々の姿や城内と城下、武器や武具。
描写も、音や闇の中の光など、頭の中に鮮やかに浮かびます。
そして、最後まで緊張感を緩めずに描いた人物たちも。
次作も是非、戦国×ミステリを書いて欲しいなぁ。