にんげんだもの、しょうがない。
2022/02/10 10:33
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投稿者:asahiasumoasuka - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気に読み終えてしまいました。
これから悩んでいる時や苦しむ時など多くあると思いますが、これを読んで笑って過ごしたいと思いました。
だって、とか、でも、などの逃げる言葉を肯定的にかんじられる本でした。また、そのような環境を作り上げている組織であることを問題にしながら仕事を前向きに捉えれそうです。
ありがとうございました。
「人間だもの」は、「人間だって生物だもの」だね
2021/09/06 17:17
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投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀末に、進化論と脳科学を介して心理学と生物学は強く結びつくようになった。アメリカの心理学教育のバイブルとされる教科書では、心理学の各項目に生物学的視点と脳科学的視点が併記されるようになった。こうした科学的知見を背景に、進化心理学者の著者が「生物学的にしょうがない」「人間だって動物なんだから」という見方で、生物としての人間、そして個人の遺伝的特性=個性に従って考えることにより悩みを解決しようと提言している。曰く、人間も、生物として遺伝的に規定された「向き・不向き」「好き・嫌い」がある。進化の過程で獲得した遺伝子の指令で得られた、人間という種として共通した「好き・嫌い」もある。また、最近の生物学の研究により、人間の数学や音楽などの諸能力や性格には、遺伝子が大きく影響しており、作り変えるには大きな努力が必要だとわかっており、人間という種内の遺伝的変異により個人の特性は大きく変わるということが明らかになっている。こうした、遺伝的に規定された自分の特性をもとに、どれを頑張るべきで、どれを諦めるべきかを見極めることが、幸福な人生を送るために必要と著者は説く。
その上で、この遺伝的に規定される情動とうまく付き合っていく方法も併せて説明されている。著者によると、遺伝的に規定される情動や行動を「ホットハート」といい、これは狩猟採集時代に獲得された生物学的な特質である。これに対し、脳の前頭前野を中心とした機能である意識的な働きを「クールマインド」と定義し、「クールマインド」の理性的な行動で社会が高度化し、現在の文明社会が形成された。著者は、こうした「ホットハート」と「クールマインド」という両者があるという心の仕組みを知るとともに、狩猟採集時代に形成された「ホットハート」に裏打ちされた文化と、「クールマインド」に裏打ちされた現代文明の生物学的な齟齬があることを理解し、その違いを前提として「クールマインド」で 両者のバランスを取ることが重要という。例えば、「ホットハート」では、うまくいかないときに暴力に訴える対象法をとるが、文明社会では暴力をなくすという合意があるので、暴力に訴える気持ちを「クールマインド」でうまく抑制するということである。これは、本書の主張をもとに解釈すると、「ホットハート」により発動する暴力の衝動を、「クールマインド」で一方的に抑え込むのではなく、暴力の衝動が生じるのはしょうがないから受け止めるとしても、うまく逃がして別の形で表現するということだと理解できる。これは、アンガーマネージメントや、アサーションにも通じるものと思われる。このほか、「ホットハート」に対応するために、人間だけが生物学的に身につけた「想像力」を適度に発揮して対処することも有効としている。また、加えて人間の持つ「社会性」という生物学的な特性を生かすと、「ホットハート」で仕方がないことも「他者のために」と思うこともやる気が出て対応できる可能性がある。このため、生物学的にしょうがないことの一部は、自分の社会性をうまく刺激する環境を探し当てれば、改善が期待できるとのこと。
こうした仕組みを知った上で、自身の「ホットハート」を受け止めて「クールマインド」で適応していくことが良いと思った。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
だもの生物学的にそうなっているんだったら、しょうがないと自分に優しくなることが出来るので、おもしろかったです。
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夜孤独なのとか、雨の日は嫌になるのとか、面倒くさいとか…生物学的に仕方ないんだなあ〜と分かったので、罪悪感を持たずに嫌なこととか面倒だと思う気持ちとか尊重していきたいと思った。
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全て「しょうがない」で終わるむなしさが残念
面白おかしく書こうとしているのだろうが、投げやりな感じで諦念の塊のような語り口調が続くので読み続ける気持ちにならない。
「どうすれば集中力を高め維持できるのか」など、実用的なテーマに対して、古来からの人間の特性などを織り交ぜてその理由を紹介し、その上でどうすればいいのかを教えてくれればいいのに、と思う。その手の類書との差別化を図ったのかもしれないが、全て「しょうがない」「諦めなさい」で終わるむなしさが残念で仕方がない。是非、リニューアルして、行動の意欲が湧いてくる内容で再度出版して欲しい。
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様々なネガティブ感情、ネガティブ状態を「生物学的に、しょうがない!」と無罪放免してくれる書。
「人前で話すの苦手」「おいしいもの食べて太っちゃう」「勉強嫌い」「嫉妬しちゃう」「片づけられない、捨てられない」「気が散って集中できない」「後悔しちゃう」「周りの人の目が気になる」「笑顔につられて商品を買ってしまう」「期間限定に目がない」「知ったかぶりしてしまう」「困っているけど人に頼れない」「自分が揺らいでしまう」「恋心が冷める」「人肌恋しい」「病気になっちゃう」「年とるとシワが増える」「人生がむなしくなる」「寿命で死んでしまう」etc.
…それは私です。という人も多いのではないだろうか。
こういった感情・状態を「ポジティブに諦めよう!」と、するのが本書の趣旨。…だって生物の本能なんだもの。
これらの感情・状態が本能だと諦められれば、ちょっとラクになりませんか?
「がんばればどうにかなること」と「がんばってもどうしようもないこと」を明確化するのが幸せへの秘訣、って聞いたことがある。
章の最後にある「生物学的に、しょうがなくない!」のコラムも、ためになる。
ちょっとふざけた語りでクスクス笑いながら楽しく読める。そこは『嵐のワクワク学校』の講師や『サイエンスZERO』『ビートたけしのTVタックル』などのメディアに多数出演する著者の腕だろう。
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人が雨の日に出かけたくない、人前で話したくない、漠然とした不安を感じる、などネガティブな感情をもったり、浮気をしたり、マウントを取ったりするのは、すべて狩猟民として暮らしていた頃の名残、あるいは霊長類も持つ特徴であり、"生物学的にしようがない"と、バサバサと切っていく。
ネガティブな感情に負けて鬱状態になっている人にとっては、「自分が悪いのではない、人間の性だから」、と割りきることも大事だと思うし、そういう人を意識して、面白く書いたてもりかもしれないが、人間関係などにモヤモヤしながらも、事態を改善したいと考える読者にとっては物足りない内容。
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20世紀末に、進化論と脳科学を介して心理学と生物学は強く結びつくようになった。アメリカの心理学教育のバイブルとされる教科書では、心理学の各項目に生物学的視点と脳科学的視点が併記されるようになった。こうした科学的知見を背景に、進化心理学者の著者が「生物学的にしょうがない」「人間だって動物なんだから」という見方で、生物としての人間、そして個人の遺伝的特性=個性に従って考えることにより悩みを解決しようと提言している。曰く、人間も、生物として遺伝的に規定された「向き・不向き」「好き・嫌い」がある。進化の過程で獲得した遺伝子の指令で得られた、人間という種として共通した「好き・嫌い」もある。また、最近の生物学の研究により、人間の数学や音楽などの諸能力や性格には、遺伝子が大きく影響しており、作り変えるには大きな努力が必要だとわかっており、人間という種内の遺伝的変異により個人の特性は大きく変わるということが明らかになっている。こうした、遺伝的に規定された自分の特性をもとに、どれを頑張るべきで、どれを諦めるべきかを見極めることが、幸福な人生を送るために必要と著者は説く。
その上で、この遺伝的に規定される情動とうまく付き合っていく方法も併せて説明されている。著者によると、遺伝的に規定される情動や行動を「ホットハート」といい、これは狩猟採集時代に獲得された生物学的な特質である。これに対し、脳の前頭前野を中心とした機能である意識的な働きを「クールマインド」と定義し、「クールマインド」の理性的な行動で社会が高度化し、現在の文明社会が形成された。著者は、こうした「ホットハート」と「クールマインド」という両者があるという心の仕組みを知るとともに、狩猟採集時代に形成された「ホットハート」に裏打ちされた文化と、「クールマインド」に裏打ちされた現代文明の生物学的な齟齬があることを理解し、その違いを前提として「クールマインド」で 両者のバランスを取ることが重要という。例えば、「ホットハート」では、うまくいかないときに暴力に訴える対象法をとるが、文明社会では暴力をなくすという合意があるので、暴力に訴える気持ちを「クールマインド」でうまく抑制するということである。これは、本書の主張をもとに解釈すると、「ホットハート」により発動する暴力の衝動を、「クールマインド」で一方的に抑え込むのではなく、暴力の衝動が生じるのはしょうがないから受け止めるとしても、うまく逃がして別の形で表現するということだと理解できる。これは、アンガーマネージメントや、アサーションにも通じるものと思われる。このほか、「ホットハート」に対応するために、人間だけが生物学的に身につけた「想像力」を適度に発揮して対処することも有効としている。また、加えて人間の持つ「社会性」という生物学的な特性を生かすと、「ホットハート」で仕方がないことも「他者のために」と思うこともやる気が出て対応できる可能性がある。このため、生物学的にしょうがないことの一部は、自分の社会性をうまく刺激する環境を探し当てれば、改善が期待できるとのこと。
こうした仕組みを知った上で、自身の「ホットハート」を受け止めて「クールマインド���で適応していくことが良いと思った。本書で紹介されていた、「ホットハート」、すなわち「生物学的にしょうがない」の中で、特に自分に当てはまると思ったものはつぎのとおり。これらを受け止めつつ、適応的に生きられればと思う。
1. 人前で話すの苦手なの、しょうがない!
→「人前で話したくない」と思うのには、オオカミなどの捕食者がいるかもしれないと感じてしまうから。人前で話すのが得意な人は、突然変異により見知らぬ人への警戒心が弱い人と、人前で話すのに慣れた人(話す内容に自信があり、経験を積んだ人)。
2. 雨の日にでかけたくないの、しょうがない!
→狩猟採集時代の生活習慣では、狩や木の実の採取は雨天では効率が悪くなるので、雨の日は静かにしている人々の集団の方が生き残りやすかったので、我々は雨降りでふさぎ込む心理を獲得した人々の末裔である。
3. 後悔しちゃうの、しょうがない!
→狩猟採集の失敗を後悔することで、行動の成功率が上がるので、後悔する傾向が遺伝子に組み込まれている。
4. 幸せなはずなのにネガティブになるの、しょうがない!
→生物学的に感情は、動物の行動を起こしたり方向づけたりするもの。現状が満ち足りた状態であると、新たな行動を起こさなくて良いので、感情が喚起される必要がない。このため、幸せなはずの状態では、幸福感は喚起されない。幸福感は、「これからよくなるぞ」という期待によってもたらされる。また、将来のことを想像すると、心配が生じ、現在が満ち足りた状態であればあるほど、未来は現在よりも悪くなると考えてしまうため、ネガティブになる。
5. 困っているけど人に頼れないの、しょうがない!
→「人に頼れない」のは、人に頼ったときの負債感を過剰に予測するため。負債感の出どころは、狩猟採集時代におけるタダ乗り防止のしくみ。人に支えられたらそれを「借り」として感じ、「なんとか返さねば」と思って自分の能力に従って頑張ることで狩猟採集時代の平和的な協力集団を築いた。
6. 人生がむなしくなるの、しょうがない!
→人生がむなしくなるのは、何事も最大化を目指す完璧主義者であるマキシマイザーで、失敗したり、目標が亡くなったときにむなしくなる。現代社会は、経済の活性化のため、競争意識をあおってマキシマイザーになることを奨励している。人間には、適度に満足するというサティスファイサーの面もあるので、折に触れて「挑戦している今が楽しい」というサティスファイサーの気持ちを交えた人生になればよい。
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人間が起こす不安衝動、知ったかぶり、イライラ、マウントなどは全て狩猟採集時代にインプットされたものだから、「しょうがない!」。人間の抗えない欲望や思考の癖を生物学的に説明した自己分析に近い本。したがって、生物学書として読むと肩透かしを喰らうかもしれない。冒頭から読むと面白いなー、と思うのだが、いかんせん狩猟採集時代からだからしょうがない、という理論が繰り返され、最後の方には「狩猟採集時代からの思考だからしょうがないよね」と先読みするようになってきてしまう。事実そうなのだろうが、少し単調に感じてしまった。読み物としては軽めであり、あっという間に読める。
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大学では、知らない人が多いため、質問が出ない。
鳥は食べ過ぎると飛べなくなるので食べ過ぎない。
イライラはため息をついて、脳に酸素を送らないと収まる。
人間に嫉妬が生まれたのは嫉妬が有効だったから。狩猟採集時代は平等でないと生き残れなかった。
現代は、再分配の効果がないので、嫉妬は無意味。
人間だけが想像力を持てる。
動物は衣食住が足りていれば現状維持でダラダラする。
人間だけが他者を助ける=狩猟採集時代の協力生活のたまもの=社会性が進化した。
幸福感はこれから良い状態になるぞ、という期待でもたらされる。幸せなはずの状態、では幸福感は喚起されない。ネガティブになることは、現状が幸せな証。
嫉妬も後悔も狩猟採集時代の名残。フラれたら次を探す。職場で親密な人間関係を作らないほうが合理的。マッチングアプリは合理的な戦略。
ご近所づきあいはコンビニで奪われた。
スリムな女性が好きなのは、ウエストが細いことが妊娠していないことのアピールだから。
男は、伝統的には強さが重要だった。現代ではやさしさが重要になった。女性がダメンズに惹かれる理由。
動物は過去を回想しない=ライオンがオスの子供を集団から追い出す。
現代社会では、社会が複雑になったため、適応させるために過保護にしがち。
会議に女性が多くなると、さまざまな可能性を慎重に検討する傾向が出る。時間がかかるが成功率が上昇する。男性ばかりだと、鶴の一声で決まってしまう傾向がある。
動物は将来を考えられない。=人間も今を重視しがち。
欲望をうまくやり過ごせると勉学の達成も上手になる。
遺伝子がもたらす機能をホットハートという。自分のホットハートがどのように働いているか、不要な機能が起動しないように注意する。
クールマインド=意識してよく考えること。ホットハートの働きを冷静に考えて行動を選択する。
公務員の忖度問題は、指示待ち社員ではいけない、自分で進んで仕事を見つける、と同義。忖度は問題ではなく、過度な行動が問題。
ただ乗りに対する負債感は、集団での平等を求める気持ちから生まれた。
女性が長生きなのは、年長の女性が子供の面倒を見ていたから。
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なんとなくでも知っていれば、ミスをした時に自分を責めてしまう度合いは薄くなるかもしれない。
いろんな考えがある事を教えてくれる本でもあると思う。
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いわゆる人が持つ悩み事に対して、生物学的に見て、いやいやしょうがないんだよ、大丈夫だよ、とポジティブになれるような考え方。・発想法について述べている本。
ですが、なんでもかんでも狩猟民族であった頃の名残がどうのこうの、というこじ付け感が拭えず、正直にいまいちな本でした。
飲み会で、悩んでいる人やグチグチ話している人に「でもさ、・・・っても言うし、いいんじゃない」みたいな感じに使うネタですかね。居酒屋でガヤガヤうるさい時とかで。
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◆人類はまだまだ動物を超えられていない。生物学的にがんばってもしょうがない!
◆しょうがないことが起きてしまうのは、遺伝子の影響力が大きい。
◆「がんばってもしょうがないこと」と「がんばればどうにかなること」を判断できるようにすること。
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この本を読み進むたびに草原に立つ原始人が脳内にわいてくる。
しょうがないもんね。
だってあの頃の脳なんだもの……。
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現代人が抱える様々な困りごとが、狩猟時代に形成された遺伝子による特性が社会と技術の進化に適応していないためである。一般向けに分かりやすく書いてある。重要な点は不自然なほど太字で書いてあって、SNS等で大量の情報を短文で得る現代の読書に合わせている。これも生物学的に仕方ないのかな。