紙の本
周五郎 照降町を去る
2021/07/28 18:14
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投稿者:Ken - この投稿者のレビュー一覧を見る
周五郎の兄が改革派により殺害され、周五郎は実家に戻り、藩主と話し「病死」としてもらう。佳乃は周五郎が照降町から去ってしまうのではないかと気が気でなく、二人は一夜を共にして、一夜の夢とした。照降町も徐々に復興し、中村座で大火の中梅の木を守った佳乃と周五郎の活躍が興行される。藩主も芝居見物の中、佳乃が「照降町に修行に来ていた周五郎が修行を終えて戻るんです」と藩主に言う。この発言が印象に残る。この四部作は従来の佐伯の色合いとはちょっと異なる作品だが、堪能させてもらった。
紙の本
照降町に行こう
2021/07/16 11:26
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投稿者:BHUTAN - この投稿者のレビュー一覧を見る
よしっぺすごいな。
八頭司さんもおさまるところに収まりメデタシメデタシかな。
災害からの復興は大変。
梅花花魁とはこのあとも続きそうだ。
江戸の心意気が感じられた。
ところで、新潮社からの発売じゃなかてのかな?
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【大火から半年。職人の町は光を取り戻すか?感動の完結巻】豊前小倉藩から呼び出しを受ける周五郎。大火から半年、佳乃をモデルにした舞台の幕が開くが――勇気と感動の物語、完結!
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シリーズ最終話。
前作で兄の死亡により父に呼び出された時から周五郎の行く末がわかったように思う。女師匠の佳乃との関係は本のタイトル通り「一夜の夢」だったのだろう。切ないが二人の行く末は結果的に芝居に書かれた通りになった。
作者の佐伯先生も高齢になってきた事もあり、シリーズは短く、また読切が増えてきたが、みんな淡々と市井の話しが丁寧に描かれて行く。大立ち回りの大剣戟シーンが減るが、それもまた仕方の無い様に思う。
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佐伯先生の単発的な4話完結の物語
図書館から借りたけど、完結編が最初に
来たのはアリガチな話で、後で1話から
読みます
寄せ集めのようでギリギリ生きている庶
民のつながりが物語に清涼感を与えてい
て、主人公が飛び出した藩の事情とかは
知らなくてもグイグイと話にのめり込む
(つ、強がりじゃないからね!)
酔いどれの世界観で、人柄が味方になり
全てがうまくはまるタイプと思ったが、
手練れの作者は少しばかりの逆らえない
運命を演出するのだった (´・ω・`)
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内容(ブックデータベースより)
焼失した建物の再建も進む中、舟を使った出店、千代田の城を見ながらの絶品風呂など
アイデアをいかした商いも続々生まれ、照降町は元気を取り戻そうとしている。
町の復興の要となり、照降町の人々の支えとなっている周五郎だったが、
小倉藩の派閥争いの中、実兄が命をおとし、藩主からのSOSに苦悩するが…
周五郎が町をいずれ去ることを覚悟する佳乃の想いとは。
大火から9ケ月後、二丁町には官許の芝居小屋中村座が完成。こけら落としの出し物は
佳乃をモデルにしたものだった。大入り満員の最終日、客席には意外な人物が。
コロナ下と重なる江戸の情景と、人々の想いが元気をくれる!
佐伯泰英の新作四巻、ついに完結!
令和3年8月3日~5日
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シリーズ四弾。照降町の復興が進み、佳乃と周五郎の日常も戻って来た。船上の出店も評判となり、また身請けの決まった花魁梅花との友情も深まり佳乃は充実した日々を過ごす。だが周五郎は藩の内紛に関わらざるを得なくなり、やがて藩主とも目見えるようになる。そんな中、二人が照降町の御神木の梅の木を大火から守ったことが芝居になる事になる。
大火後の二人の行末が描かれている。佳乃は鼻緒屋の女主としてますます評判となり、周五郎は武士として生きていくことになる。二人が互いの生き方を尊重し、まっすぐに自らの道を進んでいくところがいい。
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佐伯泰英氏 珍しい女性のお仕事時代小説のようにも思えるが、やはり、主人公は、八頭司周五郎!
照降町の大火からの復興!
そして、周五郎の豊前小倉藩の派閥争いに、兄が、撲殺されて、どうする!!!
武士が、給金も貰わず、鼻緒屋の見習い職人という設定も、またまた、佐伯泰英氏の面白い趣であろう!
居眠り磐音の51巻は、おこんさんとの繋がりがどうなるかどうなるか、ハラハラさせられたけど、この小説は、4巻で、刊行!
そして
終わりの5章は、平安、安定な話で締め括られている。
あとがきで、著者が、80歳とこの時点で、書かれており、愛読者としても、長い間、小説に楽しませて頂いて居ることに、気付かされる。
まだ、空也十番勝負、声なき蝉を読んでないことにも!気づいて、本屋へ!
周五郎と小林重三郎との対決で、「剣術は力で無い。技と間だ。」と言葉を投げかけるのだが、重三郎は 「力と速さだ。」と答える。
剣術の極意について語られているが、人を動かすのも、力だけではなく、技量と、間の取り方かもしれないのでは、…と、思いながらこの完結編の本を閉じた!
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復興はまだ半ばでありつつ、
人々の活気や繋がりの優しさを感じることであたたかくなる。
タイトル通りの『一夜の夢』
振りだと思っていた結ばれない想いは、そこで終わってしまったのはやはり切ない。
しかしお互いを想いつつ、
生き方を尊重していることがうかがえる。
時々、佳乃が周五郎に確認するから余計に寂しくなるんだよね。
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今やバツイチは少しも珍しくないが、当時は恥ずかしいこと、いけないこと御法度だったのだろう。
それでも、手にした技で、ひらめきと知恵で焼け野原の江戸で再興の一助となる。
周五郎は磐音とそっくり、欲がなく、温かく、人に尽くして、何より強い。
機転も効くし、手仕事が上手。
磐音とまったく同じ人物像。
だから好きで読みたくなる。
出戻り、出戻りと自分を下げるのは鼻につく。奥ゆかしいところなのだろう。
“照降町は周五郎の修行の場”うまくおさめた最終巻だが、佳乃は思い続けるだろう。
周五郎とてそうだと思う。
現代と違う身分の差がものをいうのか。
花魁の三昧刃の高下駄、中村座の芝居、話が大きい、そんな活躍に本当にわくわくする。